ひろば通信  07-09

 ひろば 16日 工房 8日               

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      2007年9月13日(木)

今年の夏の暑さは本当に異常でしたね。温度計を見るのもいやになるくらい、異常な暑さで、一日に何度も着替え、クーラーにシャワーと地球温暖化にしっかり協力してしまいました。花たちも息絶え絶え。かなり暑さにやられてしまいましたが、それでもよく持ちこたえたものです。そこへ行くと、土に根ざした木々は強いですね。枯れそうになってもほんの一瞬の雨でよみがえるのですから、たいしたものです。もっともそうした力がなければ、百年も二百年も生きられませんからね。

◇わが家の庭にも、職場の学園にもドングリから育てたナラの木が3メートル近くになりました。森へ移植するには大きくなりすぎたのでこのままそばに置きますが、ドングリの実がつくのをぜひ見たいものです。

◇病床でがんばっていた父が、夏の終わり遠くへ旅立っていきました。実家の庭の手入れをしながら、いつかここに佇んでくれることを祈っていましたが、年にはかなわなかったようです。花好きでものづくりに飽くなき関心を持っていた父の血を感じながら、毎日のお供えを続けています。

◇この夏、父の見舞いのかたわら、予定したイベントもいつも通り盛りだくさん。何かあれば、イベントそのものも中止する覚悟で過ごした日々。たぶん父にも伝わったのでしょう。「わしもがんばるから、思う存分楽しんでこい」とすべてのイベントを可能にしてくれました。
 7月の「木ッズおもちゃ展」峰の原高原の「組み木フェスティバル」南図書館展示会と組み木教室、高齢者の工作教室、最後に外国籍の子どもたちとの「平和フォーラム」で折り紙と万華鏡の授業。
 どのイベントも滞りなくこなせたのも父のおかげです。

◇映画もそれなりに行かしてもらいました。まずは原作を必死で読んで「ハリーポツターの不死鳥の騎士団」を鑑賞。ところが前もそうでしたが、本を読みながら映像を思い描いていたときの方が迫力があり、少し興ざめ。評判を聞いて見た「夕凪の街桜の国」は原爆の「罪」を静かに訴える力作。原作はこうの史代の漫画ですが、とても中身の濃い作品です。「レミーのおいしいレストラン」は楽しかったですが、ネズミに作ってもらうとなるとやはり食が進まないかも。

◇漫画と言えば、新聞記事で見た「SEED」という作品を全10巻購入しました。主人公が発展途上国や砂漠化した地域に粘土団子にくるんだ植物の種をまき、少しずつ緑を回復させていきます。10年前に発行された復刻版ですが、とても新鮮です。地球環境問題と言うとどこから手をつけたらいいか、むなしくなったり、絶望的にもなりがちですが、この「SEED」は一作ずつ読むたびに勇気や希望がわいてきます。DVDで「不都合な真実」も購入しましたので、両者を鑑賞してみると、何から始めたらいいか答えが出てくるかも。

◇父の葬儀もあり、予定より早く孫のあーちゃんがやってきました。まだ人の死なんてわかりようのない彼女に「じいちゃん、どこにいったの」とぽつんと言われると胸に詰まるものがあります。二三日は寝る間もない日々でしたので、ゆっくり相手ができませんでしたが、また自転車での散歩と地下のひろばでのひとときが復活。前回よりままごとあそびが中心ですが、中でも「魔女の館」がお気に入り。そこに「ねずみくんハウス」の細かい食器を持ち込み、乾燥させた木の実やドライハーブで何やらあやしげなお料理遊び。こんなときのご満悦な笑顔は何よりの癒しですね。
 今回は試しに当時娘のために作った「ワクワクハウス」を出してみました。案の定、小さな家具がいっぱいのグッズにハマっていました。親子二代で遊んでもらえれば、つくり手として本望ですね。


◇岐阜での「木ッズおもちゃ展」ではいくつか販売したため、今その注文制作に追われています。幸い展示仲間もおもちゃは本業ではないので、お互いお客さんから数ヶ月の猶予をいただいていますが、これが本業だったらと思うと複雑な気持ちになります。評判になり売れるのはうれしいですが、それをどんどん作ることになるととてもやっていられません。
 ついこの先のことも考えてしまいますが、自分で作ることが楽しめなくなってしまっては続ける意味がありません。これからも本業にすることは考えていないので、今工房を開放して作る環境を提供しているように、作りたい、自分のものにしたい人に場や機械を与えていく試みを継続したいと思っています。

◇今月の新着おもちゃは、前からずっと迷っていたコースおもちゃの「キュボロ」を思い切って購入しました。この仲間はすでに「スカリーノ」やアメリカ製のもの、7月に紹介した、小さい子でも遊べる「キュビオ」のセットとひろばのコレクションも貯まってきましたが、残念ながらひろばのせまい空間ではその醍醐味をなかなか味わうことができません。きっとどこかのお家の一角では兄弟で競い合って「ピタゴラスイッチ」の風景が見られることでしょう。私も期待して「キュビオ」であーちゃんと遊びましたが,作るそばからコースをこわされるので今回は断念。先に皆さんに貸し出すことにします。ただ、「キュボロ」の方はしばらくひろばでこのおもちゃの神髄を味わわせてください。

◇「キュボロ」と合わせて、クレヨンハウス編集の「シュタイナーの子育て」を購入しました。シュタイナー教育については、受験教育と対極にあり、この仕事についた当初から注目していました。いくつかのフリースクールが時代の流れに消えていく中で、息長く根づいています。まるで良質な玩具のように受け継がれているようです。この本のレポートで、さらに納得できるかもしれません。
 ただ、普通の学校の中で、シュタイナーの精神を生かし、その子の成長に合わせてじっくりつきあっていくのは、かなり試練があるはず。それを乗り越えられる環境を作ってあげるのが大人の仕事でしょうが、先に負けてしまうのは大人の方かも。

◇真夏の暑さもようやく抜け出し、夕暮れも早くなって来たこの頃、寒い政治の季節を片側に見つつ、子育てをいかに楽しむか、じっくり探ってみてはいかが。


 ◆◆10月の予定◆◆

ひろば21日(日)・工房13日(土)