木れ切れなるままに   
  作品を作りながらつれづれに想うこと

【工房ご案内】名古屋市内のとあるビルの2階に工房を移して数年が経つ。機材は現在糸のこが四台ー旧式のスクローラ800、GR400、AK35が2台、(いずれも旭工機製)ーボール盤、ベルトサンダー、自動カンナ、丸鋸、トリマーと一応そろえてある。材はカンナ掛けもしていない板がごっそり。組み木用には20ミリ厚のカツラ板を用意してある。むろん、オリジナル作品の合板シリーズにも挑戦できる。毎月第2土曜日か第4土曜日を開放。糸のこの台数が限られているので必ずひろば(052-834-1986)まで予約のこと。日程は「ひろば通信」の最新号を参照のこと.


06/11/20  昨日は二女の誕生日。ちょうど「おもちゃのひろば」の開催日でもあり、忙しい一日。狭い地下のひろばでにぎやかにおもちゃタイムが終了した後、工房で仕上げた「ダストボックス」の梱包.この作品は工房にストックしてある材木を活用することが目的.多分、神代杉だと思うが、以前に購入した材を自動カンナにかけ、端の木肌も残したまま、強引に箱にしてしまった。それでも、自然木の感じが生かされていい作品になった。これからの作品づくりのある指標になるかもしれない。

06/11/03 毎月の工房の開放日は、ほとんど常連さんでにぎわっている。それぞれ小黒組み木や工房に展示してあるオリジナルの合板作品等に挑戦。こちらはささやかにお手伝いのみ。最近たまに自分で考えた作品に挑戦するすごい子もいるが、何とか自力で仕上てしまうのでそれも感心。まだ五年生ですよ。
 そんな皆さんの奮闘ぶりを見つつ、こちらもせっせと新作を,と言いたいところですが,この頃とんと浮かんできません。たぶん、母親のこととか、職場のことがあリ簡単に切り替えが出来ていないのだと思います。
 ならばと作ったのが、孫のあーちゃんが来た時に使える机と椅子のセット。引き出しをたくさんつけ、おもちゃをしまえるところがみそ。ただ、実際に本人が遊んでいるところを見られるのは正月になるかも。
 続いては母親の部屋に置く「マガジンラック」彼女の名前を窓にしてみました。続いてミニテーブルに飾り棚を予定している。娘の誕生日のリクエストも「ダストボックス」と家具づいており、しばらくこの工房はおもちゃ稼業から家具屋さんに方向転換しております。

05/12/16  10日のおもしろ学校ごっこと 先日のくすのきの授業で、ワークショップ用に手直しした「組み立て犬」を作ってみた。おもしろ学校の方はまた糸のこをレンタルして、制作.助っ人に呼んだ工房の常連のおかげもあって、何とか時間内に仕上げることができた。
 一方くすのきの方は糸のこ操作でつまづくとまた、すぐ投げ出しそうな予感がしたので、あらかじめデザインを選んでもらい、組み立てるだけのキットのセットにした.少々の手間だが、ここまではとても正解だった。ところが、やすりで磨いてさあ、組み立てとなるところで、大混乱.こちらは少しずつ説明しながら、補助をしていけば全体が流れて行くかなと甘く考えていたのがまちがい.まず、どの部品のことをさすか分からない、棒の長さが3種類あることが分からない、向きが分からないと、分からないことだらけ.それは年齢も関係なく、彼らの経験不足、人の説明が聞けない苦手さ等々がもろに露呈。
 そういえば、他のワークショップでも恐竜や動物の組み立てはどの子も苦労するパターンが多く、結局一人ずつ教えていたことがよくあった.その度に、何かいい手はないかと考えていたが 、未だに名案がない.このパターンは自分の中では当たり前すぎること、工房では少し慣れればさっさと自分で作っていることなどから、説明の必要性をあまり感じていないのがネックらしい。
 とにかく子どもは初めて体験するのだ。本当に生まれて初めてのことを今やらせようとしているのだ。だからくどいくらいの説明、お手本が必要.あるいは大人が手助けしてしまってもかまわないのだ.それを見ながら自分でもやって見るという気持ちになればいいのだ。混乱の中でも何とか全員が作り終わったのは奇跡かも。
 幸い、できあがった作品にはとても愛着があるみたいで、その後も毎日学校に連れてくる子もおり、作者としてはうれしい限り.ただ、食堂に持ち込むのだけはやめてほしいのですが。

05/10/10  この三連休はくすのきの行事もあり、工房も半日に凝縮して慌ただしく終わる.そろそろ新作に手をつけたいが、その試作でこけてしまった。赤ちゃんおもちゃの第二弾として、玉が落ちてくる構造を描いたが、これが全く机上の空論そのもの.構想としてはどっちに落ちるか偶然のコースを想定したが、力学的にも破たん.おもちゃの道は遠いものです。

