ひろば通信 2001−9

  工房 22日  ひろば 16日

     2001年9月12日C

◇この夏はいつになくたくさんのイベントがあったせいか、9月になってもなかなか体の調子がもどりません。こんなときはやはり、酷暑の夏を乗り切った草花たちからエキスをもらうのが、いちばんのようです。少し涼しくなっただけで、あんなにぐったりしていたのがうそのようにしゃんと背筋をのばしていますから。
 なかでも今年もるこう草がつるをのばし、ひろばの目印になりつつあります。そして、秋の種蒔き、球根植えと庭仕事にひたりつつ、夏のイベントの片づけをしています。
◇最初のイベントが「組み木フェスティバル」
名古屋を会場に全国規模の作品が集合するというので、こちらも力が入りましたが、幸い上々の入りのお客さんでホッとしました。中でも外のテントでの暑い最中の組み木教室が大盛況で会期中何回も見える方もいました。自分で作品ができるっていうのは本当に魅力なのでしょうね。会場中央には遊びコーナーを設け、組み木パズルや遊具で遊んでもらいましたが、まるで、このひろばが引っ越してきたような感じでした。このフェスティバルでは工房やひろばの紹介もしましたので、今月はどちらもかなりにぎやかになるかもしれません。ひろばへはこのイベントの出品者のみなさんも寄って行かれました。予想以上に作品があったようで驚いていました。何せ十年を越えていますからね。また、このひろばに刺激を受けて、自分のところでも場所を開放しようと計画している方もいて、いい広がりを感じます。
◇このイベントの後、南図書館で展示をしてから向かったのはつくばのおもちゃフェスティバル。「日本おもちゃ会議」というおもちゃに関わるグループが一年おきに企画している大きなイベントで、今年で7回目になります。自分の作品づくりとも並行しているイベントなので、毎回顔を出していますが、今回は少し状況がちがいました。組織も大きいので、その運営が難しく取りまとめる事務局の負担は並ではないようです。おもちゃ作家も含めた組織ですが、運営についてみんな素人。よく続いたと思います。そして、ついにこちらに事務局が回ってきました。まだまったく白紙の状態ですが、これからしばらくの間頭を悩ますことになりそうです。
 ただ、毎回このイベントに参加していて、いつかはそこに並んだ作品をこの地の子どもたちに見てほしいと考えていましたので、またひとつ夢が実現できそうです。いずれにしてもこのひろばや工房が小さなベースになりますので、そんなつもりで中身を作っていきます。
◇そんなイベントの前に出かけたのは、何年かぶりの屋久島。前回の家族旅行のかわりに今回はつれと知人とのエコツアー。しかもプロのガイドつきで中身も充実したツアーでした。奥深い森の中で苔蒸した太い屋久杉に長い時間を感じ、澄んだせせらぎの水を浴びるほど飲み、体の芯から洗われる気がしました。念願の縄文杉もこの目で確かめ、満点の星に圧倒されながらウミガメの産卵にも立ち会いました。鹿やサルの方が数が多いこの島の魅力は単に自然の宝庫というだけでなく、その自然の恩恵を受けて私たちは生きているという自覚を思い出させてくれることではないでしょうか。
◇映画にもたくさん行きました。この夏は評判の作品が目白押しで前売り券の束を持ちながらイベントの合間をぬってせっせと通いました。
しかし、3回も行ってしまった『千と千尋の神隠し』は別格として、後の作品は今ひとつ物足りませんでした。まず、『A.I』はロボットの運命があまりにかわいそうでつらく、『猿の惑星』は筋の予想が見えすぎ、『ジェラシックパーク。』で軍隊が出てきては興ざめでした。ただ『マレーネ』は戦争というものが女性の心をその奥まで傷つけながらも芯の強さに救われるものがありました。同じ背景の『蝶の舌』は無垢な子ども心がよけいに戦争の残酷さを訴えていました。
 それにしても『千と千尋』がこんな評判になるとは思いませんでした。もののけ姫(屋久島ではその舞台の説明もありました。)に比べると話も軽く舞台も不思議なお風呂さん。そこにちょぴりロマンがあるだけで、ものすごく余韻が残ります。いい作品を作る宮崎監督に脱帽。
◇京都のおもちゃや屋さん「キッズいわき」に行ってきました。おもちゃ会議つながりで店長のいわきさんとも知り合いですが、おじゃまするのははじめて。絵本もぎっしり、おもちゃも幅広く集めてあり、ひとつの手本にしていいお店でした。そこのイベントルームで近々作品展示をさせてもらうつもりです。
 今月の新着おもちゃはそこで購入した2点とおもちゃフェスティバルで見つけた作品です。
ひとつは積み木がいくつ持てるか競う「バランス人形」もうひとつは汽車をひとつずつ進める楽しいゲーム。カタツムリゲームの汽車版です。そして、前から製品になるのを待っていた、京都の作家松島さんの作品「ウェーブ」です。タイミングが会えば何回も波乗りを楽しめます。またはまりそうな作品です。

◇キッズいわきの店長さんは、ほとんど店にいることがなく、あちこちの講演に走り回っています。おもちゃや絵本の紹介だけでなく、子育ての適切なアドバイスが評判で引っ張りだこのようです。そのことは彼の書いた本を読めば一目瞭然。ひろばにもありますので、一読を。
「子育てのコツー子育てに元気の出る本」(三学出版)続編もあります。そして、話は男と女のつき合い方にも及びます。
●男女仲良く暮らすためにも上手なおり合いが大切。
●子育てに男も参加しないと、父の文化が子どもに伝わらない。
●「話さなくても、わかっているはず」を「話せばもっと良くわかる」に。etc
◇イベントに明け暮れた夏でしたが、ひとつだけ新作をまとめました。また、お話シリーズで今回は「つるの恩返し」です。昔話にしてはもの悲しいストーリーですが、つるが機を織るシーンを形にしたく小さな機織り機を作りましたが、いかがでしょうか。

◇ただいま、新しいホームページを作成中です。まだ、工事中ですが、関心のある方はこちらものぞいて下さい。
http://www05.u-page.so-net.ne.jp/sa2/tetsu-yo/