ひろば通信 12-07             

・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986  
・Email toyhiroba@sa2.so-net.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2012年6月28日(木)

 ◆◆7月の予定◆◆
・ひろば 1日(日)・16日(月) ・工房  21日(土)
Aおもちゃばこフォーラムin名古屋 15日(日)
Bアートピア子どもワークショップフェスティバル  30日(月)

◇梅雨らしい日々が続きます。先日は晴れ間をぬっての梅もぎ。剪定をしながらの強行軍でしたが、大収穫。普通収穫は隔年と聞いていたので、今年は期待しなかったのですが、大きな実がどっさり。それに昨年は収穫した先から虫にやられて、みるみる黒ずんできてたくさん処分するはめに。ところが、今年は黄ばむまで待っていたのに、それほど落下もせず、実も大きくて虫にもやられていません。つれが言うには、月に何回も七輪を持ち出しては燻製づくりや焼き鳥を焼いていたので、その煙がいぶしになって、虫も逃げていったのではと分析。さもありなん。思わぬ効果でした。ヤブ蚊にも効くといいのですが。そして、本日も手づくりハムをいぶし、スモークチーズも作っております

◇さて、さっそく梅干しを3キロ漬けてみました。一晩水に浸したあと、塩と焼酎をまぶし、重しを乗せて酢が上がるのを待ちます。その酢と赤シソを混ぜたときの紅色が楽しみです。残りは梅シロップに。こちらは竹串でニキビ穴をあけた後砂糖と混ぜておくだけ。夏の清涼飲料水にいつかご相伴を。この作業も毎年のようにクラスで試みてきた代表的な「ものづくり」のひとつ。 振り返る年月になってしまいました。

◇今年の非常勤の仕事は、クラスからはみ出した子たちへのフォロー。相手をしつつ、どうやってクラスの中に収めるか。みんなといっしょにできない訳はそれぞれ。まずはその訳をさぐります。勉強が分からないこともあるだろうし、もしかしたら簡単過ぎることもあるかもしれません。後ろの友だちが嫌だとか、お腹がすいているとか、理由はさまざま。大事なのは自分でその理由を表現できるかということ。そのためには、じっくり聞いてあげるよという関係づくりが先決。今はそんな関係を少しずつ太くしながら、どこで変わってくるか、その瞬間を心待ちしています。

◇その延長で、学習援助をしている子がいます。ふだん、分からない授業は寝た振りをしてやり過ごしてきた4年生。でも、生き物が好きで、ガンダムにも超詳しい子に国語算数の補充をすることになりました。聞けば2年生から、「僕は脳の病気なので苦手なことは理解できません」と自分で決めつけてきたようです。こんなに自分のことが分かっているのだから「もったいない」と、こちらは彼がつまずいているところまでさかのぼり、やりなおしの計画を立てました。
 そこで役に立ったのは、特別支援学級担任時代さんざんお世話になった算数の水道方式の考え。四角いタイルを基に、5のかたまりや10の棒をそろえ、位取りも分かりやすく用意しました。つまずいていた繰り上がり、繰り下がりの計算もこのタイル棒を操作しながらクリア。このタイル、基本は1p平方の小さな正方形で、厚さ2ミリの薄い合板を糸のこでたくさん切ったもの。ついでに100のタイルも用意して、3桁の理解につなげました。木の感触がよかったのか、自分で1000のタイルを作り出し、では1万タイルはと、長さ1メートル四方になるタイルをどうするか悩みました。1000のタイル(10p×1m)も方眼紙を使い、巻物のように小さくまとまるようにしたのですが、1万のタイルの方眼紙は、整理中のこれまで制作してきたおもちゃの図面から不要なものを継ぎ合わせて作りました。図面の入ったままの大きなタイル。その1万タイルが10集まると云々、と大きな数への空想旅行が始まります。最終点の1億タイルは100メートル平方になることにちょっとした感動を覚えました。
 その後はわけ分かんないというリットル、デシリットルの勉強。これは実物を作るしかないと、工作用紙で一辺10センチの立方体を作り、これが1リットルの升で、牛乳パック一本分の水がちょうど入ることを証明しようと箱にビニール袋を敷き詰め、ゆっくりそそいだら、ぴったり。ハイタッチで喜んでいたら、袋から水がもれたらしく、机がびしょびしょに。
 問題はデシリットルで、箱にすると5p×5p×4pになります。それが10個入れば1?=10?になるのですが、そうはうまくいきません。この続きは来月号で。

