ひろば通信 12-02             

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   2012年2月2日(木)

◇一年で最も寒い時期になりました。職場ではインフルエンザが流行し、授業中もマスク姿が常習。春はまだまだ先ですが、逆に暖かくなれば花粉症でまたまたマスク。さらに放射能の心配もあり、息苦しい世の中になってしまいました。
 環境の変化に鈍い私は、木のおもちゃに目覚めて以来、糸のこを駆使して二十数年、木の粉をたくさん吸い続けています。さぞ肺の中に貯まっていると思いますが、その変調は今のところなし。たぶん、免疫とか耐性がうまくいっているのでしょうが、子どもたちにも除菌だけでなくウィルスを跳ね飛ばすような「わんぱくパワー」を与えたいものですね。

◇久しぶりに岡山でアーちゃんと三日間を過ごしてきました。学童へお迎えに行き、荷物いっぱいの姿を見て、どこも同じだなと同情。渋々の宿題につきあった後、遅れた誕生日プレゼント渡し。できたてのピノッキオ人形です。鼻の伸びるところがミソですが、手足の関節も少し複雑にしたのでいろいろなポーズが楽しめ、気に入ってもらえました。  
  彼女の部屋には七年間贈り続けた木の作品がずらりと並んでいるので、まるでひろばが引っ越してきたような空間にも見えます。でもなぜかおろおろしてしまう気持ちは何なのでしょうね。
 一通り相手した後、折り紙でもやろうかと提案したところ、これまでほとんど折り紙遊びをいっしょにしたことが無いことに気づきました。そういえば彼女が生まれてこの方、新しい木のおもちゃのきっかけにしようと作り続け、贈り続けてきたので、まさか10代20代の私の趣味がずっと創作折り紙だったことは、触れずじまい。またひとつ新しい手技を披露できました。

◇正月の小田原での展示会を見に行きました。「こころ」というテーマで何と60人くらいのアーティストが出品。私も顔の作品と仏像を出したのですが、買って下さった方がいてびっくり。
 その画廊で静かに作品を見ているとき、頭の中まで静かになっている事に気づきました。何の邪念もなく、静かな気持ちで見ている自分に気づきました。前なら、技法やテクニック、あるいは値段などいろいろ邪推しながら見ていた気がしますが、とても素直を気持ちで作品に対していました。この心境の変化、大事にしたいものです。

◇小田原の帰り、静岡に途中下車して「百町森」に寄ってきました。ほとんど毎月のようにネットでひろば用のおもちゃを注文しているお店ですが、訪ねるのは数年ぶり。このお店、とにかく豊富な品揃えで、棚の上から下までぎっしり商品が詰まっています。この風景、ひろばの棚とも共通している面があり、ちょっぴりうれしくなりました。テレビでいっしょさせていただいた相沢さんにも会え、近々名古屋で楽しいイベントを計画中だそうです。

◇糸のこが生きています。職場のクラスでは支援学級の教育展にむけて、コースターづくりに挑戦。それぞれオリジナルの絵を糸のこで切り出し、コースターに構成。おっかなびっくりの作業でしたが、とても味のある作品になりました。子どもの絵にはかないません。
 子どもに手を添えて、糸のこを操作しているとくすのき時代を思い出しますが、Mくんに続いて、くすのきOBの訪問。やはり一生懸命組み木を作っていきました。すっかり社会人になり一安心ですが、自分の手で作品を作る事で生活に潤いができればと願っています。

◇ひろばで紹介してもらった「獣の奏者」(上橋菜穂子著)にすっかりハマってしまいました。全四巻のうち前半二巻が講談社文庫になっているので、すぐ購入。しばらく小説の読書が続いていたので、たまにはファンタジーもいいかなと軽い気持ちで読み始めましたが、何の何のすごい展開にハラハラドキドキ。風の谷のナウシカやゲド戦記にもつながる内容で、はじめて読み終わるのがもったいないという心境になってしまいました。
 これがすでにアニメ(タイトル「獣の奏者エリン」教育テレビ月曜夜放映)になっている事も知り、再放送を見ながら大事に大事に読み進めています。

◇中田大地くんが、三冊目の本を出しました。タイトルは「僕は、社会(みんな)の中で生きる」(花風社)
ものすごい子ですね。尊敬します。
 この本には彼が学校という社会で自分らしく生きるアイテムがぎっしりつまっています。なるほどと思う事ばかりのこの本は関係する大人たちに大きなプレゼントになっています。
 中学を見据えて「覚悟」を綴る言葉はもう充分に大人です。ちょっと早すぎる決意を応援しながらも、あせることないよと声をかけたくなります。
 でも、彼のおかあさんが語っているように「大地の人生は大地が決めなさい」という姿勢の家族に囲まれている彼は本当に幸せ者かもしれません。

◇仏像が十三体になりました。こんどは姿の恐い仁王様をイメージして組み木にしてみました。前にも書いたようにこの作品は製図と糸のこの技術が試されるのでけっこう緊張しますが、素になれる気がするので、いい鍛錬の時間かもしれません。
 その技術を生かそうと、またクラス用の教材を考えてみました。単純な形はめ具ではつまらないので、それぞれを独楽にして、どこの向きでも入るようにていねいに切ったつもりですが、やはり完璧ではありませんでした。まだまだですね。

◇先月のひろばで紹介した新しい絵本が「まるまるまるのほん」です。谷川俊太郎訳で、絵の中のまるをおしたり、本をゆすったりして遊べる絵本で、いままでありそうでなかったとても素朴で新鮮なセンスに感心しました。
 もうひとつ安野光雅の赤ちゃん絵本三冊も追加しました。「いないいないばあ」「にこにこかぼちゃ」「おめん」とさすがの安野ワールドです。

◇新着おもちゃは、百町森で直接探してきました。小さいですが、「魔法のラビリンスのカードゲーム」とボードゲーム入門用の「ならびっこ」2才くらいから楽しめそうです。 もうひとつおまけに競技用の「けん玉」も購入しました。自信のある子に披露してほしいな。
 そういえば誰でも廻せるという「皿回し」や「中国ごま」もそろえてあります。技ものにもぜひチャレンジして下さい。

PSしばらくもどって来ていないおもちゃが「ケルナースティック」楽しまれていると思いますが、そろそろ交代して下さい。他でもお忘れの方がいましたらよろしくお願いします。

◇制作の合間に燻製やパン作りを楽しんでいますが、ついでにこんな調味料ラックを作ってみました。家具まで手を広げるとたいへんなことになりそうですが、あくまでも糸のこ工作の延長で楽しんでいきます。あなたもどうですか。       

 ◆◆3月の予定◆◆  ひろば4日&18日 工房 10日&31日