05/10/03 先日清里にて「第9回創作おもちゃフェスティバル」が開かれた。前回は事務局長の立場だったので、忙しさは尋常ではなかったが今回は一参加者としてゆったりと参加できた。清里と言うリゾート地ならではの雰囲気に浸りつつ、今回のうたい文句は「ワークショップ100講座」五日間なので一日20の講座がひしめくことになる.私も二コマ用意したが、それ以外にも糸のこを使う講座はほとんど担当.もし、予定どおりの人数なら大変なことになるところだったが、幸いぽちぽちの入りで指導もゆったり。イベントとしては少しさびしかったが、それぞれに糸のこ工作は楽しんでもらえた。最近、改めてこういうワークショップで教えることが楽しくなっている。はじめはさっさと作らせてしまうことばかり考えていたが、本来このできあがる過程を楽しんでもらうことが大事と実感.作り上げたと言う満足感を味わってもらえるようお手伝いする.それが「作る楽しみ」に直結するとようやく気付いた次第。

05/09/03 先月末に長女の結婚式。鹿児島まで一家・一族でくり出し、そのイベントにつきあう。心から祝い、花嫁の父としては感涙するはずだが、その前後にいろいろあり、気持ちが乗らないままの式になってしまった。そんな自分を癒すために、その前日には工房で孫のためのおもちゃを仕上げ、手みやげにすることにした。孫が遊ぶ姿を想像しながら試作し、鹿児島で試してみることを唯一の楽しみに出かけることにしたのだ。作品は「おむすびころりん」のニューバージョンで「おだんごパンころころ」ビー玉を複数入れたことですぐ止まるところがみそ。赤ちゃんのきょとんとした顔がうれしい。

05/08/24  先日南図書館の展示と糸のこ教室を行う。これは「組み木を楽しむ会」の年中行事ですでに14回目になる。つまり、このひろば開催の2年目から続いていることになる。ただ、最近小黒組み木を作り続けている仲間が減ってきており、スペースを埋めるのに苦労している。今年は工房に参加されている方にゲスト展示をしてもらった。この先しばらくはこんな形になるかもしれない。
 続いて行った糸のこ教室も、そこそこの参加で楽しくできた.小黒組み木と合板恐竜の組み合わせ.このパターンもしばらく継続か.特に合板動物関係は組み立て作業に手間どり、教えているうちに、こちらがパニクッてくることもあるが、今回は工房によく来る若い仲間に助っ人を頼んだので、とても余裕を持ってできた。それにしても、この合板シリーズ、何かいいネイミングはないものでしょうか。

05.5.5 今年の連休は飛び石で落ち着かないが、個人的にはちょうどよかった。この時期、差し迫って製作に追われているわけでもなく、時間的には余裕があったから。ただ、6月にある展示会のイメージが今一つで、それを明確にするのがこの休み中の課題。何せ「アート」という言葉に惑わされ続け、夜もうなされることがあるから尋常ではない。ただ、どうころんでも自分の中から出てくるものは、自分なりの作品でしかなく、それを変にアートっぽくかっこつけるのはやめた。昨年も「ちいさなおうち」を展示したが、それなりに自分では見栄えがした。今年は「海賊キッド」たちを船に乗せ、展示するつもりだ。一応、船は完成。かなり「らしく」なった。結局今作り続けている「スライドシリーズ」をたくさん紹介するつもりだ。
 先月娘に頼まれて、舞台の小道具を作った。彼女のイメージを形にし、試作を手直しして本番。予想以上に舞台に栄え、親としても本望。彼女も踊りを表現手段に「アート」の世界に乗り出しているわけで、また、ぜひ協力したいものだ。そんな中で自分の中でも「アート」と自分のおもちゃの接点がもう少し見えてくるかもしれない。

05.01/24 この正月、ついに孫の出産。それにともなって、昨年クリスマスの前後に3日間かかって、ベビーベッドづくり。おそらくこれまで作った作品でもっとも大きなものだろう。事前に材木屋でカットしておいてはもらったが、中抜きを取り入れたデザインにしたため、厚さ15ミリの板を二枚重ねで、ひとつひとつくり抜く。その数20以上。板の長さも1m以上あるので、回転させるのが一苦労。ムコ殿の助っ人があってようやく可能だった。それでも組み立て式にしたアイデアはなかなかで、赤ちゃんのおさまりもよく、自慢の作品のひとつになった。

 くすのきの子への誕生日プレゼント渡しが続く。今日もミニハウスを家具つきでワンセットプレゼント。最近は単純なものが減り、要求も徐々にエスカレート。ときどき何でこんなことをと思うときもあるが、自分にやってあげられる最も得意なことなので、あそこにいる限りやめられないだろう。たまに校庭に残骸が散らばっていると悲しくなるが、そのときの子どもの心情を思うと怒りはわいてこない。また作ればいいのだから。
 昨日久しぶりに組み木作品ができた。題材は国語教科書に載っている「きつねのおきゃくさま」出張授業をしたときに子どもたちが群読を演じてくれ、感激してこれを作品にしてみると約束してしまったのだ。本当に何年振りかという作品だが、材もナラを使い、シナ以外の香りを久々にかいだ。これからもときどきチャレンジしてみよう。

                

