ひろば通信 11-11      

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   2011年11月3日(木)

◇久しぶりに山に登ってきました。退職後の楽しみのひとつに登山がありましたが、結局夏にも行けずようやく実現。行き先は長野の木曾駒ヶ岳。標高は3000m近くあるのですが、ロープウェイを利用すれば、かなり上まで運んでくれるので初心者向き。でも一応「百名山」にも入っています。
 二度目の挑戦で今度は天気も上々。見晴らしのいい出発点で、まずは腹ごしらえ。コンロを持ち出してフリーズドライの山菜ご飯づくり。これをやりたいために出かけたようなものでしたが、失敗は15分も蒸らすのを待つこと。汁物を先に飲んでしまい、 なかなか山料理の要領がつかめませんでした。  気を取り直していざ登り始めましたが、初心者向きとはとんでもない。最初の登りのきついこと。これでも屋久島の宮之浦岳や富士山も制覇したこともあるのに、バテバテでほとんど四つんばい状態でした。
 森林浴を期待していたのですが、この標高では低い松ばかりで、相手は花崗岩だらけ。大きな岩の温もりに癒されてきました。
 登り切ったご褒美でしょうか、頂上の見晴らしは絶景でした。うっすらとした秋の雲の下にアルプス連峰が360度見渡せます。ここで入れたコーピーのおいしかったこと。意気揚々と下りながら、すでに次の挑戦に気持ちが高ぶっていました。バスに遅刻するという番狂わせ以外は大満足な一日でした。

◇登山往きの高速バスの中では「コルトレーン」(岩波新書)の本にはまり込んでいました。学生時代、ジャズをよく聞くようになり、いちばん惹かれていた人物でしたが、改めて彼の人生と合わせてレコードを聞いてみると、演奏の深みがさらに感じられました。日本各地で演奏旅行した翌年、享年何と40歳。広島、長崎では献花もし、その姿勢は黒人としての人権だけでなく、人類としての平和思想を慮っていたことが分かりました。
 彼がハイスクール時代、最初に覚えた楽器がアルトホルン。実は私も中学時代のブラスバンド部でこの楽器を吹いており、それだけでうれしくなってしまいました。

◇楽器と言えば、この頃またギターを練習しています。職場の学校の学芸会が間近なためですが、確か高校か浪人時代に姉からもらったクラシックギターがまだ健在で、自分の持ち物では最も長生きくんかもしれません。その頃はフォークソングブームで大概の若者がギターをいじっていましたが、私はただの真似っこ。それにしてはよく練習していました。おかげで、支援学級を担任した時はピアノの代わりに歌の伴奏に使っていました。夢中になったことはどこかで役立つものですね。

◇長生きくんはまだ他にもあります。第二位はたぶん、コーヒーミルでしょう。結婚前に購入した、当時としては結構高価だったと思いますが、イギリス製のスポングという名称のミルで、その後30年以上毎朝働いています。ちなみに豆はなぜか「キリマンジェロ」という銘柄に決めています。
 それに続くのは今通勤に使っているクロスバイクの自転車。走行距離はおそらく3万km近くになります。故障したらすぐ新車に買い換えるつもりが、まだまだ使えると逆に太鼓判を押されてしまいました。愛用の糸のこと同様すでに製産されていない機種ですが、この国のものづくりの堅実さを象徴しているようです。海外にものづくりの場を発注してしまっている現状をどんな気持ちで見ているのでしょうね。

◇わが家では黒猫くんも長生きです。長女が高校生の頃道端で拾ってきた小さな子猫でしたが、育てたのは連れ合いさん。引っ越しが難しいと心配しましたが、何のすぐ新居にもなれ、最近では新しい工房も勝手に網戸を開けて居心地のいい場所を探しています。夏にはひんやりしたひろばの一角も昼寝の場所になり、あれほどいやがっていた子どもの声にも平気。困るのは私を餌係に決めているらしく、姿を見せる度にねだること。朝は早くから枕元に居座って起きるのを待っています。しまいには腕の中におしりを押し込んできますから、ご主人様とは思っていないのでしょうね。
 ひろばに来る子どもたちもネコを目当ての子もいますが、もうかなりおじいさんネコなのでやさしくしてあげてね。名前はミュー。拾われた頃そんな声でいつも泣いていましたから。

