ひろば通信 04-01
  ひろば 18日 工房 10日
 
・ 発行 おもちゃのひろば
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     2004年1月15日(木)
  
あけまして おめでとう ございます

◇今年はサル年。そこでこんな言葉で新年の誓いをたてました。
   サルものは 追わず
   来るものは 拒まず
   いくさには 加わらず
   いつも 変わらぬ 日々を願う
 
普段の新年は別に改まって誓いを考えたりしませんが、ここのところぶっそうな話が多く、うかうかしていると半世紀くらいも時代をさかのぼってしまう気がしています。せっかく新世紀になっても、だれもが安心して暮らせる世の中はまだまだ先になりそう。今何をしたらいいか思いつきませんが、せめて自分の周りは、このペースをくずさないように頑固になってみたいと思います。
◇正月休みにようやく時間ができたせいでしょうか、一気に創作意欲が沸いてきました。大晦日に工房の掃除をすませ、元旦一日あけた後、丸二日間工房にこもって新作を作りました。
昨年おもちゃフェスティバルの関係でほとんど工房での作業がごぶさたでしたが、唯一制作していたのは、職場の子どもたちへの誕生日の贈り物。好きな動物の親子や恐竜などを作っては渡してきました。夏には以前にも書いた「千と千尋の神隠し」に出てくる「白竜」もリクエストに応えてデザインしました。
こんどの新作のきっかけは、やはり誕生日のリクエストだったミニハウス。寮の自分の部屋に飾って小さな家具を並べて遊べるようにと、「組み立て式」にしてみました。
これがけっこう気に入って、その後四つのパターンを考えてみました。ドールハウスは以前にも組み木で「ワクワクハウス」などを作ってきましたが、今回は合板を駆使して2階建ての家を作りました。家具の方は、積み木の応用で正方形を分割・合成した木片をベースにして構成。これを考えるのがまた楽しい作業です。しかも、切り余った合板がどんどん使えますので、材料の節約にもなり一石二鳥。
今4件建設しましたが、他のパターンを思いつきましたら、ぜひ教えて下さい。早くも来月の工房で挑戦する方もあるようですから。
◇去年は『Dr.コトー診療所』のドラマにはまり、原作の漫画も全部買ってしまいましたが、もうひとつそろえてしまった漫画が『光とともに』という本。これまで漫画は手塚治虫以外あまり買っていませんが、この本はいいです。職場で進められたのですが、自分のこれまでの体験とダブり、この仕事の重さとこれまでの積み重ねを振り返り、もう少しやっていけるかなと励まされた気がします。
内容は自閉症と診断された「光」くんが家族の中で、保育園や学校の集団の中で、いろいろな事件を起こしながらも少しずつ成長していく姿を、ものすごくリアルに、両親の葛藤もものすごく切実に描きながら描写しています。漫画という手段がこんなにも的確に障害を持つ子どもたちやその家族の悩みをうまく表現してくれるとは思ってもみませんでした。
◇光くんと同じように自閉的な傾向のある子どもたちとは何人か触れあってきましたが、学校の中ではどうしても、どうしたらみんなと同じ様な行動ができるか、そこが指導の重点になりがちでした。でも、この本や、以前読んだドナ・ウィルアムズさんの『自閉症だった私へ』などによると、彼らの感じている世界が私たちとはかなりちがい、彼らの方がむしろ、この世界に自分を合わせようと必死でバランスをとっていることが分かります。あわよくば、そっとしておいてあげるというのんびりとした対応も必要みたいですよ。
◇先月予告したクレヨンハウス発行の月刊誌「クーヨン」2月号に私の知育玩具のコメントが掲載されました。2時間のインタビューをうまくまとめた編集者に感謝します。これを読んだ長女が、「お父さんって、こんなにスムースにしゃべれるのね」とほめてくれましたから。
◇クレヨンハウスつながりで先月また上京した折、青山の店をのぞいてきました。先回ニキティキであまりひろばのグッズがなく、この先が心配でしたが、ここではおもしろそうなゲーム「いも虫レース」と、いい本が見つかりました。
◇この本はあの相沢康夫さんの新刊『おもちゃの王様』です。月刊誌に連載されていた相沢さんお薦めのおもちゃがぎっしりと紹介されています。半分以上はひろばにありますが、この本で改めてほしくなった作品がけっこうありました。しばらく、そのあたりを中心にひろばのおもちゃに選んでいくつもりです。
◇そこで、今月の新着おもちゃは、この本でピンときた「アルボス」というゆらゆらツリーのゲームと、この本にもあり、先月ひろばでも話題になっていた「プラステン」という作品を購入しました。このプラステンは見たところ何の変哲もなく、5色の円盤が10個ずつ棒にさしてあるだけなので、それこそ「知育玩具」として数と色の学習に使ってしまいそうですが、この本を読むとこれが「乳児のおもちゃの王様」と言われるわけが分かります。とにかく遊びのセンスが問われるおもちゃかもしれません。

◇ 少し前に林明子さんの絵本を整理してみましたが、まだ買わずにいた作品がありましたので、ファンとしてはそろえざるを得ず、さっそく注文しました。それは赤ちゃん絵本で4冊セットの
『くつくつあるけのほんムくつくつあるけ、おててがでたよ、きゅっきゅっきゅっ、おつきさまこんばんはー
つい、毎晩絵本を読んであげていた時代を思い出して、古いアルバムをひっぱりだしてきてしまいました。
今年もこんな調子で毎月綴っていきますので、よろしくおつきあい下さい。

◆ イベント紹介
  小黒三郎 《組み木のお雛さま展》
  2/5〜14 11時〜7時
   鶴舞 工芸ギャラリー 手児奈
        052-332-0393

     §2月の予定§

ひろば 15日(日) 工房 28日(土)