◇銀座でのアートイ展も今年で9回になりました。テーマを迫られる数少ないイベントですが、毎回何とかこじつけてきました。今年も「希望」に合わせて「ピノッキオの冒険」からクジラ(原作ではサメ)のお腹からゼベットじいさんといっしょに脱出する作品を展示しました。イカダの底にセットしたホバークラフトのしかけを使うと、たまに成功するのですが、会場に行ってみたら、100%成功させる名人がいました。この子はこの展示会の常連で、小学生のときから作家の親ごさんといっしょに参加。今は中学生ですが、いつも展示作品のしかけを分析し、自分のものにしています。今回もお客さんが来る度に彼に助けてもらいました。
 この展示会のもうひとつの楽しみは同窓会。小学校時代から東京にいたので、向こうの知り合いを何人も誘います。今回は何と小中高、大学と全部の友人がそろいました。中でもなつかしかったのは、大学の先輩で当時養護学校に勤めていたSさん。卒業間際、行き先が定まらずぶらぶらしたまま、ふと先輩を訪ねて職場を見せてもらいました。そのとき今の自分の道を決めてしまったのです。Sさんは未だに障害者の施設に係わっているそうですが、人の出会いってすてきですね。

◇六地蔵もとても評判がよくうれしくなりました。やはりモデルの子どもたちとの純真な関係が背景にあるので、どこか惹かれるものがあるのかもしれません。何も苦もなく描けたのもそれを物語っています。その延長で「道祖神」を作りました。夏の新潟でのイベントのテーマが「たがいに」(新潟の逆読み)。いろんないわれがあるそうですが、男と女が寄り添い、旅人を見守る存在らしく、わが家のイメージとはほど遠いので困りましたが、とりあえず三体作ってみました。いかがでしょう。

◇庭の剪定の合間に今年は種取りを楽しんでいます。きれいに咲かせた後、普通は花摘みをしてしまうのですが、少し残して種ができるのを待ち、収穫しています。吹けば飛ぶよな小さな種ばかりですが、いろんな形がありそれを比べるのも楽しいですね。

◇図面を整理しながら、昔の作品を振り返っています。小黒さんの組み木から抜け出そうとあがきながら、描きまくっていた初期の頃、まとまった作品のひとつが「なかよしはこぶね号」。古い児童机の天板一枚を使い、はこぶねの中に小さな動物たちをぎっしり並べた作品です。材料が合板の天板というのも象徴的ですが、自分でも残しておきたい作品と思い、手直しして今工房に展示してあります。

■イベント紹介
・おもちゃばこフォーラムinなごや 7月15日   
昨年100人以上を集めて初めて開かれたイベントの続編です。京都などでは20年以上続いているフォーラムですが、この地にも根付くことを願っています。ゲストをお楽しみに。私もびゅんびゅんごまを用意して 参加します。
・アートピア子どもワークショップフェスティバル  7月30日   
4回目になりますが、今回は講座の数が増え、複数  参加もできますよ。私はおもしろ学校でやったキューブづくりですが、もういちどやりたい子もぜひどうぞ。  

CM 

[無料ダウンロード冊子]子育てママを応援します! 〜子育てストレスを減らす3つのヒント〜

(http://www.e-club.jp/category/adhd/adhd_download)  印刷本も購入したのでご覧ください。

●8月はやはり工房もひろばも「夏休み」にします。 また9月にお会いしましょう。