ひろば通信 2001−4

◇あれほど暖かくなるのを待ち望んでいたのにもう桜は散り始め、チューリップも終わりかけています。植物も案外生き急ぐんですね。そんなめまぐるしい季節がやってきましたが、昨年の秋から育ててきた苗の行き場がなく、ついには前のガレージひろばのように道路にまではみだしつつあります。それにしても脇の方で勝手に伸びてきた苗の方が元気がいいのはどういうことでしょう。植物には過保護は似合わないかもしれません。
◇先月のひろばは少し少ない入りでしたが、そのかわり前日より高校を卒業する娘の同窓会がわが家であり、何と十人以上の青年たちが寝泊まり。前にも紹介した風の子幼児園を卒園した面々ですが、地下のひろばにもしっかりたむろしてパズルや木のおもちゃに興じていました。
年齢を超えたひろばをめざす管理人としてはうれしい風景でしたが、いつかその子たちが二世を連れてまた訪れてくれることを期待します。
◇新年度のスタートはいかがでしたか。新しい環境にはそれなりにいろいろあると思いますがまずは早くなれることですね。学校でも黄色い帽子の新入生たちが笑顔で遊んでいるのを見て安心していますが、子どもは子どもたちの中で育つものという感を毎年強く持っています。自分の子だけでなく、その子のまわりも含めて育てていくくらいゆとりを持ちたいものですね。
 そんなとき支えてくれる本が例の二冊だと思います。佐々木正美著「子どもへのまなざし」とその続編です。ひろば用にもそろえておきましたので、木のおもちゃに触れながら、この本で不安を払拭して下されば幸いです。
 特に続編の方は子育ての悩みに答える内容ですので、いつもよりはっきりした口調にすごく納得する部分があります。
 その中で、施設で育つ子どもたちのことが出ており、その園長がどの子にも「えこひいき」をしてあげたいのだけど集団の中ではなかなか難しいという話が出てきます。自分が大切にされている経験に乏しい子どもたちほど、どこかでゆったりと甘えさせたり、特別の願いを聞いてあげることが必要です。少ない機会をとらえてはスキンシップを心がけている話は「くすのき」の姿そのままです。
◇「くすのき」では卒業などの区切りの他に、自分から生活の場所を変えていく子どもたちがいます。すごい決意だとは思いますが、とにかく精いっぱい頑張れと応援するだけです。そんなある子のために作った作品が子ウサギを抱く少女です。ウサギが大好きで自分でもウサギを主人公にして創作童話をたくさん書いていた子ですので、将来がとても楽しみです。
◇その子にはつらくて言えなかったのですが、かわいがっていたウサギがその子が旅立つ朝、静かに息を引き取ってしまいました。ひと月前から首が傾いてしまう難しい病気になり、しまいには下半身もマヒしてしまい、えさも自分で食べられなくなってきたので、覚悟はしていました。でも獣医さんのアドバイスで、食べるものなら何でもあげなさいと言われ、すったリンゴにイチゴややわらかいつみ菜などを与えたら、だんだん元気になり何とか自分でえさをついばむようにまでなってきましたので、残念でたまりません。春休みはわが家で看病をしていましたがその最後の一週間、ウサギが懸命に生きようとしている姿は本当に感動でした。この姿こそ子どもたちに見せたかったと思いました。ペットとして生きものが人のそばにいる意味はこの生きているぬくもりそのものなのですね。
◇今月の新着おもちゃは西田明夫さんの綱渡り人形「スーパーマン」です。空を飛ばずに綱を歩く姿がユーモラスです。
 もうひとつはおもちゃのかわりに地下の階段に手すりをつけてもらいました。今まで階段をこわがっていた子も安心してきて下さい。
◇ライオン一家に続いて、ニホンカモシカをモデルにその生息する山の風景を作品にしてみました。そもそもこの動物シリーズを作るきっかけになったのが、御在所のカモシカセンターからの依頼だったこともあり、縁が深い作品です。1才足らずで厳しい子別れの儀式が待っている話も思い出しました。
・毎年この時期にお願いしていますが、このひろば運営のための賛助会員を募集します。特に特典があるわけではありませんが、この全く個人的な試みに賛同して下さる方はご協力をお願いします。すでに十年が過ぎ、つぎの十年に向かって歩き出していますが、継続こそ価値あるかなと実感を抱いています。

  ・一口 2000円
  ・郵便口座 00810−9−19647
  ・口座名義人 三輪義信

◇一日おもしろ学校ごっこのお知らせ
 友人たちと続けてきたこの企画も17回目を向かえました。学校とは離れて全く自由な発想の授業で子どもたちと向き合っています。今回は加えて親向けに懇談会(困談会?)も用意しました。日頃の不安、不満をスタッフと語りませんか。詳しい内容はチラシを参照のこと。

 ・6月9日(土) 名古屋市女性会館

◆「雪の女王」のストーリーがようやく形になりました。とりあえず、紙面でご覧下さい。