ひろば通信 05-01
 ひろば 16日 工房 22日
 ・ 発行 おもちゃのひろば
 ・ TEL&FAX 052-834-1986
  Email tetsu-yo@sa2.so-net.ne.jp
     2005年1月13日(木)   

◇さて、この休みに何日工房に通ったことでしょう。暮れの大掃除もつかの間、2日には工房に出かけ、糸のこを動かしていたのですから今年は尋常でない始まりでした。そして年末もギリギリまで作業。例えば先月のひろばが終わるとくすのきの子どもたちに約束したクリスマスプレゼントの仕上げ。注文は例の海賊キッドシリーズ。一応モデルたちですから丁重にプレゼントしました。
 それが終わると上京して佐々木さんらとの座談会に出かけ、戻ってからは長女の注文のベビーベッドづくり。赤ちゃんは何と元旦に無事に誕生したのですが、そのベッドが難問。大きなマットに合わせたものがほしいということで、工房で大奮闘。助手にはムコ殿に協力してもらい、何とか3日がかりで仕上げました。ムコ殿がていねいに植物染料のワックスで磨き上げると我ながらりっぱな出来上がり。若夫婦の子育て援助にいい協力ができました。
 そのお祝いには、今デザインがはまっているスライドシリーズで作品を作りました。それが今年の糸のこ始め。続いて教え子にも赤ちゃんが誕生したので、小さな積み木セットが入る引き車を考えました。元気そうな男の子だったので今頃投げ回っているかもしれません。
 そんなこんなで今年は赤ちゃんの話題に集中しそうな気配です。
◇実は先月のクレヨンハウスでの座談会でもその話題が中心になるはずでした。若いおかあさんたちが早期教育に走る傾向をどう考えどんなアドバイスをしたらいいか、三人それぞれの立場で伝え合う主旨だったはずでした。
 あらかじめ、レジメを渡されていたので、私もそれなりに話題の準備をしていましたが、話が脳科学の現状や心理学の専門的な分野での論争に終始し始め、おもちゃの話に触れるどころではありませんでした。佐々木正美さんの論はこれまで聞いてきたように、子どもにはまず人を信頼し人を信じる力をつけることこそ、その後のベースになるという納得する主張でしたが、もうひとりの小西さんはそういう児童精神科医のあいまいな言い方が逆に親を混乱させるという論争になってしまい、私はついに傍観者になってしまいました。その後編集者から何の連絡もないので、主催者も相当悩んでいるかもしれません。
 ただ佐々木さんは今の仕事に区切りがついたら、このひろばのようなたまり場を作ってみたいそうで、またひとつ共通するものができうれしい出会いでした。
◇ それにしても育児はたいへんそうです。今里帰りしている長女は産院からもどり、母親業のスタート。授乳のタイミングやら自分の体調管理やらと、赤ちゃんと交信しながら懸命にリズムづくりをしています。泣き声ひとつにオロオロしていた遠い記憶をたどりながら、何とかなるでしょうと気楽なメッセージをおくるしか、今はありません。

◇早いもので来月にはこのひろばも16年目に入ります。3,4才で来ていた子がそろそろ成人になるのですから本当に光陰矢のごとしです。
 今年招待を受けた成人式には出られませんでしたが、前の職場の「いずみ学級」の卒業生、チーくんとリエさんも二十歳を迎えました。この二人、小学校の6年間を担任した数少ない教え子ですが、私自身がこの二人にとても支えられていた思い出があります。ダウン症の障害は持ちながらも、遠くから元気に学校に通い、彼らを取り囲む子どもたちにもすてきなパワーを与えていました。彼らのしぐさを見ていると思わずなごんでしまう不思議なオーラでみんなを包んでくれていました。今はきっと自分らの働く場やこれからの道探しでたいへんでしょうが、やっぱり取り囲む人たちをオーラに包み込んでいることと思っています。そんな彼らをモデルにまた作品を考えています。
 こんなふうに教え子たちが次々と成人していく中で、五十をとおに過ぎた自分が未だ大人の自覚を持てず、しまいにはよく子どもたちから「大人げない」とまで言われてしまうのですから情けない限りです。
● CM
 以前出版した『ほのぼの先生とちいさななかまたち』という本はそんなチーくんたちとの出会いやおもちゃのひろばのそれまでを綴った内容。実は先日出版してくれた方からそろそろ引き取りの話が出ました。つまり在庫処分という悲しい結論で、覚悟はしていましたが、しかたありません。その方も独立して新しい摸索を考えているそうなので、協力したいと思います。そこで50冊購入しましたので、ひろばへのカンパのつもりで買っていただけると幸いです。(値段は1000円にします。)ついでにひろばでは『おもしろ学校ごっこ』のテキスト、NHKの趣味悠々のテキスト『大人が作って遊ぶ木のおもちゃ』も扱っていますのでどうぞ。
◇今月の新着おもちゃは迷った末、今まいごになっているおもちゃを注文しました。注文先も老舗の東京のニキティキです。作品は「はしご消防車」と「はしご人形」。両方ともひろば開設当初から人気のあったおもちゃなので、ダブってもいいかなと思ったのです。
 去年、休んでいた折、新作がまったく思いつかず、工房で古い作品を手直ししたりしていましたが、手を入れるとけっこうこれから生かせるものがあることも発見しました。前より少し目が肥えてきた今の自分の目で判断しながら、「古きよきもの」もときどき復活させますのでよろしくおつきあい下さい。
 これまで復活したのは「ごちゃまぜカメレオン」のお話セット、どうぶつ列車、フラワースロープなどです。
今月の工房は22日開催。申し訳ありませんが暖房は入っていませんので、風邪気味の方ご注意下さい。
 そんなこんなで今年もぼちぼちスタートしました。大災害、大事件のくり返しでのほほんとはいかないこのご時世ですが、急いでも世の中そんなに急に変わるはずないと、過去を振り返りながら新しい出会いも楽しみにゆっくりと過ごしたいと思っています。

 
  ◆◆2月の予定◆◆

 ひろば 20日  工房 12日