ひろば通信 04-09   
 ひろば 19日 工房 11日
    
 ・ 発行 おもちゃのひろば
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     2004年9月2日(木)
◇長いお休みでした。ほぼ三ヶ月、休養だけが目的の日々を過ごしてきました。こんな時間はたぶん物心ついてからはじめての経験。これまで大きな病気とは無縁でしたが、いったん立ち止まりなさいと言う天からの指令だったかもしれません。
◇さて、学校もひろばも工房もいったんお休みにして、何をして過ごすのがいちばん休養になるか医者に相談すると、できるだけ何もしないことがいちばんという答え。これには応えました。しかたなく、少しだけ工房で作業の許可をもらい、いつもどおり糸のこに向かいましたが、ショックだったのはある程度自信があった糸のこ操作がうまくいかず、線からずれてくるのです。寝不足やらまだ気分が不安定なこともあったでしょうが、改めて病気を自覚してしまいました。逆にこの操作が復活したら、治りかけてくるのかもしれないと自分のリハビリに使うことにしました。ひと月後、知人の結婚祝いを切ったときにようやくうまく切れたので、それから一ヶ月かかったことになります。体調もそれにつれ回復してきましたが、残念だったのはこんなに時間があるのに、ほとんど創作できなかったこと。神様はよくしたもので、普段のリズムがもどってからこそ、そうした作品が生まれると決めてくれていたようです。
◇しかたなく、といってはおもちゃに失礼ですが、時間を費やしたのは、おもちゃのひろばの大整理。外には新しく物置を購入し、床もすみずみまでみがきあげ、気持ちのいい板の間にしました。しばらくは板の感触を味わって下さい。作品については、ミニハウスのセットを三つ、プラ容器に入れて貸出用にしました。その他、お城積み木や中井さんの板積み木も容器を探して運びやすくしました。
◇創作ではありませんが、地下のひろばへ降りる階段ではジャンボゴリラが迎えてくれます。握手もできますよ。もうひとつ玄関でもゴリラ君があいさつしてくれます。これが唯一休養中の新作になります。これは加藤裕三氏に捧げた作品。銀座のグループ展の折、横浜で彼のメモリアル展示会がありました。加藤さんは長くグリコのおまけをデザインしていたことでも有名ですが、惜しくも50歳のときに他界。私がまだ日本おもちゃ会議に入りたての頃、よくアドバイスしてくれたことが、その展示会で鮮明に思い出され、その後彼のイメージをもとにデザインしてみました。自分の回復もだいぶ自覚できてきた頃でした。
◇天井には巨大なシロナガスクジラが泳いでいます。以前史上最大の生物を他のクジラと同じ比率40分の1で作った作品です。もうひとつ工房に眠っていた「フラワースロープ」もリニューアルしました。上から下までうまく降りれば成功です。
 今月の新着おもちゃは、このスロープと似ていますが、透明のアクリル板の中をビー玉がきれいに動くおもちゃ「VIA」ネフ社の作品で、相沢康夫さんのデザインですが、残念ながら廃盤になるそうであわてて遊ぼさんから購入しました。
 そんなわけで、今月のひろばでは購入したものは少ないのですが、ミニハウスなど貸し出し用に手直ししたり、リニューアルしたものがたくさんありますので、すみずみまでよくご覧ください。
◇今年の夏休みは自分にとっては、体調の回復のテスト期間でした。治ってくるにつけ、それまであまり感じなかった暑さが応え、皮膚感覚も変わってくるのかとついクーラーに手が出てしまいました。それがいちばん応えたのが8月初めに出かけた北海道の6日間。クーラーのあまりない場所で、ほとんど名古屋と変わらぬ気候だったのですから、何をしに行ったか分かりません。その北海道に出かける前、東京で集合だったので、あるデパートで開催していた秋公開の宮崎アニメの新作『ハウルの動く城』の展示会を見てきました。城の現物は期待はずれで、その後読んだ原作もどこかたるい展開だったので、果たしてどのようにアレンジしてあるか逆に期待してしまいます。
◇北海道では丸二日間、恐竜づくりのワークショップを指導。お客さんもそこそこでのんびりできました。今回はあまり足をのばす気もせず、旭川周辺のみ見物しました。いちばんの目的は「旭山動物園」。シロクマやあざらしの生態を目の前で見られると言う最近評判の動物園です。確かに大きな体がゆったり泳ぐ姿はダイナミックそのもの。地上最大の肉食獣であることをしばし忘れてしまいます。   
 他にも巨大なオランウータン用のタワーが印象的でした。こんな高さの木が茂る熱帯雨林にいつか行ってみたいと思いました。
◇この三ヶ月新しい作品はほとんどできませんでしたが、読書はたっぷり出来ました。映画も見に行きましたが、これは残念なことにほとんど記憶に残っていないのです。「トロイ」「ハリーポッター」ビデオで「ボーンアイデンティティー」「ペーパームーン」など、少し時期が早すぎたかもしれません。その後見た「スパイダーマン2」「シュレック2」は面白かったです。特にシュレックは身につまされるところがあり、笑いながら考え込んでしまいました。
 もうひとつ「誰も知らない」は何とも言いがたい、でも名画のひとつになると思う映画でした。四人の子どもたちが隠れて過ごす日々を淡々と、しかしものすごく余韻を残しながら描き出します。善悪とか正邪を超えた「生きる姿」を見せてくれます。子どもって強いですね。十五年間もこの作品の構想を温めていた監督と柳楽くんの演技に脱帽。
◇先日南図書館と東図書館のワークショップを終え、体調がすっかりもどったことを自覚しました。やはり、糸のこに向かい、夢中で作ることに取り組んでいる姿を見ていると大きな力をくれる気がします。子どもから受ける力と言えば、東京に出ている下の子もダンスに賭けているようです。なるべくその舞台を見るようにしていますが、体の動きで表現する世界に自分の創作をダブらせ、その成長振りを糧にしています。
◇さて、工房の方も今月より再開します。6月7月と予約までいただきながら、中止にしてしまいましたので、改めて予約を受け付けます。
とりあえず先着順で受け付けますので、ひろばあてに参加者名、希望時間(10:00より3:00まで1時間刻み)をメールかFAXで至急お知らせ下さい。常連の方も念のため連絡下さい。

   
    ◆◆10月の予定◆◆

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