ひろば通信 10-05
ひろば 16日 工房 8日             

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   2010年5月14日(金)

◇風が気持ちいい季節です。GWの一日、久しぶりに自転車で長距離を走りました。自宅から職場の近くの天白川にそって走り、広い天白公園へ。うわさのプレーパークをのぞき、デイキャンプ場のおいしそうなバーベキューのにおいをかぎながら、焼山へ北上。ご無沙汰だったおもちゃ屋さん「クラッベ」におじゃまして小休憩。リュックに入りそうなおもちゃを物色した後、一路東山植物園へ。近づくと路上駐車のあまりの長さにそのまま通過。向かった先はこの時期移転した新しい「くすのき学園」。前の施設の老朽化に伴い場所が変わりましたが、はたしてきれいになった施設であの子たちがどうしているか、気になりつつ陰から応援するのみ。ほぼ三時間、30キロのミニ旅行。体の気持ちよさにこれからしばらくくせになりそうです。

◇「くすのき」つながりで、同窓会に招かれました。卒業後連絡先が不明な子も多いのですが、自分たちで連絡を取り合い、成人を迎えた五人の子たちが集まりました。仕事も続けており一安心。たばこプカプカには参りましたが、大人ぶりたいこの子たちの気持ちも分かります。あの頃は勉強の合間に開放したファミコンの取り合いで大騒動の毎日。子どもたちの目先をかえるものが、情けないことにこんな手段しかなかったのですが、子どもたちの本音の部分と向かい合っていた気がします。「なんで勉強するの」「大人になりたくないし」等々、彼らの抱えている言葉にならないいらだち、不安がこちらに突き刺さってきました。だったらせめてこの学校の中だけでも楽しい体験、おもしろい授業をやろうと、「ものづくり」のメニューを展開することになります。

◇実は知人から「ものづくり」の実践の講義を頼まれています。これまで特別支援学級の中でささやかに試みてきた中身を洗い出しているところです。年数が経ってもまだまだ繰り返す価値のあるもの、時代とともに質が変わってきたもの、新しいやり方に変えた方がいいものなど、そのときそのときの直感でやってきたことを整理しています。いちばん苦手な学術的裏付けなしで過ごしてきたこの時間を見直していますが、卒業生たちの「楽しかったよ」の声だけが支えです。

◇アパート時代のひろばから持ち込んだアイビーがすっかりはびこっています。黄ばんだ葉を取り除くと新緑の若葉が現れます。この時期、一足先に植物の衣替えの季節のようです。先月まで茶色い枯れ葉だらけだったナラの木も新緑の葉におおわれています。花の方も入れ替わってきましたが、この時期の緑をいちばん美しいと感じるのは今年もやはり変わりませんでした。

◇「1Q84」Book3は、前作以上に読みやすかったです。村上春樹の入り口がこの本だったのですが、いつも彼の文体に触れていないと落ち着かない妙な毒を彼は持っていますね。現実ではあり得ない不思議な世界が多いのですが、小説の中ではまったく不自然ではなく展開します。そのマジックに酔ってしまうみたいです。

◇自転車ツアーを計画したのは、「ガイアシンフォニーNo7」の試写会を見てから。この日伊勢市で龍村監督のトークも含めたイベントがあり、電車を乗り継いで出かけました。このシリーズ、六番まではすでにDVDになっており、ひろばにも置いてありますが、どの回も地球での暮らし方が問われます。かつてのシリーズの中ではダライ・ラマや星野道夫、沖縄の版画家などどの人の語りも深いものがありました。今回はそのひとりに有名なツール・ド・フランスのチャンピオン、グレッグ・レモンの熊野路ツアーの取材があり、思わず走りたくなってしまったのです。単純ですね。
 試写会に先立ち、伊勢神宮の森を見てきました。今や鎮守の森が里山に続いて貴重な緑保全に役立っていますが、さすがに伊勢ですね。巨木と言われる杉があちらこちらにあり、屋久島の杉の森を彷彿とさせてくれました。木の肌の温もりをじんわり感じた旅路でした。

◇先月のひろばには、珍しいお客さんが見えました。かなり古くから知っている市原千明さんです。NHKの「熱中時代」に出演したばかりなのでご覧になった方もいるかもしれませんが、同業者でもあり、科学おもちゃの大道芸を売りにしています。全国のイベントに飛び歩いていますが、実はご近所様。
 その日の手みやげは「ケプラーくん」。白ボールを丸く切って作った超簡単なおもちゃ。でも、そこにゴルフボールやビー玉をころがすと、惑星の動きが出現します。みごとなものです。翌日さっそくクラスでも作ってみました。

◇「うらしまたろう」を完成させました。難問だったおじいさんに変身する場面は手品風に布をかぶせて胴体を入れ替える手法にしました。これは演じてはじめて分かるので、展示にはもう一工夫が要りそうです。今回のテーマは「浮遊」なので、そのシーンを紹介します。カメに乗ったうらしまが海を渡っていきます。迷路になった海で小さくなったうらしまを操作して竜宮城まで導いてください。構想からほぼ二ヶ月、何とか形になるものですね。

◇クラスの子の遠足で動物園に行ったことが影響したか、例の木のマグネットシリーズが一挙に増えました。今まで工房に眠っていた材を持ち出し、薄い板用に自動カンナを通して、小さな動物の顔をたくさん切っています。おひとついかがですか。

◇一日おもしろ学校ごっこの受付が始まりました。まだまだ定員に余裕がありますので、小学生の皆さん、ぜひ早めに申し込みください。 ◇今月のおもちゃは、まず小さな小さなカンカンを紹介します。自転車ツアーの途中で寄った「クラッベ」で見つけたもの。缶の中には小さなボールゲームが入っています。試してみましたが、なかなか手強いおもちゃです。
 もうひとつはこれもお勧めと知人に教わったボードゲームで「穴堀もぐら」。自分のもぐらを進めながら、いちばん下にあるゴールデンシャベルをめざします。数字カードをめくりながら進むので予想できますが、うっかりすると退場させられます。親子で勝負するのも楽しいかも。

◇毎月のひろばには、常連さんも含めてたくさんの人がのぞいてくれます。そして、0歳から誰でもと銘打っている通り、まだ幼い赤ちゃんもたまに登場してひろばのおもちゃとご対面してくれます。その子の人生とのほぼ最初の出会い。おもちゃたちもいい顔をして歓迎しています。        

PS. 市原千明さんの科学おもちゃコレクションをのぞきたい方は、下記にご連絡を。  
 〒466-0002 名古屋市昭和区吹上町2-24 052-733-5101

  ◆◆6月の予定◆◆  ひろば 20日(日)・工房12日(土)