ひろば通信 08-03

 ひろば 16日 工房 8日                               

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   2008年3月13日(木)

◇ ひな祭りを待っていたように、遅咲きのシャコバサボテンが咲き、続いてクリスマスローズもゆっくりとつぼみを開きながら首を起こしてきました。今年はいつもより寒さがきびしい気がしていましたが、不思議な事にウグイスの初鳴きは去年より早く、自分の感覚があやしくなってきました。
◇毎年この月は暖かくなりにつれ、早く花壇の手入れをしたいのですが、仕事柄卒業式やら年度のまとめということで、宿題が山済み。それに今年は移動も待っているので、さらに時間がありません。何せ荷物の山の中で教員生活を送っているので、片づけは半端ではありません。十年前の「いずみ学級」の荷物に加えて「くすのき学園」の財産がどっさり。ただこの十年は形に残った財産より、子どもとのきびしいやりとりの中で、子どもたちの心情をどう受け止め、こちらが何をしてあげたらいいか、毎回毎回、試される事のくり返しで、自分の体の中にずっしり重たいものが培われた気がします。もし、それを方法論として整理できれば、多くの傷ついた子どもたちへの接し方のノウハウになるでしょうが、とても整理しきれません。それに同じ手が使えない事もいやというほど味わいましたから、そのときそのとき、その場その場で全身全霊のエネルギーと知恵で対処するしかありません。
 少し大げさに綴ってしまいましたが、そんなきびしさの中でも続けてこられたのは、子どもたちのあっけらかんとした明るさがあったからでしょう。今が楽しければ過去も未来も関係ないという割り切りは、自分の信条とも共通していますので、よけいに共感を持ってしまいました。今、最後の誕生日プレゼント(最後にならないかも)や卒業記念の作品を作りながら、とりあえず職場のプランターの手入れをしています。

◇今月の誕生日が多いのが何と卒業生たち。そしてほとんど中学も同じ敷地の学園に進学しますが、それでも大きな節目にはちがいありません。しばらく経てば、小学校時代あんなにわがまま放題だったやからも、制服に身をつつみ、殊勝な顔をして授業を受けている姿を何年も見てきました。幼稚園から小学校、小学校から中学と、学校という名前を借りた節目はそれなりにとても大きいかもしれません。
 作品のリクエストで困ったのは、ヘリコプターの注文。よく聞けば軍事用だとか。これまでこうした戦い、戦争に関わるものはすべて断ってきましたが、最後かもということでつい気を許してしまいました。ひろばにはとても置きたくないので、救助用のヘリをデザインし直します。
◇ウグイスの声につられて、野鳥のレストランも隣の庭に設置しました。ミカンと鳥のえさを乗せて待っているとさっそくメジロがやってきました。でも、その後からヒヨドリがやってきて場所交代。朝から忙しい鳥たちのやりとりをながめています。わが家のネコに気をつけてと願いながら。

◇先日、また娘のダンスの舞台があったのですが、久しぶりに小道具を頼まれました。何と「竹の水筒」のご要望。幸い隣の庭の整理のときに切った竹がたくさんあったので、ネットで調べたデザインを参考に試作。なかなかしゃれたものができました。
 公演は大阪の江坂であったのですが、すぐ近くに「クレヨンハウス」がありびっくり。いつも上京したおり青山まで足を伸ばしていましたが、こんなところに支店があるとは。つい、開演ぎりぎりまで買い物をしてしまいました。
 買ったのは「ちいさいねずみ」の絵本と五味太郎の「あいうえおばけ」のかるた。両方とも低学年授業のネタ。別に大阪まで来て、授業のことを考えなくてもいいのに、何かが呼んだのでしょうね。今、その授業を続けています。
 ひろば用には「子やぎのかくれんぼ」というゲームと壁飾りの「ブレーメンの音楽隊」を選びました。ゲームはかくれんぼしたヤギの数を当てる簡単なもの。ゲームの入門にいいかも。
◇先月のひろばですすめられた「どんぐりの家」のコミック版をそろえました。聴覚障害の高校生をモデルにした「遥かなる甲子園」の作者、山本おさむさんの力作です。重度重複聴覚障害の方たちが自分たちの働き場を求めて運動し、一歩ずつ実現して行く過程が迫力をもって描かれています。舞台が以前住み勤めていた埼玉県であることも意味深く、そのとき類似の運動をしていた同僚との思い出がダブりました。その続編も注文中です。
◇一気に読めた「一瞬の風になれ」がドラマ化されましたね。あれ、ちがうという印象のままとりあえず見終えましたが、あれはジャニーズファンのためのドラマだったかも。色付け直した映画化を望みます。
◇ひろばのおもちゃをいくつか手直ししました。ひとつはネフ社の古典的な積み木「バウシュピール」のケースを作りました。船の形をモチーフにいろいろなバリエーションが楽しめる名作です。どうしてもほしかったおもちゃのひとつですので、新しいケースでご利用ください。
 ゴムひとつの単純な仕掛けでおもしろい「ハイジャンプ」の小さなロケットがいくらさがしても見つからないので、工房にあるブナ材から作りました。ゴムがはずれないようにそっと発射させると的にむかって飛んで行きます。また楽しんでください。

◇先月紹介した鳥シリーズの合板作品をくすのきでの最後の授業にしました。子どもたちから注文をとり、希望の鳥をキットにして工作。本来なら、工房で毎月やっているように、糸のこで部品を切らせればいいのですが、少しでも失敗すると投げ出してしまう子どもたちに、とりあえず完成させる目的で用意しました。ただ、こまったのは、リクエストでいちばん多かったのが、メンドリ。よく聞けばおまけの小さなヒヨコが受けたようです。当然他の鳥の子たちから不平が出ましたので、注文を取ればほぼ全員のリクエスト。そこで工房に来ていたベテランの面々にも協力してもらい、小さなヒヨコをプレゼント。いろいろ訳ありの子どもたちですが、こんなことから親子関係に望みを託している気持ちがひしひしと伝わってきます。

   
     ◆◆4月の予定◆◆

ひろぱ 20日(日) 工房 12日(土)