ひろば通信 05-02
ひろば 20日 工房 12日

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     2005年2月17日(木)
◇一応毎月玄関飾りを、その月らしい雰囲気にアレンジしているつもりですが、今月の展示はなかなか難しく、あまり早くおひな様を飾っても落ち着かないし、正月のままでは拍子抜けだし、節分をアレンジした作品はないし、というところで、タイミングよく出来上がったのが、久しぶりの組み木作品「きつねのおきゃくさま」
 これは12月号の通信に書いたように、子どもたちと約束した作品。二年生の国語の教科書に載っていて、ひろばに来ている子もしっかりセリフまで覚えているというお話。くすのきでは教科書をあまりていねいに使っていませんが、少し見直す機会になりました。
◇組み木は一枚の板に形を構成してそれぞれの形が互いに共通の線でつながり、なおかつ取り出して遊ぶこともできるというもの。この組み木との出会いが私のおもちゃ人生を作ってしまったので、思い入れはすごいものがありますが、その手本は「小黒三郎」さんのデザイン。そのコピーを5年間作り続け、やがて自分でもデザインし始めましたが、まるで孫悟空がお釈迦様の手の中から飛び出せなかったように手本を超える作品はなかなかできませんでした。たぶん同じ組み木の発想では無理かもという直感で、いったん組み木から離れ、合板の板を組み合わせるという手法で、自分の作品世界を広げてきました。この路線はまだまだ続けて行くつもりです。ただ、一度はハマった組み木の発想も捨てがたく、今回本当に久しぶりに書いてみました。案の定、小黒さんのようにぴたりとすき間のないデザインにはならず、すき間だらけの苦肉の作品になってしまいました。
◇このお話はやさしいきつねが、一度は食べようとしていたひよこやあひる、うさぎを守っておおかみとたたかい、傷ついて死んでしまうと言う悲しいストーリー。最後のお墓でのおまいりが印象的。妙に余韻が残るところが子どもに受けるのかも。さて、この作品で何人が遊んでくれますか。ひろばでも貸し出しますのでどうぞ試して下さい。
◇その小黒先生、大怪我をされたというショッキングなニュースが飛び込んできましたが、順調に回復に向かっているとのこと。夏のイベントでは元気なお姿でお会いできると願っています。そんなことを知っていたわけではないのですが、元旦に生まれた孫の初節句には小黒さんの作品を遊プランから贈ってもらいました。私もいつかおひな様をアレンジした作品を作りたいのですが、もう少し温めておきます。そして、玄関には小黒さん自身の貴重な手作りひなたちも並んでいますので、じっくりご覧下さい。
◇クレヨンハウスの「子ども論」の編集部から座談会の原稿が届きました。さて、佐々木正美さんと小児科医の小西さんのおもしろいバトルがどんなふうにまとめてあるか、興味津々でしたが、さすが編集部。読者にも分かりやすいように、なおかつ対立点は隠さず上手にまとめてありました。ほとんど口をはさめなかった私の発言は原稿上ではけっこう言ったことにしてあり、知育玩具の話題も改めて仮装座談会として原稿を送りました。来月の発行をお楽しみに。ただし、このことはひろば会員だけの極秘情報ですから・・残念!?
◇新しい作品がなかなか出てこないときは、生き物シリーズに取り組むことにしています。すでに恐竜を作りまくり、その前後の生き物たちに領域は拡大していますが、さて、どこにしぼるかはホントにそのときの思いつき。今に生きる生き物たちもまだまだたくさんおり、よりどりみどりですが、例の合板でアレンジするとなると、限られてきます。でも、一応すべての生き物を形にしてしまおうという壮大な思いだけは持っていますので、少しずつですが、レパートリーは確実に広がっています。それに、こうして試みに作っている作品をいち早く目にする工房の常連の子どもたちがすぐ飛びついてくれ、ちょっと浮き浮きしつつ解説しています。ただ、うっかりすると子どもの方が詳しいことがあり、へたな解説がやぶ蛇になることがあります。この写真にいるイクチオサウルスもそのひとつ。恐竜時代、海の中に生息していた魚竜の仲間ですが、ある子からシッポの向きがちがうとの指摘。こちらもいくつかの児童向けの図鑑で見た程度でむきになって言い争う自分がちょっと恥ずかしくなりました。一応作るときに はその生き物の生態やら、骨格標本などを参考に図面を起こしますが、ちょっと手抜きをするとやはり絵もいい加減になってしまいます。これらの作品、たとえ、数人でも作品を作りたい子どもたちのモデルになっていることを自覚しなければと思いました。
◇今月の新着おもちゃは新しくホームページを開設した日本おもちゃ会議の仲間「松島洋一さん」のおもちゃを購入しました。彼のおもちゃはひろばで何回か紹介していますが、とにかくがんがんたたいたり、技を競ったりいわゆる子どもの遊び心をうまく挑発する作品に満ちあふれています。さぞ元気な子ども時代を送ったのではと推測しますが、いかがでしょう。来月遊ぼさんのイベントで京都から駆けつけるそうですので、ぜひ参加されてはいかがでしょう。

◇今年は正月早々からひと月あまり赤ちゃんと同居。夜中の泣き声もなつかしく、抱っこするたびに娘たちの子育て時代を思い出し、過去と現在を行ったり来たりの日々。そしてすべてを大人にゆだねている赤子の無垢な姿にこちらの心が洗われるようで、いい時間を過ごせました。この感触をいつまでも覚えていたいものです。
◇この時期の花の手入れはどうされていますか。園芸店に行けば、プリムラやパンジーなど春咲きの花たちがもうすっかり並んでいますので、華やかなムードにできなくもないのですが、今はじっくりと球根たちが伸びてくるのを待っています。後は冬越ししそうな花たちをさっぱりとショートカットして春を待つことにしています。命あるものは急がなくても少しずつ成長するものと、それも赤子の温もりが教えてくれました。

◆3月の予定◆◆

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