ひろば通信 10-01
ひろば 17日 工房 9日             

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   2010年1月14日(木)

◇ 新年が始まっています。今年は近所の神社から熱田神宮、八坂神社といろんな所にお参りに行っているので願がかなうか、神様にあきられるか、どちらでしょうね。
 鎮守の森と言うことばの響きが好きです。神社をおおう緑の木々たちが人々の身近にあった時代、今は夢物語ですが、正月、神社を訪れる度にもういちど何とか取り戻したい空間だと切に思います。

◇ 冬休みには「アバター」を二回見に行きました。最近では二度映画館で見た作品はないので、かなりのお気に入りです。3Dという条件もありました。特殊眼鏡をかけてみると顔のそばまで迫ってくる迫力に圧倒されます。ストーリーはSFアクションですが、かつての白人対インディアンの闘いやスターウォーズ、そして風の谷のナウシカとも共通の空気が流れていました。そしてその星は森の精霊とのつながりがベースになっています。残念ながらそれを知っているのは人間ではなかったのですが。

◇正月が誕生日の孫のアーちゃん。新年と同時に5歳ですが、プレゼントに悩みました。これまでほぼ思いつく作品を渡してあるし、5歳という年齢も考えてしまいます。遊びがどんどん広がる時期だし、自分の好みも固まってきます。おもちゃで遊ぶだけでなく外遊びに仲間遊びと大人が介在しない世界でも「個」が作られていきます。身近にそんな成長を追いかけるのは楽しみ半分、関わりの変化についていけるか不安半分といったところ。
 いつもは正月にお目どおりして、彼女の遊び方を 観察してから思いついたものを制作していたのですが、今回は試作したまま数年間放置されていた「スライド式のおひなさま」を完成させプレゼントしました。自分としてもはじめてのひな人形だし、節句の祝いもかねて渡しました。たぶん、これからは遊ぶ作品を選ぶのは本人自身になるはずだし、こちらはそのときそのときでいちばんいいと思うものを提供していくことになるでしょう。
 この作品、スライドの取っ手とぼんぼりの扱いが難問でしたが、何のことはない、それを合体させればよかったのです。それを思いつくのに四年かかりました。

◇工房ではもうひとつ間の空いていた作品「ゴリラくん」を作りました。これはかつて亡くなったおもちゃ作家加藤裕三さんをイメージしてデザインし、知り合いにあげたままになっていたもの。加藤さんはグリコのおまけのデザインでも有名で、そのアイデアの豊富さはまさにピカイチでした。何度かアドバイスを受けましたが、そのアイデアの出所をぜひ知りたいものです。
 木の人形はロボットくんもそうですが、よほど動きがおもしろくないとぬいぐるみにかないません。
 このゴリラくん、動きがちょっと自慢なのですが。

◇重松清の新刊文庫本「みんなのなやみ」は親として一度は目を通しておくべき中身がつまっています。岡崎勝さん編集の「おそいはやい」の雑誌も毎回子どもたちの現実をいい角度から取り上げていますが、この本は今の子どもたちが直面する問題に対して、少し先に生まれた大人として、そんな子どもたちを悩ませる社会にしてしまった一人として重松さんなりに正直に親身に語っています。
 そして特に「いじめ」に関してはとても力の入ったアドバイスをしています。こんな具合に。

・・おとなは、子どもに「仲良くしなさい」と言う必要はない。「仲良くしなさい」とおとなが言っても,子どもにしたら「どうして好きでない人間と仲良くしなきゃいけないんだ」という疑問は消えない。 「ひとを傷つけるな」と言うしかない。「これはやめろ」「こんなことをするな」という怒りを子どもの前で表すしかないんだ。そうしないと、子どもたちはもう、ぬきさしならぬところまで感情にフタができなくなってきている。  そもそも、おとな自身がどんどんフタをはずしちゃっているんだから。・・

・・おとなはよく「どうしていじめられていることを親に言わないの?」と子どもを問いただすけど,学校という大きな社会でプライドを踏みにじられていることを打ち明けてしまったら,「親に対するプライド」という最後の砦を,子どもは自分から捨てなくてはならなくなってしまいます。いつも元気で明るい我が子という親の期待だけは、どうかして裏切りたくない。せつないくらいにそう願っているのが,子どもという存在なのです。
 この後が気になる方はぜひご一読を。

◇最近の読書タイムは電車の中が主になってきました。おもちゃ会議の関係で毎月東京を往復するし、その他の機会でも二三冊鞄に入れて同時進行で読んでいます。
 先の本はアーちゃんを岡山まで送りにいった帰りの道中で読みました。せっかくの休暇なのでのんびりしようと、新幹線は使わず在来線の乗り継ぎを試みました。一応途中下車は姫路と京都にしてあったのでその間ゆっくり読めました。姫路ではお城見学。はじめて間近で見る姿も評判どおり美を感じましたが、天守間までの登りがきついことに驚きました。どこかのようにエレベーターでなくひたすら登らされる、そこだけは当時のままかと想像する楽しさがありました。京都は冬の修学旅行で行ったばかりですが、NHKで始まった「龍馬伝」にちなみ、龍馬の墓を訪ねてきました。とある公園の隅に銅像が建っていましたが、ほんとかなと言う印象。歴史の勉強が必要です。
 今回はホームで時間を調べながら、やってきた電車にとび乗るという鉄道マニアの心境がちょっぴり味わえました。

◇今年最初のおもちゃは「かめのオリンピック」です。ゲームボードの上で上手にカメをころがします。丸いこうらを手で押す加減が問題。練習してください。カーリングの感じです。何種類かちがうゲームがあります。

■来月のひろばは他のイベントの関係で第2週になりますので、ご注意ください。    

  ◆◆2月の予定◆◆  ひろば 14日(日)・工房20日(土)