ひろば通信 09-12
ひろば 20日 工房 13日              

・発行 おもちゃのひろば  
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   2009年12月17日(木)

◇クリスマスに間に合わせるように、四年越しにはなるシャコバサボテンが今年もあざやかに咲きました。白いシンビジュームも今年は芽をつけ、好対照に並んでいます。日頃の世話が報われるひとときです。それにしても畑の力には驚かされます。
 学校には少人数のクラスには充分な広さの畑がありますが、子どもたちは種まき以外ほとんど作業に参加してくれません。ところがこの秋もいい加減に蒔いたダイコン、カブ、白菜などがりっぱに育っています。こちらも雑草もそのままで、ほとんど手入れをしていないのですが、適度な雨と名古屋市から提供される堆肥の効果か、みごとなものです。放任もこんなときはいいですね。

◇また年の瀬がやってきました。クリスマス飾りもそこそこに、気持ちは来年以降のひろばや工房のイメージづくりに傾いています。ひろばも来年は早二十周年を迎えます。もちろんこれまで通り続けて行きますが、中身の見直しを少しずつ進めてみるつもりです。理想はいつもお伝えしていますが、ひろばを開いたときのあの雑木林のそばにあった「アパートひろば」。日だまりの中で「おもちゃづくり」や木登り、読書と気ままな一日が過ごせた空間でした。
 その空間で育った娘たちもすっかり大人に。アパートもすでにリメイクされ面影もありませんが、記憶の中にはしっかり残っています。昔に戻ることはできませんが、その空間に息づいていた大切な心の部分「人と人との出会い、人とおもちゃとの出会い、おもちゃを作ってみたいという気持ちとの出会い」その出会いが再現できる新しい空間づくりを探ってみます。

◇「おもしろ学校ごっこ」にはだんだんひろばのお友だちが増えてきました。ひろば同様ぜひ常連さんになってほしいものです。というのは最近参加者があまり多くなく、スタッフでも原因を話し合っています。たぶん、いちどでも参加した人は気に入ってもらえるのですが、今の子どもたちはなぜか忙しそう。休みの日にまで「学校」に出かけたくないかもしれません。そのあたりの感想をぜひ教えてください。
 少なかった分、高学年の図工では、ひとり一台の糸のこでじっくり「からくり恐竜」づくりを楽しんでいました。それも女の子ばかり。てっきり「やって」と頼まれるかと思いきや、難しいところも自分で挑戦。手持ちぶたさの一日でした。子どもたちは糸のこで板を自在に切る魅力にハマったようでした。

◇しばらく素朴な組み木を作っていませんでしたが、以前いっしょにテレビに出た小松強志さんデザインの「たまご組み木」を切ってみました。彼のデザインのセンスは小黒三郎さんに迫るものがあり、とても尊敬しています。今ちょっと音信がとぎれているので残念ですが、きっとそのセンスを生かした仕事をされていると思います。
 彼の代表作はひろばにもある「おもちゃ文庫」。今学校でもその中の「おすもうさん」セットにハマっている子がいて、いい学習の余暇になっています。

◇クレヨンハウスから連絡があり、おもちゃのカタログ「おもちゃtown」が三度目のリニューアル。その度に「知育玩具」についての私のコメントが使われて、とてもえらそうに述べていますので、お恥ずかしい限りですが、ぜひご批判ください。
・・・実際には〈知育玩具〉ということばの定義さえ曖昧です。この単語を使えば消費者を引きつけられる、という売り手側の戦略でしかない場合も少なくありません。親としては、〈ひとよりちょっと先に読み書きできたら〉といった思いで〈知育玩具〉に飛びついてしまうかもしれません。でも、たとえばことばを身につけるとき、それを〈知識〉として覚えてしまうと,子どもの意識の中では〈それ、知ってる〉で終わってしまいます。これではせっかく学んだことも、子どもの生きる力には結びつきません。生活体験の中で覚えてこそ、ことばのやりとりのおもしろさや、ことばの背景を味わうことができるのです。おもちゃ作家の多くは,〈子どものこころを遊びを通して豊かにふくらませたい〉と願っています。〈これを使えば文字を覚えられます〉というような、限定的な機能や観点でおもちゃづくりをしているわけではありません。文字や数字をマスターする〈知育〉だけが目的になってしまうと、おもちゃはワークブックやドリルと変わらなくなってしまいます。こういうものを〈おもちゃ〉と呼びたくはありませんね。(略)そして、子どもの成長を成績のような数字だけに頼って計ろうとしないでください。子どもにはそれぞれ個性があります。むしろ〈これがこの子らしさなんだ〉とのんびり見守ってあげるほうが。子どもを成長させるのです。・・・

