ひろば通信 04-11   
 ひろば 21日 工房 27日
    
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     2004年11月18日(木)
◇少しずつ寒さが厳しくなりますが、この寒さを待っている植物も多く、結構庭はにぎやかです。ただ、そろそろ部屋に取り込みたい花も今年は都合で外しかなく、ひさしぶりに簡単な温室を設置しました。春まで耐えてくれるのを願うばかりです。それにしても、毎年この時期に播いた種がなかなか成長せず、素朴に悩んでいます。球根類は順調なのですが。
◇今月は東京方面に出かけるチャンスが二回もあり、新幹線の旅を楽しみました。一度は連れと出かけたのですが、ふと気づくと、二人だけで乗るのはほとんど二十数年振り。この間は子どもが一緒か、ひとりだけの出張もどきで過ごしてきたわけですが、それにしても、この夫婦いかに別行動が多いか、改めて痛感しました。
◇二度目は横浜の障害者施設「ラポール」でのおもちゃの展示会にやはりひとりで出かけました。これは今年の日本おもちゃ会議の企画イベントで、昨年電気文化会館で開いた「おもちゃフェスティバル」のミニ版です。すでに事務局をバトンタッチした関係もあり、気楽に参加できましたが、久しぶりに会の仲間と出会ったり、他の人たちの作品を目の当たりにすると、むくむくと創作意欲がわいてきます。そんな刺激を求めてこの会を続けていますが、十年以上も経ち、当時の若い面々もベテランの域に入り、作品も充実してきた印象を受け、これまでとちがうおもちゃ評論家のような心境で眺めている自分がおかしくなりました。
私はまだ試作中の「海賊キッド」をどうしても見てもらいたく、ミニハウスの隣に並べてみました。評判はいまいちでしたが、早く海賊船といっしょに仕上げたい気持ちが高まりました。ただ、困るのはこの時期、もうそろそろサンタモードに入りますので、身近にいる子どもたちに渡すプレゼントづくりがあり、しばらく新作はお預け。これは年越しの課題になりそうです。
◇サンタクロースについての絵本『サンタクロースってほんとにいるの』(福音館書店)で有名なてるおかいつこさんのエッセイ『サンタクロースを探し求めて』(岩波書店)はとても読みごたえがありました。密かにサンタクロースの存在をいつまでも信じていたいおじさんとしてはとても気になる内容でしたが、今に生きるサンタの思想を戦争で追われた難民たちの希望である「国境なき医師団」らの活動に照らし合わせ、自らの私利私欲を捨て、求める人のいるところで無償の奉仕を続ける人々こそ現代のサンタと言えるのではないかと著者は言います。少し耳が痛くなりながら読み終えました。今同じ著者の『豊かさとは何か』『豊かさの条件』(岩波新書)をやはり痛いところを突かれながら読んでいます。
◇横浜ではイベントのショップで遠藤裕さんのかまぼこおもちゃのキットを見つけ、思わず買ってしまいました。おもちゃ会議の仲間の作品はひろばにもたくさんありますが、このキットものが難癖で、そのときは作ろうと思ってもいざ工房で取りかかろうとすると自分の作品を作る方が優先してつい後回しになってしまいます。これはたぶん創作を目指すものとしてはしかたのないことかも。代わりに作ってくれる人を募集します。
◇遠藤さんといえば、今月の新着おもちゃはまた相沢さんデザインの「ボーン」。骨をイメージした楽しい積み木です。そしてそれを作っているのが遠藤さん。つまりネフ社にも匹敵する技術の持ち主である証拠です。
◇先日職場の「くすのき学園」のクラスで手づくりソーセージに挑戦しました。羊の腸を手に入れ、ハーブと一緒に練りこんだ豚肉を絞り器から押し出してつめていきます。何度か腸が破れてしまいましたが、何とか形になり、熱湯でゆでた後、ちょっぴり炒めてできあがり。それはそれはおいしく出来上がりました。この学園ではよく調理実習をしますが、あまり手の込んだものは子どもも乗ってこずつい、伊東家の裏技風の簡単メニューに走ってしまいます。それでも今回はどの子も興味津々。代わる代わる絞るのにも挑戦。普段とはちがう顔が見られました。とにかくこの学園では何が当たるか分かりませんので、先入観なくいろいろチャレンジしてみるにかぎります。そんなネタはこれまで出会ったたくさんの子どもたちの笑顔がヒントになっています。
◇このクラスで、最近じっくり見ていたビデオは「たったひとつのたからもの」というドラマの特別編。あまりそろって見ていることは少ないのですが、ダウン症の秋雪くんの成長振りや奇跡的に六年も生きた生命力が子どもたちの目を離さなかったようです。「かわいいね、ダウン症って何、どうして死んだの」と素朴な感想をもらしていました。自分たちの境遇とダブらせ、本当の親子の絆の姿をそこに見たのでしょう。こんなドラマからやさしさの一端が育つことを願います。
◇おもしろ学校ごっこの募集をしていますが、少し集まりが芳しくありません。今回も虫歯の授業に歴史の新しい見方、組み木人形づくりとふだんの学校ではありえない授業が盛りだくさん。ぜひご参加下さい。

   12月11日(土)女性会館

詳しい内容についてはおもしろ学校のホームページをご覧下さい。

◇ その他の本の紹介
1 東京の帰りの本屋で見つけたのが星野道夫を特集した旅の雑誌「コヨーテ」2号
(スイッチ・パブリッシング発行)
彼のアラスカの書庫にある本のリストや料理のレシピなどファンにはたまらない特集です。

2 クレヨンハウスからすてきなおもちゃのカタログが発売されました。月刊クーヨン11月号増刊号「おもちゃタウン」
巻頭で私の言葉を使ってくれると言う光栄な連絡を受けましたが、想像以上にそろっている内容で、またひろばコレクションに役立ちそうです。

◆◆12月のひろば◆◆

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