ひろば通信 07-10

 ひろば 21日 工房 13日                

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      2007年10月18日(木)

◇ひと月前は残暑で参っていたのに、いつのまにか長袖を着ています。そして、一気に年の瀬になる気配。一年間のリズムもいろいろですね。
 リズムと言えば、毎年必ずと言っていいくらいピタリとお彼岸の日に赤い花を咲かせていたヒガンバナが、今年は一週間も遅れて咲きました。それだけ今年の夏の暑さが尋常ではなかったのでしょう。その暑さを乗り越えて、花壇の花たちもようやく精気を取り戻してきました。手入れに精が出る一方で、この時期は種まきや球根植えが待っています。春の開花を想像しながら準備するのはとても楽しいのですが、何せ今年の春チューリップが咲いてくれなかったことが、少しトラウマになっています。

◇父の仏事が一段落し、残った諸々の片づけが新たな仕事になっています。花好きな父でしたが、茂りきった庭木はすでに持て余していたようです。思いきって庭師さんにしっかり剪定をしてもらったら、その庭の明るいこと。ばっさり切ってもらったので、ほとんど丸裸状態ですが、次の春には若葉がそよいでいるはず。以前は単純に木を切ることに罪悪感を抱いていましたが、原生林でない限り、人の手を加えてはじめて木々がさらに元気になることを知りました。

◇日本おもちゃ会議の解散が決まりそうです。二十年目にして終焉を迎える気持ちはとても複雑です。これまでよく続いたなという印象もあれば、あれだけのメンバーをそろえたグループが、世間的にはほとんど知られないまま幕を閉じてしまうむなしさもあります。
 子どもにとってよいおもちゃを、それぞれの創作の力で、探求し広めることがその共通した使命で活動してきましたが、とりまとめの難しさ、全国に散らばる面々の掌握の難しさ、企画と資金繰りの難しさ等々で、運営する立場の負担は増すばかり。法人化したり他の機関に運営を預ける案もありましたが、すでにそこまでの活力がなくなってしまったようです。私自身も数年前運営に関わり、その難しさを痛感しました。おもちゃをめぐる話ですから,本来楽しくわくわくする中身のはずですが、苦しい雰囲気の会議が続きました。それでも続けて来られたのは、おもちゃを創る仲間たちの心意気。作品と人柄がかもし出す素朴な温かさ。どこかで子どもやおもちゃに関わっているという信頼感。それらが支えでした。
 来月この話の総会があります。たとえ解散と言う結果になったにしろ、これまで培った財産が消えるわけではありません。このひろばもおもちゃ会議に加わってなければ、開設していなかったでしょう。組織としてのおもちゃ会議は消えるかもしれませんが、その精神はそれぞれ会議に関わった面々に生き続けるはずです。私はこの小さなひろばという場でそのことを証明したいと思っています。

◇すっかりおしゃべりになった孫のあーちゃんは、あいかわらず魔女のお家がお気に入り。今回は田中周子さん作のヒロちゃん人形を片手にマスクをさせたり、スプーンで食事のまねをさせたり、ごっこ遊びも本格的になってきました。そろそろお話おもちゃもいいかなと、「がらがらどん」の絵本がお気に入りだったので、前に作ったヤギとトロルを作り直し遊んでみました。トロルの顔がはずれるようにしたので、顔が落ちるたびに大喜び。やはり遊びには「落ち」が必要ですね。今ひろば用にも舞台装置つきの作品を制作中です。もうしばらくお待ちください。

◇それにしてもこの秋はイベントが多く、ゆっくり制作時間が取れないことが悩みです。詳細はホームページにまとめましたが、工房、高齢者工作教室、子ども文化ワークショップ、おもちゃ会議総会、中学同窓会等々。そして再来月は「おもしろ学校」もあります。改めてお知らせしますが、年の瀬の気分にもなるはずですね。

◇先月「ガイヤシンフォニー」の公開イベントに半日参加しました。新作の第六番の上映をはさみ、上田紀行さんのダライラマについての講演、映画の中にも出てくる弓や鐘の生演奏と盛り沢山でしたが、身も心もすっかり浄化されました。このガイヤシンフォニーのシリーズは毎回欠かさず見ていますが、ほとんどが自主上映。地球や自然に向かって訴える内容がいつも色濃く構成されているので、できれば手元にも置きたくなってしまいます。幸いかつての一番からDVD化されるそうなので、ひろばコレクションにつけ加えていきます。見のがした方はぜひどうぞ。

◇久しぶりに映画館に行きました。見たのは「ミスポター」そうあのピーターラビットの作者です。その生涯を紹介しながら、時折イラストのウサギやアヒルが動きだし、ニコッとしてしまいます。ピーターの大ヒットで手にした資金をほとんどナショナルトラスト運動に使います。根っから動物や自然が大好きだった作者のまっすぐな気持ちがうれしくなります。

◇先月紹介した「キュボロ」は本当におもしろいコースおもちゃです。小学校以上の子なら、サンプルを見なくてもビー玉が隠れて転げ出てくるコースを工夫できるでしょう。しばらくひろばだけでと思いましたが、ご自宅でゆっくり楽しんでください。代わりに今月も新しいボードゲームを購入しました。

 海賊船をもじった「海賊プラック」。空気が出てくるふいごを使って舟を動かし、宝を集めます。


□読書の秋にちなんで、いくつか紹介します。
・「孫と楽しむ手の仕事」(田中周子著,大月書店)セーター人形ヒロちゃんの考案者,田中さんは手づくりおもちゃの分野でも超有名。しかも昔ながらの手仕事にも詳しく、しっくり腰をすえて子どもと向き合う子育てに役立つこと、まちがいありません。
・お母さんの「敏感期」(相楽敦子著,文春文庫)教育者モッテソリーの考えをやさしく解説しながら、子どもが自立し、自律していくタイミングを「敏感期」と名づけ、子どもを見る見方を上手にアドバイスしてくれます。
・「わたしたちの教育再生会議」(岡崎勝編集,日本評論社)安部内閣の売りだった教育改悪?も総理大臣の退陣とともにあっけなく消滅したかのように見えますが、政府主導で教育がいじられる体制は変わっていません。もういちど今何が大切で何を守るのか見直してみることが必要です。編集長の要望で私も職場から見た今の現状をレポートしましたので、関心のある方はご一読を。
 その他、「バッテリー」に続いて「一瞬の風になれ」もお勧めですが、中途なので次回紹介します。


   ◆◆11月の予定◆◆

ひろば 18日(日)・工房 23日(金)