04.12.5
 久しぶりに朝から夕方まで工房にこもってしまった。これまでのパターンなら午前中は花の手入れに費やすのだが、今はそれどころではない。今年のクリスマス作品が図面のまま残されているし、子どもたちへのプレゼントもあるし、干支の新作も作る予定なので、いくらでも時間がほしい。こんな時に限って休日がなく、土日も何か予定が入っているので、またギリギリの作業になりそうだ。
 ただ、今年のクリスマスは長女の出産という大事業があるせいか、とても気が入っている。学園の子どもたちへのプレゼントも海賊シリーズの新作が仕上がっているせいか、こちらもサービス精神を出してしまい、本当の師走に奔走している。

04.11/4
 先月あたりから、久しぶりに夢うつつの中で図面を描く日々が続いている。これは少し大作に近い作品を考えているときに、よく起こる現象だ。しかし、今年は夏前にいろいろあり、じっくり作品を考えることができていなかった。じつはこの間精神的な病のため二ヶ月ばかり仕事を休職し、治療に専念していたのだ。治療と言っても自宅療養なので時間はたっぷりあり、根をつめなければ工房の作業も許可が出ていた。だから作品さえ思いつけば大作も可能だったはずだ。しかし、そんなときにかぎってほとんど新しい作品は思いつかず、むなしい日々を送っていた。
 ようやく、職場へも復帰し前のリズムを取り戻したら、この作品を思いついた。それは職場のくすのき学園の子どもたちをイメージして作った初めての作品だ。この学園には勤めて六年が経つが、子どもたちとのやりとりに疲労ばかり感じることが多く、とても子どもたちをモデルにしようと言う発想が出る余地はなかった。
 そんな気持ちに変化が起きたのは、この二ヶ月の休暇が大きいと思う。少し離れて立ち止まって、子どもたちの境遇や将来、日頃学校で何ができると言ったことなど、ゆっくり時間に追われず考えることができた。結論が出たわけではないが、自分にできることをしていくしかないという気持ちを持って復帰はできたと思う。
 そのため前より少し余裕を持って子どもたちと接することができ、それが子どもたちをモデルにした作品に繋がったのだろう。
 作品タイトルは「海賊キッド」日頃の横着振りからぴったりの命名と自負している。動くしかけも気に入っている。図面の段階と試作ではかなり動きが異なり、改良のしがいもたっぷり。今7種類ができ、まもなくそれぞれの動きは完成しそう。同じ原理でいくつかちがうパターンができたので、他のシリーズへも応用できそうだ。
 つぎには、その海賊たちが乗る帆船を考えているが、図面上でも1メートル以上になり、早、置き場に頭を悩ましている。その帆船にもいろいろしかけを考えているので当分夢うつつの図面描きは続くかもしれない。

04.10/30 
 昨年あたりから月一回の工房開放日も超満員になってきました。こちらにもう少し余裕があれば、あと一日くらい追加したいところですが、今のところこのペースで勘弁下さい。今年は体調の都合で三ヶ月ほど休館にしてしまいましたが、今後はこのペースを何とか維持して行くつもりです。作ることが「癒し」になる場所にしますので。

02.10/12 
 工房においてあるGR400。組み木にハマった初期のころ愛用していました。今は工房の糸のこ教室で使うのみですが今度スタンドをつけ、振動部分も部品を交換してメンテナンスしてもらいました。ほとんどスクローラと同じくらい安定した動きになり、いい機械に復活しました。本日の糸のこ教室でお披露目。
 今日の作品はゆらゆらシリーズが初登場、カニとラッコ、最後のバランスづくりが大変でした。合板ではブラキオサウルスとステゴサウルス、ディノニクス、リス、犬の新作コーギー犬、ミノカサゴ、そして小黒さんのツリーとテレビ放映用の小松さんのウサギの親子でした。

02.10/6 
 この日は合板恐竜づくりの4回目。人数が増えるとなかなか目が行き届かず、このイベントのたびに四苦八苦していましたが、今回はようやく楽しんでもらえたようでした。
鶴舞中央図書館の一室という条件でしたので、ドリルの騒音を避けるため、事前に紙貼りと穴開けをすませてのワークショップなので、準備が少し手間。その分、あまり板が少なく材料の効率はよかったようです。

02.5/11 
 この工房でははじめての方にもすぐ楽しんでもらえるようにデザイン、材料は用意してありますが、慣れてくると特に子どもたちはサンプルで飾ってある作品にすぐ挑戦したがります。私の最近の作品はほとんど合板を駆使していろいろな生き物をアレンジしていますが、新作をすぐ作られてしまいますから、たまりません。作りたいと思ってくれるのはうれしいのですが・・・。そんな作品のひとつ、ミノカサゴとムササビくん。

02.2/9 
 この日の午後は昨暮れのテレビ取材で関心を持った方の初心者教室。一応先月もみえた二名と新人の一名も加えて、糸のこ三昧。厚み2センチ、20センチ×10センチのカツラ板と格闘。手応えは充分だったようで、残りの端切れでも練習。とても熱心なおじさん、おばさん方でした。