ひろば通信 04-10   
 ひろば 17日 工房 9日
    
 ・ 発行 おもちゃのひろば
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     2004年10月15日(金)

◇夕方職場から自転車で戻るととても美しい夕焼けを見ることがあります。石庭を掃き清めたような雲の中にオレンジの光が照らしだされてしばし見とれてしまいます。確かに季節は秋になったのですね。
それにしても、今年は台風の多いこと。先日は工房の日とぶつかり、開店休業になってしまいました。(それでも7名ほどの方が参加されましたが)その台風、史上最大との情報でしたが、伊勢湾台風を知っている身としては肩すかしの感じでした。あの当時まだ小学生でしたが、外から板を打ちつけた雨戸がガタガタなり、雨漏りのする部屋で寝た記憶があります。朝起きたら、何と隣の子が横で寝ていてびっくり。夜中に隣の二階の屋根が飛んでいってしまったのです。自然の力ってすごいですね。今の人間たちは自然への畏れを忘れかけていると台風や地震が知らせているのかもしれません。
◇そんな地球の危機、人間たちのおごりへの警告を静かに描き続けている映画「地球交響曲(ガイヤシンフォニー)」の最新作第五番を鑑賞しました。一番から数えて足掛け14年と言いますから、このひろばの足跡ともダブります。毎回著名な科学者や実践家のインタビューを中心に人類へのメッセージという形で構成されています。今回は9.11のテロ以後、さらに見失いかけている地球の平和をすべての存在は必ずどこかにつながりを持つこと、地球もひとつの生命体であることをある命の誕生を背景に語られます。
この映画、残念ながら自主上映でしか見られませんが、機会がありましたらぜひお子さんと一緒にご覧下さい。内容は難しくても何か残るものがあるはずです。
この日監督の龍村仁さんの講演もあり、その話の中で動物写真家星野道夫との出会い、亡くなってもなおかつその意志を残された子に語るためにあえて第三番を撮り続けた事実を知り胸を打つものがありました。
◇先月は三ヶ月ぶりのひろばでしたが、前と変わらぬ盛況でホッとしました。しばらく見ないうちにしっかり歩き始めた子もいて、何か親戚のおじさんになった気分。あまり老けた感傷はいけませんが、この月一回のイベントは自分の生活リズム、創作リズムを整える意味でも貴重な気がしました。やはりそばに子どもたちがいないと新しい作品も浮かんできませんから。 
◇職場の「くすのき学園」の子どもたちもどんな顔で迎えてくれるか、はらはらしましたが、そんな心配はまったく無用。そんなことに神経を使う子はいませんでした。すぐいつもの調子でしっかり子どもに使われています。今回の病気はくすのきの子どもたちへの仕事の重さを自分一人で受けとめようとあがいてしまったことが原因のひとつでしたが、二ヶ月頭と体を休めているうち、その無謀さに気づき、まず自分にできることをすればいいと、気楽に考えることにしました。教師としての立場もありますが、この学園の場合、そばにいる大人のひとりとして子どもに寄り添うことが責務です。それはほとんど素のままの自分になりますから、気楽と言えば気楽そのもの。でもたまには「先生」と呼んでほしい欲もあります。
◇さて、そんなふうに気持ちが整理できたせいでしようか、6年目にして初めて学園の子どもたちをモデルに制作を始めています。何とテーマは「海賊キッド」一応普段の様子からぴったりのテーマだと思いますが、今のところ子どもにはないしょでデザインを進めています。簡単なからくりおもちゃにする予定ですが、最後は大きな海賊船で船旅をさせるつもりです。行き先はやっぱり「ネバーランド」かな。

◇この季節は初夏に匹敵するくらい花たちが元気になるようです。夏の間暑さに耐えていた花芽がいっせいに吹き出したように咲き誇っています。中でもおもしろいのは堆肥用に干しておいた土袋の中から、勝手に芽を出した朝顔です。栄養たっぷりのせいか、毎朝みずみずしい色の花が目を楽しませてくれます。

◇今月の新着おもちゃは遊ぼさんからいただいた簡単なゲーム「スパリト」です。16の動物の中から、三つの隠れたカードを当てるちょっとした記憶力ゲーム。ボケ防止にもいいかな。

 

以前ちょっとだけ展示した「ちいさいおうち」のセットを今月からひろばに飾る予定です。しばらくねずみくんのおうちと交代してもらいます。
このねずみくんのおうちをはじめ、いくつかの作品はひろば専用になっており、貸し出ししていません。ちなみに現在は虫が磁石でひっついてくる「ひっつきむし」透明ボードの中をビー玉がおちてくる「ビア」クラーセンの積み木「ダイヤモンド」ネフ社の「手回しオルゴール」などです。いろいろな理由からご了承ください。
◇新作がなかなか思い浮かばないときは、生き物シリーズの仲間を増やすことにしています。先月玄関に展示していたのは「ウミウシ」と「カブトガニ」両方とも動かすと気持ちがいい感じがするところがミソ。
そのあと、NHKで放映中の「地球の進化」を見ていて知った、肉食の大きな鳥を作りました。恐竜絶滅の後、残った哺乳類がまだ小さく駆け出しだった頃に出現していたという「恐鳥」の仲間です。この時代の後、ようやく哺乳類がはばをきかすようになり人類へとつながります。人間って相当新米なのですね。

 ◆ 11月の予定 ◆◆

 ひろば 21日(日) 
      
      工房  27日(土)

☆来月1日よりまた、「一日おもしろ学校ごっこ」の受付をします。チラシができ次第お知らせしますので、ご参加ください。