◇二十年近くもひろばが続いていると、おもちゃたちもところどころほころびが出てきます。今回は 「ハンマートーイ」の修理をしました。ピンがゆるくなってしまったからです。なぜか大きなトンカチも行方不明なので、合わせて作りました。また思い切りたたいて遊んでください。
 もうひとつしかけのおもしろい「クーゲルリフト」がまた調子が悪く、これは工房の常連の創くんが念入りに調整してくれました。

◇さて、今月の新着おもちゃは、「オオカミと七ひきの子やぎ」の話をゲームにした作品です。指人形のオオカミが、ベードやテーブルに隠れた子やぎを探します。何とオオカミとかくれんぼ遊びをするのです。どのくらい楽しいか今月のひろばで遊んでみましょう。そして、今月は冬休み前なので、特別貸し出しの月。ひとり3つまでおもちゃを選んでいいですよ。それとクリスマスツリーに飾れるオーナメントもおみやげに用意しましたので、お楽しみに。
 もうひとつ東京で開かれた「関西のおもちゃ作家展示会」で見つけた若林さん作のおもちゃも紹介します。彼も古くからのおもちゃ仲間ですが、じっくりと仕上げた素朴なおもちゃをたくさん作っています。このおもちゃのビー玉の動きを見ていると彼の性格が分かる気がします。

◇久しぶりに硬い本を読みました。昨年亡くなった筑紫哲也さんの新書判「若き友人たちへ」(集英社)憲法から沖縄、教育、そしてこの国の行方とジャーナリストらしい分析で分かりやすく、まさに若い世代に向けて語りかけていますが、どの世代にも読んでほしい本だと思いました。
 重松清の「いとしのヒナゴン」は生々しいメルヘンといった話で村の合併問題と不思議な生き物とのからみがとても印象に残りました。本人も出ている映画があるそうなので、早く見たいものです。

◇桑田佳祐の「アンチエイズ」のライブを見たいがためにWOWOWに加入しました。今年のライブは映画音楽特集でものすごく楽しめました。もちろんチケット購入にもチャレンジしましたが一分も経たないうちに完売。すごいですね。
 最近は落語のライブにもよく出かけますが、こちらも人気の寄席はすぐ完売。ひまな面々が多すぎます。

◇「カールじいさんの空飛ぶ家」はついウルウルきてしまいました。何せ亡くなった父に歩き方や仕草がそっくり。それに硬い一途な性格まで似ているのでたまりませんでした。ディズニー映画で泣いたのははじめてかも。映像も迫力あり、奇想天外な展開もありで楽しめること請け合いです。孫のアーちゃんもすでに見たそうです。

◇師走とはよく言ったもので、おもしろ学校の翌日は工房、そして明日から京都奈良への修学旅行引率。翌日上京して小学校の同窓会、もどってひろばの後はモダンバレーの鑑賞会。一息つけるのはいつになるでしょうね。

◇クラスの休み時間は男の子たちが以前ひろばから運んだレールセットで遊んでいます。ときどき汽車の取り合いでもめながらも、子どもたちで工夫したレールはどんどん進化しています。いいおもちゃの効果を感じています。               

  ◆◆1月の予定◆◆  ひろば 17日(日)・工房 9日(土)