ひろば通信2002−2

 ひろば 17日 工房 9日
 ・発行 おもちゃのひろば
 ・TEL&FAX 052-834-1986

◇スノードロップの小さな白い花やスイセンが咲きだし、お向かいの庭では梅が咲き誇っています。枯れ枝や枯れ草を整理していると、そこにはすでに新しい芽が育っています。まだまだ家の中に閉じこもっていたいのに、外では着々と新しい季節の準備が進んでいます。ではこちらも烽サろそろ庭の手入れをしようと、苗をたくさん買い込んで休日を待っていたのですが、あいにく風邪でダウン。めったに出たことのない熱で休日が本当の意味の休日になってしまいました。予定では工房でもひろば用のおもちゃを作るはずでしたが、仕上げは来月までお待ち下さい。
◇「ガイアシンフォニー」の四番を見てきました。このシリーズは欠かさず見ていますが、ほとんど自主上映で、チャンスをのがすと当分見ることができません。今回もロードショー館の朝一のみということでさびしい限り。しかし余韻の残るとてもいい作品でした。形はそれまでと同様四人の人物による語りと映像で綴られています。一人は地球がひとつの生命体であるというガイア理論を提唱したジェームス・ラブロック、サーファーのジェリー・ロペス、野生チンパンジー研究家のジェーン・グドール、そして沖縄の版画家名嘉睦稔。四人それぞれ個性あふれる主張でしたが、共通しているのは自然との「共生」。そしてどの人もひとつのことを成し遂げつつあるせいか、とてもおだやかで柔和な顔つきでした。もうひとつ、子ども時代、幼少時代の体験・環境がそのままその人の人生につながっていることを実感させられました。意識するしないにかかわらず、今の子どもたちが育っている環境を問い直すことは重要ですね。
◇この映画を見る前から、チンパンジーのアイの研究で有名な松沢さんの著作を読んでいます。その本の中に映画に登場したジェーン・グドールさんのことが何度も出てきます。映画を見て改めて彼女のすキごさを知りましたが、ひとりでアフリカへ渡ってしまう勇気とそれを止められたとき、ではと母親が同行して実現させてしまう母親のすごさにも驚きました。そのおかあさんのエピソードで、彼女が幼少の時ベッドに持ち込んだたくさんのミミズを見つけ、「ミミズは土のないところでナは生きられないんだよ」と諭したとのこと。こうして人生が決まっていくんですね。
◇松沢さんの最新刊『おかあさんになったアイ』の最後に障害を持つ子の育て方についての質問コーナーがありましたので紹介します。
「子どもに障害があると考えるのでなく、その欠けているとこアろをまわりが補償する努力をすればいい。補償の仕方はその子の力を伸ばすのもひとつだが、代わりにやってあげるとか、問題をやさしくするとか、いろいろな形が考えられる。どこかに工夫の余地はないかと探すこと。あることができなかったら教え方が悪いためだと考えるのが生産Y的な方法。ただし、本当の目標は何かよく検証すること。往々にして目標のための目標になりがち。その子にとって何が幸せなのかよく考えること・・・」彼の仕事も本当に示唆に富みます。
◇映画につられてグドールさんの自叙伝『森の旅人』を読んでいます。チンパンジーを語りながら、人はなぜ生まれ、生きているのか深い自問をくり返します。その彼女の最近のポートレートを取っているのが、あの動物写真家星野道夫。アラスカで亡くなる前、たった一度アフリカを撮影旅行。その目的のひとつが彼女と会うことだったそうです。人間みなどこかでつながっているのですね。さっそく星野さんの最後のエッセイ『アフリカ旅日記』も一日で読んでしまいました。
◇工房で作る予定だったのは、京都個展のとき購入した松島さんのおもちゃキット「もぐらたたきゲーム」と自作のコリントゲーム。松島さんのおもちゃはひろばにいくつもあり、Aとても評判です。円盤ジャンプに三段ロケット、音車、そしてウェーブ。中でも円盤ジャンプはこのひろばの初期からあり、円盤の空間のひろがりがその歳月と遊びに貢献した度合いを証明しています。もぐろたたきのセットもそれに匹敵する予感がしましたので、作って紹介するつも烽閧ナす。もうひとつのコリントゲームは、クラスの子のリクエストで考えたもの。クラスの子の誕生日には何か自作のものをプレゼントしていますが、たいがいは好きな動物などをアレンジしています。今回はどうしてもゲーム系のものがいいということでこれに落ち着きました。要望]に応えるのも苦労しますが、自分のエリアを広げるチャンスでもあります。ひろばでもコリントゲームは頻繁に貸し出されていますので、もうひとつあってもと制作中です。
◇今月のおもちゃを購入するに今回はまた東京に出かけていましたが、いつものニキティキには寄らず、おもちゃ会議の関係で和久洋三さんの童具館とおもちゃ美術館に行ってきました。童具館では和久さんの作品展示と創作教室をいつも開催しておりいい刺激になりました。おもちゃ美術館も古今東西のおもちゃがコレクションされており、見やすい展示にしてありますので、一見の価値があります。ひろばにもあるメキシコのびっくりおもちゃを見つけてうれしくなりました。今回のその2カ所で購入した小さなものが新着おもちゃです。まず、千葉の野出さんの作品。自在にポーズの変わる人形と「ビートン」というビー玉のせゲームです。下は「リングウェーブ」虹のように輪っかが降りてきます。後、和久さんの赤ちゃんおもちゃ「トンネル」と輪ゴムパズルのゴム。人気のコマサッカーのコマも補充しました。これでまたたっぷり遊べるはずです。

◇張り切ってホームページに画像をたくさん張り付けていましたら容量が一杯になりパンク。しかたスなく下記の有料サイトにアドレスを移しましたので、機会がありましたらときどきのぞいて下さい。
◇今月のひろばでは毎月のごとく組み木のおひな様を飾りました。十年近く前に製作した円びな組み木の五段飾りとそのデザイナーである小黒三郎さんご自身の製作された組み木びなが二点飾ってあります。たぶん今その作品はこのひろばでしか見られないと思いますので必見ですよ。そして、その小黒さんの個展が16日から鶴舞の「手児奈」で開かれています。こちらもぜひご覧下さい。場所はDMをご参照下さい。
 尚、翌日ひろばの日ですが、和久洋三さんの講u演会も開かれていますのでお知らせします。

◆「創造共育で育つ子どもたち」〜子ども本来の姿を見つけてみませんか〜◆
 ○2月17日(日)午後1:30〜4:00 
○名古屋市女性会館視聴覚室 要予約
   問い合わせ 遊ぼ 052-751-9495 

◇ひな人形が飾られ、まもなく春一番が吹いて暖かい季節が訪れますが、花たちのようにそれまでの準備が大切ですね。今年はまた卒業生たちを受け持っていますので、その子たちの巣立ちをしっかり応援していくつもりです。

◇来月のひろばと工房の予定も今月と同日になります。
   工房 9日  ひろば 17日