ひろば通信  07-01

 ひろば 21日 工房 27日                

 
 ・発行 おもちゃのひろば                

 ・TEL&FAX 052-834-1986            

 ・Email  toyhiroba@sa2.so-net.ne.jp

  ・HP    http://toyhiroba.raindrop.jp/

     2007年1月18日(木)


 あけまして おめでとうございます。

 ことしも たくさんのおもちゃたちと

  いっしょに おまちしています。

◇年女である母親を記念してイノシシ一家を作り直してみました。自分の兄弟三人もウリンコに想定しました。ただ実際には雄がいっしょにいることはないそうです。そういえば父親は長く転勤族で、いっしょに生活した時間はかなり少なかったと記憶しています。その父親が東京に出張する度に「折り紙」をお土産に頼んでいました。そこからものづくりの好きな人生が始まったようです。

◇いつもより冬休みが長かったのにとても忙しいスタートになっています。ひとつはくすのき学園の子どもたちが何人か本校である滝川小学校に通い始めたこと。これまでいくつかの学校行事ではいっしょに参加することがありましたが、普段から出かけることはありませんでした。子どもたちもどちらかというと普通の授業が苦手な子が多く、すわってられない子もいます。そんな子たちもいつかは地元に帰って他の子たちとつきあっていけるのが目標にはなるのですが、実際はなかなか難しいところで留まっています。
 でもたまたま本校で勉強したいという子が毎日楽しそうに通っているのを見て、今学期から何人かの登校が始まりました。いつもより早く起きるのも何のその。前はランドセルさえ持ってこない子が張り切って通っているのですから、応援せざるを得ません。こちらも毎日楽しそうなメニューを用意はしているのですが、友だちの中での居心地よさにはかなわないようです。
◇冬休みの半分は孫のあーちゃんとの半年ぶりの再会に費やしました。二歳になったばかりで、娘の記録もこの頃からメモしていたので、ちょうどいい比べっこができました。前ならすぐ飛びついてきたのに、慣れるまで数十分かかるのも周囲への認識が高まった証拠。意思表示、二語文、三語文でのやりとりなど半年の成長には驚かされます。
 今回も地下にあるおもちゃの中から、えりすぐって目の前に用意しましたが、何のことはない、いっしょに地下のひろばまで降りていって遊ぶパターンが大好き。正月の一週間何度階段を往復したことか。確かにひろばにはどの子も引きつける、いいおもちゃがあることはとても確信できましたが、気に入ったおもちゃと遊んでいるときも、地下から自分で選んだおもちゃを運んでくるときも同じようにとてもうれしそうでした。つまり、おもちゃ自体の魅力にも当然左右されますが、それ以上にそばでかかわってくれる他者の存在がとても大きいと思いました。
 大人の側としては、ひとりで静かに遊んでいてくれると大助かりですが、もの自体は何も語ってくれません。子どもが自分の頭の中で想像力を巡らせ、自分の世界を作り出すにはたくさんの言葉がけや働きかけが必要。いちばん手っ取り早いのは体の触れ合いでしょう。高いおもちゃなどなくても、タカイタカイやおウマさん、ユラユラ、ゴロゴロと体でいくらでも遊べます。からだやことばこそいちばん大切なおもちゃとは、この仕事を始めた頃から確信を持っていることの一つです。 

◇機織り講座の試みが続いています。先月のひろばで何人かに改良した織り機に挑戦してもらいましたが、もっと手軽な段ボール一枚で織り機になるものを考案しました。縦糸がちょうどいい間隔でセットできるものです。工作用の片面段ボールを使ったもので、今度本校の三年生たちに試してもらいます。スタートが忙しくなった原因のひとつですが、機織りの操作は子どもたちもなぜか夢中になります。改めてその魅力を確認してみるつもりです。
◇年末『硫黄島からの手紙』を見て、兵隊たちのむなしさとあきらめ、未来に託すかすかな希望などが台詞から聞き取れ、とても心に残りました。そして、最近『長い散歩』を見ました。虐待を受けていた女の子と退職校長の二人連れがある旅に出かけます。仕事上身につまされる設定なので、見るのがつらい場面もありますが、何度もウルウル来てしまいました。見終わると誰かを抱きしめたくなると言う映画批評通りでしたが、その日はあいにく家に誰もおらず、黒猫を抱えてふとんに入りました。女の子が劇中で歌う「天使のパンツ」はかつて教室でよく歌っていたことがあり、今でもずっと耳に残っています。ともかくお勧めです。
◇今年最初のおもちゃはまたボードゲームです。先月入手したニキティキの新しいカタログで見つけたものです。タイトルは『マジックマイスター』すごろく遊びに磁石をしかけた秘密の石があり、誰が早く魔法学校を卒業するかを競うゲーム。こたつに入りながらが似合いそうです。

あーちゃんも気に入っていたのが先月購入した「カタカタ人形」ひろばで見た方もいますが、やはりオリジナルの動き方はちがいますね。おもちゃ研究のためにじっくりながめていたいので貸し出しはしばらくお待ちください。

◇工房では、あーちゃんの誕生日用に「キッチンセット」を改良中。まったくオリジナルも考えましたが、十数年前の作品にもいろいろ愛着があり、さらにいいものにリメイクしてみるつもりです。もちろんひろば用もお楽しみに。

 

 

◇この頃、自分のエリアではアナログの機械がいくつか復活しています。数年後にテレビ放送もすべてテジタル化してしまうご時世に、カセットデッキを買い換えラジオ番組の留守録を楽しんでいます。あーちゃんにはレコードプレーヤーを持ち出して、わらべうたのレコードに合わせて踊りました。記念写真に銀塩フィルムのカメラを持ち出したら、ずっしりとくるカメラの感触を思い出して、自分で感動してしまいました。世の中は便利さと早さをすべてに優先させ、どこか大事なものを置いてきてしまっているようです。別に時代の流れに逆らうつもりはなく、むしろ新しいものにも目を奪われていますが、時々は後ろを振り返って、今に生きるものをそばに置いておくのも、自分の世代の役割かなと思うこの頃です。


      ◆◆2月の予定◆◆   ひろば18日(日)・工房24日(土)

 (〒466-0837名古屋市昭和区汐見町97-1)