◇今月紹介するおもちゃは蓮谷さんという滋賀の作家のからくり作品です。秋に行われた丹波のクラフト展で二度目のグランプリを取られましたが、そのからくりの動きに思わずうっとり。ユーモアもあり心憎いばかりです。思わずカタログから写真の作品を注文してしまいました。じっくり楽しんでみて下さい。同じく丹波のイベントで購入した青木宏子さん作のカタツムリくんもかわいい動きで坂道をくだりますよ。

◇アップルのコンピュータにこだわったのはいつ頃からだったでしょうか。ワープロが広まり、そのうち徐々に周囲はパソコンに乗り換えだし、その頃はほとんどウィンドウズの天下。アップルを使っている仲間に会うと、それだけで親近感を持ってしまいました。デザインのセンス、リンゴマーク、親しみやすさ、それ以上に少数派だったことが大きいかもしれません。それがいつの間にかすっかり市民権を得てポピュラーに。ジョブスさんも満足な気持ちで召されたかもしれませんが、緊急出版された彼の伝記を読んでいると、まだまだやり残したアイデアがあり、天国で歯がゆい想いをしてそうです。天才は後ろを見ないのですね。

◇この年になると誕生日が来ても大してうれしくないのですが、今年はかわいいプレゼントがあり、いい記念日でした。職場の子どもたちがパソコンで作ったカレンダーです。画像ソフトを上手に使い、でもその子らしい図柄に脱帽です。

◇先月の連休には岡山からアーちゃんがお泊まり合宿。工房の日だったので、ちゃっかりまざって糸のこ工作。もうひとりで切れるつもりになっているところがこわいですね。
 翌日は東山動物園でボート乗りを楽しんだ後、工房のウッドデッキで七輪バーベキュー。こんがり焼けたソーセージがあっという間になくなりました。ポップコーンづくりも楽しみ、ものづくり工房として本当にいい場所ができたと再確認しました。
 寝しなに読んであげた「おじさんのかさ」(さのようこ作)をいたくおもしろがっていました。

◇鈴木敏夫さんがこれまでのジブリ作品を巡り、宮崎駿監督とのやりとりや映画作成までのやりくりをまとめた「ジブリの哲学」(岩波書店)はジブリファンだけでなく映画通の方にも必読本です。日曜夜放送の「ジブリ汗まみれ」(11:00よりFM AICHI他)と合わせてお楽しみください。

◇小川洋子の超現実的な世界にはいつも妙に惹かれてしまいます。古本で手に取った文庫本「密やかな結晶」も、少しずつ島の住民の記憶が消されていくというおもしろい設定。静かなラストが印象的でした。

◇中田大地くんが小学2年生のときに出した「ぼくアスペルガーかもしれない」(花風社)はいろいろな意味で衝撃的で教訓的だったのですが、その続編が出版されました。3年生になり支援学級での生活と交流の中で自分の「修行」を親やいろいろな立場の先生から支えられ、「診断」も家族で冷静に受け止めていく、その自己分析の過程が詳細に綴られています。光くんのファンだったという彼の行く末がものすごく楽しみです。 「僕たちは発達しているよ」(同)

◇第42回一日おもしろ学校ごっこの受付が始まっています。工作あり、医学の話があり、哲学に料理と普通の学校ではまず受けられないおもしろい授業が小学生を待っています。ぜひ参加ください。    12月10日(土) 名古屋市女性会館

◇来月のお知らせですが、ハロウィーンに続いて工房での「特別糸のこ教室」を企画しています。小黒三郎さんデザインのクリスマスと干支の組み木を作ります。時間をゆっくりかけて楽しんで下さい。    12月17日(土)PM 1:00〜4:00

◆◆11月の予定◆◆  ○ひろば 6日(日) ・19日(土)  ○工房 5日(土)・13日(日)
      

         (12月の予定 ひろば 4日&18日 工房 3日&17日)