ひろば通信  05-09        

  ひろば 18日 工房 10日

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    2005年9月15日(木)
◇少しご無沙汰しました。まだまだ残暑見舞の陽気ですね。朝顔も今頃元気いっぱいに咲いています。ただ台風一過では植木が倒れて、狭いところにつめ過ぎを実感しました。
 先月末に九州に旅行に出かけたら、その間にすっかり枯れたものもあり、台風と日差しによる乱暴な植え替えで、この秋が始まりました。
◇九州旅行は何と長女の結婚式に出席するため。はじめは式もあげずに気軽な新婚生活を応援するはずでしたが、形式を重んじる家柄らしく挙式をすることに。すてきなドレスに身をつつんだ娘は美しかったのですが、心境は複雑であまり感動はありませんでした。それより、老いた両親を伴っての飛行機旅行の方が気がかりで、名古屋にたどり着くまでの長かったこと。それでも桜島の雄大な景色や霧島温泉の湯けむりはいい思い出。年寄りにもいい刺激になったようです。ただ、こちらの心配をよそに今月また旅行を計画しているらしく、勘弁してほしいものです。
◇若い夫婦の門出にとすでに8ヶ月になった孫のおもちゃを考えました。試作したおもちゃを式場のホテルに持ち込むと言う私ならではのやり方でお祝いをしました。
 作品は以前作った「おむすびころりん」の応用で「『おだんごパン』ころころ」。このお話も有名な絵本になっています。最後はきつねの上手なことばにハマって食べられてしまいますが、どんどんころがってにげるところがゆかい。そのイメージで作りました。
 おむすびと同じく、パンの中にビー玉を入れましたが、複数入れたので、どんどん転がって行くはずが、すぐぴたりと止まってしまうところがみそ。ハイハイしはじめた赤ちゃんにちょうどいいかなという直感ですが、どうでしょう。
◇夏休みの手始めは岡山の現代玩具博物館での組み木教室。ここは数年前名古屋の仲間で展示会をしたこともあり、遠いですがなじみの場所。古今のおもちゃもよく整理されており、一見の価値あるところです。
 仕事の合間にはここの若いスタッフからお勧めのボードゲームを紹介してもらいました。いつもはカタログで判断していますが、実際に遊んで確かめてきましたので、自信があります。購入したゲームは三種。「ねずみの競争」「ドラゴンのたからもの」「虹色のへび」カードゲームやボードゲームの典型的な作品でつい時間を忘れてしまいます。家族でこんな時間を過ごせたらいいなと、ついうらやましくなります。

◇この夏は読書もよくしました。というのも、8月初めに全国の情短施設の交流会が名古屋であり、職場の「くすのき学園」が今年の当番校。その協力にと会場におもちゃ作品を持ち込みました。特に宣伝するつもりはありませんでしたが、くすのきの子どもたちに誕生日プレゼントとして渡していること、その子たちをモデルに海賊キッドの作品が完成したところをぜひ見てほしいという思いで展示しました。かなり自己満足な展示でしたが、それでも講師の方などが気に入ってくれました。
  その講師のひとりは『ゲド戦記』の翻訳者清水真砂子さん。ほめられたのがうれしく、早速もうひとりの講師村瀬嘉代子さんと合わせて、スライドシリーズ「魔女」の新作を送りました。(HP表紙写真)
 そしてその御縁から『ゲド戦記』を六巻まで読破することになります。かなりの長編でしたが、それまでの読みかけ本をすべて棚上げにして一気に読み切りました。そのくらいおもしろく、ドラマチックでしかも登場人物の心理描写が単なるファンタジーを越えて内面にぐんぐん迫ってきます。最終巻では虐待体験の少女がこの世を救うすごい働きをします。この夏のさわやかな時間をこの本からもらいました。立ち話の中で清水さんから宮崎アニメの題材になるかもしれないという極秘情報も聞いてしまいました。
◇少しがっかりしたのは映画の方。この夏にのべ10本近く見たのに、感動したのは最初に見た「スターウォーズ」の最終編くらい。期待した「星になった少年」も「皇帝ペンギン」も今ひとつ物足りない印象でした。「ロボッツ」もほとんど子どもだまし、「奥様は魔女」や「容疑者室井真治」は評価するのも願い下げ。このままで終わるのは悔しいので、夏の最後に「ヒトラー最後の12日間」を見ました。演じるのもつらいという主人公の役者のコメントのとおり、ドイツ人にとって恥ずべき時代をヒトラーとその取り巻きの赤裸々な人間性をしっかり描くことで過去をきちんと清算しているように感じました。同じつらい過去を持つこの国ははたして何を清算しようとしているのか、憲法が泣いているように思えてなりません。
◇夏のイベントはその後恒例の南図書館の展示と組み木教室。そして、鹿児島旅行で締めくくり。秋になるとこんどは開催が危ぶまれた「第9回創作おもちゃフェスティバル」が開かれます。
 2年前の夏名古屋のでんきの科学館で行いましたが、こんどは山梨県の清里です。9/22~26という連休をはさんでのイベント。今回の売りはワークショップの講座が100もあること。私も連休中はフル回転で参加しているはず。ぜひ名古屋からもどうぞ。詳しい内容は「日本おもちゃ会議」のホームページからお入り下さい。 http://www.toybo.com/
◇この時期名古屋では万博の最終章で一か所に集中していることでしょう。もともと群れることのきらいな性格上、足を向けたくはなかったのですが、子どもの引率ではしかたなく下見にも出かけてしまいました。デザイン博のときもそうでしたが、わざわざ学校から引率していく意味がどのくらいあるのか、未だに疑問です。大きなイベントであることを誇るなら、団体客に頼らずもっと個人の興味に任せる勇気はないものでしょうか。数合わせに使われた子どもたちこそいい迷惑です。
◇8ヶ月を過ぎたわが家の孫が一週間ほど滞在して行きました。ハイハイからつかまり立ち、笑顔からしかめ面と動作も表情も豊かになり、日々の成長をまぶしく感じます。二十数年ぶりに赤ちゃんのお風呂も体験。ひざや胸にどっかりと寄りかかる小さな身体に、人のぬくもりがその成長を支えているのだなと実感。ひろばから赤ちゃん用の絵本やおもちゃをかき集めているこの頃です。
◇ひろばコレクションにまた新しい漫画が加わりました。今回は「ヘルプマン」四巻。これは老人介護が主題。壮絶な家庭内のやりとりや施設での対応を一歩ひいて本人の立場から問い直してみようという作者の心意気に元気が湧いてきます。
◇ほんの思いつきでこの頃「落語」のCDを聞いています。話べたな自分としては軽妙な言葉まわしのリズムはとても心地よく感じます。受けだけ狙った若手芸人にはない噺家の味もいいもんですよ。


   ◆◆来月の予定◆◆  ひろば10/16 日・工房 10/8 土