ひろば通信2002−8

夏休み特別号・発行 おもちゃのひろば

◇テレビの撮影が終わりました。丸5日間、カメラと機材に囲まれて、セリフを考えながら作り方の指導。お相手は元女性バンド「プリンセス・プリンセス」のキーボード奏者の今野さん。解散した後もソロで映画音楽なども手がけているとか。そんな方に糸のこの使い方を伝授しながら、いっしょに番組づくりをしました。こんな機会は一生のうちにそう何度もあることではないのですが、そのわりにいいかげんな準備で始まってしまいました。何せこの前の月にテキストづくりがあり、職場を途中で抜け出しての撮影。休みに入れば、大きなイベントがいくつか重なっており、作品準備にてんてこまい。その後でのテレビですから、かなりエネルギーは消耗していました。しかも撮影場所は自分の勤務校なので近いだけがとりえでしたが、うれしいことに撮影が終わると、毎晩名古屋のグルメツアーとかで、今野さんらとその日の打ち上げ。もう名古屋暮らしが長いのですが、行ったことのない店ばかりで、それだけを楽しみに5日間を乗り切りました。
 放映が10月になるので衣装は長袖。冷房が入る部屋でしたが、撮影中はストップ。順調に行っているときはまだ我慢できましたが、本番で作業がうまく行かないときなどは、冷や汗と暑さでもう背中がぐしょぐしょでした。音にも厳しく、飛行機が飛んでくると中断、雨音や子どもの声がしても取り直し。これで撮影完了という瞬間に腹の虫が鳴いて、またやり直し。放映の2回分を一日で取るというスケジュールで朝の9時から遅いときは夜の9時まで缶詰。それから食事ですからマスコミで暮らしている方の生活ぶりが少し分かりました。
 はじめの3回は自分一人でしたが、その後、同じおもちゃ仲間の面々を呼んだので、少し気が楽になりました。とたんに音声さんから「今日はトーンが落ちていますよ」とチェックが入りました。番組では毎回途中におもちゃ紹介のコラムがあり、静岡の相沢さんが登場します。そして最後の2回は彼のデザインしたモザイク作品を私が制作して締めくくり。ネフ社からも出ている製品なので、それが手作りできるだけでもお得な番組になったはずです。
 実際の撮影では、台本のかわりに番組の流れを書いた構成表があり、一区切りずつ打ち合わせをしながら進めていくので、プロデューサーの手腕が問われます。確か作品を制作したのは自分ですが、手順や材料についても自分以上に詳しいときもあり、驚いてしまいます。しかも、スタッフのカメラさんや照明さんたちが必ずしも指示どおり動くわけではなく、それぞれ自分のポジションでゆずらない場面もあり、こちらが間に入っておろおろすることもありました。これがプロの仕事かと妙に感心してしまいました。
 最終日は片づけにあわただしく、今野さんや相沢さんとゆっくり話もできないまま解散してしまい、心残りでしたが、後はしっかり編集していただいて画面で再会することにしましょう。 

 □放映予定  2002年10月2日より毎週水曜日午後9時35分 翌日再放送
        NHK教育テレビ 趣味悠々 「大人が作って遊ぶ木のおもちゃ」