ひろば通信 10-06
ひろば 20日 工房 12日             

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   2010年6月18日(金)

◇梅雨空をにらみつつ、夏本番までのこの季節、けっこう好きかもしれません。時間のかかる水やりが少し助かることが一因かも。先月あわてて衣替えしたら、寒のもどりがあり、暦には従うものと痛感。
 それでも、春を彩っていたパンジーやプリムラを片づけ、マリーゴールドなどに入れ替えて夏の準備を進めています。そして、楽しみは野菜の収穫。今年もトマトにキュウリにナス、ゴーヤにピーマンと鉢を並べています。畑があればなと夢見つつ、もし本当にあったら生活が一変する予感もします。今次の生活のプランを考える時期なので、ちょっとそんなことも頭に描いています。

◇話題のiPadで遊んでいます。こういう新しい物好きは父親譲りかもしれません。もっともその時代はテレビに洗濯機など,生活に密着した「新しい文化」を象徴するものとして、本当にワクワクしたものです。父が家族に自慢げに紹介していた姿を思い出します。
 一方自分の方はトランジスタラジオにウォークマンとしばらくは小型のソニー製品にあこがれ、なけなしの小遣いを費やしていました。その後はアップルのパソコンにあこがれますが、何せ当時は高値の華。友人宅で触らせてもらい、そのスマートさに虜になったまま、今につながっています。
 父は父で老いてもその趣向は変わらず、デジカメにワープロとこちらより先に試していることも多く、親子で妙な競争をしていました。このiPadも天国で先にいじっているかもしれません。

◇一日おもしろ学校ごっこは38回目を終えました。参加者が減っているので少しさびしいですが、一日ゆったりと、ふだんの学校とはちがう本当におもしろい授業を体験するファンは確実につながっている気がします。参加された方はぜひそのおもしろさを伝えてください。
 その評判が青森まで飛び、9月に招待されました。 ただ私の講座は高学年の「ものづくり」に限定されてからなかなか脱却できませんが、高学年になったら参加できると楽しみにしている方もいるそうなので、あえてマンネリパターンにしています。今回のメニューは「カード織り」。これの最初の試みは三十数年前。先日の「ものづくり講座」で紹介したら、当時勤めていた学校の方がおり、その残骸が残っていたそうです。学校もなかなか捨てたものではないですね。講座のために当時の実践を整理していたら、最初のこの学校でほとんどの「ものづくり」を試みていたことを思い出し、若いってすごいなと自分のことながら感心しました。
 さて、その後改良したこのカード織り、ひろばでも紹介しますので、来月予定をお知らせします。「ひろばでささやかなものづくり」というパターンもアパートひろばの思い出のひとつ。復活へのステップになればと思います。
 先月は偶然ダブルのものづくりがあり、まず久しぶりに見えた原田さんから、新聞紙とトイレットペーパーの芯を使った飛び出すロケットやスキージャンプおもちゃの紹介。その後は天白プレーパークにお勤めの田上さんに「フェルト遊び」を教えてもらいました。カラフルな羊毛でまんまるボールやコースターづくり。職場でもすぐできそうです。
 4月の市原さんに続いて、ひろばもにぎやかになってきました。すべて飛び入りメニューなので、偶然出会った方はラッキーなチャンスにぜひ参加してください。

◇先月紹介し忘れてしまった映画が『てぃだかんかん』。ナイナイの岡村隆史主演で何と珊瑚の養殖を初めて成功させた実話の映画化です。無謀とも言える試みをやさしく強く励ます妻の支え。沖縄のまったりとした風土に流れる、でもそばにある自然を大事にしたいと願う気持ち、それを形にしてしまう大きな力を感じました。結局沖縄の声に答えることのなかった前首相にもぜひ見てほしかったです。

◇『春との旅』は頑固な老人と孫娘との珍?道中。自分の引き取り手を探して親類縁者を尋ね歩くが過去の軋轢もほじくり出され、孤独に追い込まれる老人。そばで見つめる春。やがて春の過去にも触れるうち、二人の距離が縮まります。いろいろ深く考えさせられる傑作です。(名演小劇場で公開中) ◇なつかしの映画は『エデンの東』。あのジェームス・ディーンの名作。見る前から主題歌が頭の中に流れていましたが、ストーリーはうろ覚えでした。父と息子との葛藤とすれ違い、そこに別れた母親の存在がからみ、記憶を取り戻しつつ、じっくり見直したかいがありました。

◇映画の話題が続きます。映画化は無理だろうと思われた『告白』はみごとな構成でした。娘を教え子に殺されると言う設定自体ものすごくつらい状況ですが、小説の展開にはすぐひきこまれてしまいます。それを裏切らない映像に拍手です。

◇『光とともに』の最終卷が出ました。まだまだ続くことを期待していましたが、作者の戸部さんの早すぎる別れのため、最終章はラフスケッチになっています。でも、それを読み取ると光の存在をまわりの家族がしっかり受け止めていることが分かり安心できます。家族の支え、その家族を支える輪、人のつながりこそ障がいを解決する唯一の手段だと分かります。

◇手塚治虫ファンのために1000ページの分厚い漫画本を紹介します。良作のコレクションですが、 手塚漫画の真髄に触れられます。

◇『きりこについて』は初めて読んだ西加奈子の作品。ひろばですすめられましたが、何と修学旅行の付き添い中に読破しました。ブスと露骨に呼ばれたきりこが少しずつ自分を自分として取り戻すと言うか、自分らしさを見つけていく過程がとてもていねいに描かれています。女の子の気持ちが少し分かった気がするのは早計かな。

◇今月の新着おもちゃです。「帽子とりゲーム」という古典的なボードゲームです。ダイヤモンドゲームに似たボードですが、駒を進めながら相手の帽子をゲットしていくかけひきゲームです。カードゲームのおまけもついています。

◆たのしいイベントを紹介します。《おもちゃばこフォーラム》をご存知ですか。東京方面、京都などではすでに二十年以上の実績がありますが、今年名古屋ではじめて開かれることになりました。4月に見えた市原千明さんも常連のひとりですが、名古屋の企画を同封しました。発起人は用寛さんシリーズやお話迷路で有名な杉山亮さん。おもちゃづくりあり、トークショウありと盛りだくさんの一日です。会場もひろばの近くですので、ぜひお出かけください。私も組み立て動物をキットにして商売をやってきます。

◆ひろばの後は、また銀座に出かけアートイ展に参加してきます。竜宮城を展示しますが、積み木風に積んだだけなので、何回倒れるかスタッフを悩ましそうです。

◎おたずね  「はしご消防車」がしばらく迷子です。どこかのお家に無断駐車していましたら、お知らせください。

■新聞記事から 元上野動物園園長 中川志郎さん ・・ヒトの幸福は共感することです。・・ヒトを含め群れをつくる動物は、同類と一緒にいる時が一番幸せです。親子、親友、恋人との心が通いあったコミュニケーションができた時です。「あの人もこの月を見ているかな」って思っていた時に、向こうから連絡がきて「月がきれいだから見てみてよ」と言われたら心がすごく温かくなるでしょう。・・  コミュニケーション能力が低下し、そういう最も幸福な状況に恐ろしくて入っていけない焦燥感が、さまざまな事件を生んでいるように思えてなりません。・・・・  この記事に共感したので、「中川志郎の子育て論」を購入しました。中身の紹介は来月の通信で。

  ◆◆7月の予定◆◆  ひろば 18日(日)・工房10日(土)