ひろば通信 09-02
ひろば 22日 工房 14日              

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   2009年2月19日(木)
◇この頃、あまりの寒暖の差にわが家の梅もいつ咲こうか迷っているようです。また、今月のひろばはいつもの日程と一週間ずれるので、どこか調子がちがいます。習慣とはおそろしいですね。すでに二十年近く繰り返しているリズムなので体にしみついているのかもしれません。

◇この時期は野鳥たちのために週末になると必ずえさを用意しています。そこはほとんどスズメたちのたまり場で早朝からえさを待っていたスズメたちが群がっています。最近他の場所にミカンをセットしたら、ヒヨドリとメジロが交互にやってきました。わが家の黒猫君に狙われない事を祈りつつ、自然を身近に感じるひとときを味わっています。

◇さて今月はいつも複雑で、いきなりおひな様を展示するのは早いなと思いつつ、正月飾りとの間に悩みます。とりあえず今回はつなぎに「かさこじぞう」のお地蔵さんたちを並べてみました。
 クラスに二年生の子がいるので、交流授業をしようと、この「かさこじぞう」のお話セットをその学級で披露しました。前のくすのき学園の時も何度か出前授業しましたが、この学校でどんな反応になるか楽しみでした。うれしいことに、木のおもちゃを間近に見るのははじめてらしく、食い入るように見てくれました。面白かったのは、お話を語る合間に「わかりやすい」という声がかかること。挿し絵や絵本だってあるので、眼で見て分かるはずですが、手で触れる形になっているのが受けたのでしょう。

◇先日おもちゃ会議の打ち合わせに行ってきました。一端は解散を決めたものの、これまでの創作おもちゃを通した活動をそのまま終焉させてしまうのは、あまりにおしいという気持ちが会員に強く、改めて再スタートする方向で話し合いました。発足してから二十年の歳月が過ぎ、社会の情勢もすごく変化しています。その中で一貫して創作おもちゃ、手づくりおもちゃの良さをアピールしてきました。実際に手で触れ、体いっぱい使って遊び、いっしょに作る体験を提供することで、子どもたちの中の遊び心を取り戻す試みをしてきました。ただ、会議としては大きなイベントにしばられ、その運営や方向性の論議で会員間の意思疎通がうまく行かず、アビールする元気もなくなってきてしまいました。
 そして世の中は携帯電話に象徴されるような疑似コミュニケーションに大人も子どもも振り回され、人と人との関係がますます希薄になりつつあります。さらにこの不況モードで大人はおろか、子どもたちに夢を持てと言いづらい環境になっています。
 こんなときこそ、今できる楽しいこと、大切なこと、見直したいことなどを見つけ出し、みんなで知恵を出し合って前に進んでみようではないか。新しいおもちゃ会議もその一助になるような活動を目指すはずです。打ち合わせに参加しながら、改めてひろばの役割を考えました。

◇このひろばもおもちゃ会議発足の後、数年後に開きましたので、ほぼ同じ時間を共有しています。この間いろんな人たちの出会いがあり、すごいのは未だにつながっているメンバーもあること。いいおもちゃとの出会いは年齢を超えると言いますが、まさにそれをこのひろばが証明しているようです。毎月このひろばで過ごすのは数時間に過ぎないでしょうが、その間にいい作品に触れることで、日常とはちがう、刺激を受けているのでしょう。
 はじめておそるおそる地下に降りて来た子も、たくさんのおもちゃに驚きつつすぐひろばにとけ込んでくれるのを見ると、いいおもちゃに囲まれるのはそれだけでいやしになるのかもしれません。そして、ここはとても狭い空間ですが、いいおもちゃを求めるという共通項に支えられた人と人との出会いがあります。混み合っていてもあまり苦にならないのは、私だけではないようです。

◇最近、またユニークな絵本に出会うようになりました。たぶん、孫のアーちゃんやクラスの子たちの反応がイメージされるのでしょう。
・福音館の「あ」かわいいはり金人形が楽しいホーズで歩き回ります。その発想に脱帽。
・ 「だるまさん が」「だるまさん の」「だるまさん と」(かがくい ひろし作)何とも大胆なことばあそび。作者は教師だったそうで、ぜひ会ってみたいですね。

◇今読書の中心は重松清シリーズになってしまいました。つれもつきあっているので、しまいには地下鉄の中で並んで似た本を広げている格好になっています。これまで読破したのは「きみの友だち」「小さき者へ」「卒業」「星に願いを」少しストーリーが混同し始めていますが、どれも読み応えのある作品ばかり。よくぞここまで子どもたちの世界や親子関係のからみを構想したものとその筆力?に感心します。
 別のお勧めは「僕の妻はエイリアン」(泉流星著)奥さんが高機能自閉症で、その結婚生活がユーモアに綴られています。とても筆達者な旦那さんと思いきや、言語学者の奥さんがゴーストライターでした。そのことだけでもお二人がよく通じ合っている事を物語っています。今その続編「エイリアンの地球ライフ」を読んでいます。この人たちを理解したい方にお勧めです。
 合わせて「光とともに」も14巻目が出ました。いよいよ実家のおばあさんと住むことになります。さて・・

◇映画「誰も守ってくれない」はネットの怖さを強調していました。加害者の家族には何も罪はないはずですが、世間の好奇な眼は沈黙を許しません。そのエスカレートぶりに弱者を標的にする「いじめ」の本質を見た思いがします。いじめがいつのまにか快感に変わる人間の悪の部分が誰しもあるような気がしてこわくなりました。
「チェ・ゲバラ」の前編後編はとても見応えがありました。当時学生運動の片隅に彼の肖像があり、謎の人物として印象に残っていた記憶があります。今回リアルに再現されている映像を見て改めてその存在の大きさを知りました。苦しんでいる人たちがいる限り権力に立ち向かう革命家としての情熱、そのことに自分の命を惜しげもなくささげたすがすがしさに英雄とはこういう人物を指すと思いました。
「禅」はわが家のお寺が曹洞宗ということもあり道元さんの生き様にお付き合いしてみました。この世にこそ浄土をと今生きている事を大事にする教えもいいものだと姿勢を正して鑑賞しました。

◇今月の新着おもちゃは先月早々と注文しましたが、またまたゲームを購入しました。
 「フラワーガーデン」珍しくギリシャ製です。三角の庭に花を咲かせます。マグネットで微妙にくっつく感触が心地いい気がします。  おまけに「ペンギンパーティ」というカードゲームも用意しました。交代でペンギンのカードを置きながら,ピラミッド形を作っていきます。一応6歳以上なのでやや難しいかな。

◇ひろば用の「お店屋さんセット」が出来上がりました。おはじきのお金で買い物ごっこを楽しんでください。

◆訃報・・ひろばにもある「つなわたりスーパーマン」の作者西田明さんが亡くなりました。おもちゃ会議会員時代も岡山の現代玩具博物館の館長になってからも、お会いする度にとてもユーモアのある会話でおいしいお酒をごちそうになりましたが、早すぎる別れになってしまいました。ご冥福をお祈りします。

  ◆◆3月の予定◆◆  

ひろば 15日(日)・工房 7日(土)

(注)工房の予定が事前にお知らせした日にちと異なります。ご了承ください。