ひろば通信 2001−5

◇こいのぼりをセットする間もなく、連休をやり過ごしてしまいました。この月は黙っていても花々がにぎやかで、それにともなって外仕事がいっぱい。工房でほとんど制作しなかった連休は初めてでした。
 まずは板張りの壁の塗り替え。二年に一度のお手入れが必要らしく、はしごを持ち出して一日がかりの大仕事でした。塗料はドイツのアウロという自然染料でほのかにオレンジの香がします。地下のひろばにも塗ってありますが、もう消えたかな。
 その後はハーブの収穫。今年はボリジとマロウの花が思いきり元気に伸びて、大事なミントが隠れてしまいました。そのかわりカモミールが咲き誇り、毎日のように白い花を収穫しています。ただ、同時に虫たちも活躍をし始めよく食べてくれます。プランターにはレタスなどの野菜も育てているので、虫と競争で食べ急いでいます。なかなか生き物たちとなかよく共存とは言えないこの頃です。
◇やはり連休中アパート時代を思い出し、庭の片隅に野鳥のえさ場を作りました。でも、2週間くらい経ちますが、まだ気づいてくれません。この時期はたくさんえさに満ちているのでもうしばらくは飾りだけかもしれません。
◇突然政治の話題ですが、内閣が変わり、また憲法論議がマスコミをにぎわしています。人気先行の内閣らしいですが、きな臭い発言を平気でする体質は全然変わっていないようです。
 この論議の前からとても気になる本が出ていました。それは童話屋が出した「日本国憲法」そのものと「新しい憲法のはなし」という文庫本です。後者の本は憲法ができてから数年間中学の教科書として使われていた本で、文部省自身が作った本です。そして、その文章を読むと
なぜかジーンと来てしまうのです。もし、教室でまたは家庭で子どもたちに向かってそこに書いてある中身をそのまま語ることができたら、この国はもっと救われるかもしれない、そんな気持ちになるのです。以前この通信で紹介した教育哲学の上田薫先生も戦後幕開けの文部省に所属していたので、この本づくりに関わっておられるかもしれません。社会科の免許を持つ教師のひとりとして、この本を何とか生かしたいものです。ひろば用にもありますので、ぜひめくってみて下さい。
◇NHKスペシャルの「ことばを覚えたチンパンジーの子育て日記」をご覧になりましたか。
昨年クラスの国語の特別授業でその絵本とビデオを使い、チンパンジーのアイがコンピュータを駆使してことばを獲得していく過程を感心しながら追ってみました。そのときのある子の一言「アイは学習が楽しいんだね。」がとてもショックでした。
 その天才と言われるアイが昨年子どもを出産し、子育てに挑戦。そのルポが今回の放送でした。アイをパートナーと呼ぶ松沢教授にようやく子どもを触れさせるシーン、子どものアユムが気になり、学習に集中できず、いらだちを壁にぶつけるシーン、学習に興味を持ったアユムにひたすら手本を示すシーンなど、人間の方がアイに学ばなければという場面がたくさんありました。再放送があったらぜひ見て下さい。絵本は福音館書店から出ています。
◇天才といえばイチローくんの活躍はすごいですね。かつてはプレッシャーに負けた悲壮な顔つきがオリンピックなどの日本人の姿だったのですが、彼もこの国を変える一人になるかもしれません。いい意味で個人に徹している気がします。自分が野球を好きでとことん追究したいという思いが今の活躍につながっているのでしょう。で、新庄くんの方はどんな思いかな。
◇今回の通信はおもちゃの話題が少なくてごめんなさい。夏のイベントの準備がいろいろあり、頭の中のおもちゃモードが休憩しているのです。でも、新しく「手つなぎゲーム」を購入してあります。玄関にもアフリカゾウの親子がバオバオの木の陰でたたずんでいますよ。

◇今月26,27と熱田区のウッディランドで特別に「組み木教室」を頼まれました。その関係で第四土曜日の工房はお休みします。会場では楽しい木のイベントがたくさんありますので、よかったらお出かけ下さい。6月はいつもどおり23日に行います。ひろばは17日です。
◇岐阜の美濃市で吉澤章先生の創作折り紙展が開かれています。これが紙でできているのかという作品にきっと魅せられると思います。私もそれで二十年続きましたから。ぜひご覧下さい。

 ところ  美濃和紙の里会館
  岐阜県美濃市蕨生1851-3
   TEL 0575-34-8111
とき  5月28日まで(火は休館)