ひろば通信 11-12      

・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986  
・Email toyhiroba@sa2.so-net.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2011年12月2日(金)

  ◆◆今月の予定◆◆ ○ひろば 4日(日) ・18日(日)  
      ○工房3日(土)・特別教室17日(土)
要予約

◇鹿児島旅行に行ってきました。新大阪で九州新幹線の「さくら」に乗り換えましたが、期待したほどのリラックスさはありませんでした。それでも三日間天候に恵まれ、雄大な桜島を抱く薩摩の風景を堪能してきました。
 指宿(いぶすき)では「砂蒸し」を味わい、高温嫌いの私だけそそくさと先に出てしまいました。形のいい開聞岳を眺めつつ、名所巡り。土地の方に案内してもらったのでとてもスムースでした。衝撃的だったのは特攻隊の発進跡地。散っていった兵士の写真と遺書がずらり。まともに読んでいられない文面も多々ありました。なんて言う馬鹿げた作戦を立てたのか、当時の異常さが異常と言えなかった戦争の恐さを改めて感じました。

◇最終日に行った蒲生(かもう)の大楠(写真)は、ものすごいインパクトがありました。数年前、屋久島の縄文杉にたどり着いた時もジーンと来ましたが、ここの楠はそれを越えるものがありました。さすが日本一の巨樹と言われるだけあります。樹齢は1500年ほどですが、どこから眺めても精霊が宿っているような気配を感じます。佇んでいるだけで体の芯までパワーをもらったような気がしました。
 おいしい焼酎を自分へのおみやげにたまの旅行もいいもんだとほろ酔いで名古屋に帰りました。

◇まもなく年末。5月にオープンした新しい工房とひろばもようやく軌道に乗ってきました。両方とも月二回にしたせいか、人数も適当に散らばり、さらにゆったりした空間になった気がします。すわる場もなかったときがなつかしいですが、ときには一家族で独占の日もあり、これからもアットホームに徹したいと思います。
 工房では常連さんと新人さんが上手に交流。つぎはこれを作りたいなといい刺激し合いになっています。最近感心したのは、前に雑誌に載せた私の「ピンアート」の作品をもっと遊びやすく改良した方。これから自分も以前の作品を整理しようと思っていたところなので、とても勉強になりました。
 先月はかわいい花嫁さんも登場。中学時代工房の常連だった子が、めでたくゴールイン。彼を同伴して式場の飾りづくり。ほほえましくてつい時間延長してしまいました。
 二人は工学部出身でしたので、スロープ人形のメンテナンス(坂道を斜めにすると動く)のヒントをもらいました。位置エネルギーがどうのと難しい分析をしていましたが、要するに摩擦の問題と言うことで、坂道と底足両方をざらつかせてみたところばっちり回復。サンドペーパーもこんな使い方があるのですね。

◇職場では学芸会が感動的でした。これまでクラスでは何度も挑戦してきましたが、助っ人という立場でしたので、まさに黒幕の役。子どもたちは自分の役を決めるところから、徐々に少しずつ劇の中に入り出し、劇に流れる音楽が教室の中でも癒しのBGMになっていました。そんな雰囲気そのままに本番を迎え、みごとな出来。 タイトルの「てぶくろ」もかつての組み木作品とつながり、いい記念になりました。

◇草木染めをやり直しています。手始めに簡単なタマネギの皮から液を取り、毛糸を染めました。工房に置いてある「高機」の織り機がしばらく放置されていましたので、たて糸も用意しました。そこにいろいろな草木で染めた毛糸を通し長いテーブルマットを織る予定。次は山崎川で集めた桜の落ち葉で染め、媒染も庭の椿を燃した灰とかなり手づくりに徹した作品ができそうです。織ってみたい方は工房やひろばの日に挑戦してみて下さい。(準備は来年になるかも)

◇なぜかこの時期に「仏像」をモデルにした組み木作品をデザインしています。きっかけはよく分からず、お地蔵様みたいなものがそばにあったらなと思い、パラパラと写真集などをめくるうちに描き進んでいます。とてもシンプルな作品ばかりですが、切っていても厳かな気持ちになり、気持ちの切り替えにもいいかもしれません。しばらくどんな方向に行くか楽しみながら続けてみます。

◇アナログに徹しようと思っていた工房でも、ついインターネットにつなげたくて、無線LANのルーターをつないだら、何とかひろばからの無線を拾ってくれました。意気揚々と検索に使おうと思いきや、ほとんど手元の本で足り、もっぱらネットラジオにつないで利用。だったら普通のラジオで充分ですよね。

◇安野光雅さんの本がいくつかそろいました。まず夏の展示会で見つけたのは「マッチうりのクリスマス」(安野光雅美術館)ふしぎなタネがマッチになるという安野ワールドのすてきな小品。もうひとつは「シンデレラ」(世界文化社)の絵本。ごく普通の展開と思いきや、各ページに魔法使いがかくれている安野さんらしいしかけ付きでした。 
 そして最新刊は「絵のある自伝」(文芸春秋)。ふんだんに描かれた挿し絵も楽しい自伝ですが、彼の記録力、記憶力はすごいですね。

◇重松清の「ポニーテール」(新潮社)も紹介します。父親の再婚にともない異母兄弟になった二人の姉妹の成長と葛藤が静かに展開していきます。年頃の女の子の心理を上手に描くものですね。

◇さて、今月はクリスマス月間。何をおみやげプレゼントにするかは当日のお楽しみにしておいて下さい。
 新着おもちゃはザーガランド(物語の登場人物などを探すボードゲーム)のミニ版、新しいボードゲームは「ココシュニップ」、トーテムサンタ、オセロゲームの革命版(板が回転するので逆転もたびたび)、しかけえほんの「あかまるちゃん」と盛りだくさん。いつもは来月まで貸し出しはお預けですが、冬休みも遊んでほしいので、後半の18日には貸し出します。他のおもちゃもお一人三点までどうぞ。

◇工房特別糸のこ教室のお知らせ ただいま募集中 !!
・日にち 12月17日(土)
・午前の部 10:00〜12:00 初心者入門編   はじめての方どうぞ 小3以上
・午後の部 1:00〜4:00 サンタ・干支組み木    小黒三郎デザインのシリーズに挑戦    色づけも可。経験者対象。

◇一日おもしろ学校ごっこも募集中。低学年、高学年どちらも後わずかに余裕があります。

◆1月の予定    ひろば 8日&21日 工房 14日&28日

PS.いろいろあった2011年。すべてを洗い流すようなパワーは夢物語のようです。ひとりひとりがこの現実を謙虚に受け止めればブータンのような幸福国に近づけるかも。皆さんよいお年を。