ひろば通信 12-08      
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   2012年8月12日(日)

 ◆◆9月の予定◆◆ ○ひろば 2日(日)・16日(日)
          
○工房  8日(土)AMのみ・22日(土)

◇夏のイベントの前に、せっかくの夏休みなので(と言っても今は休みの多い日々ですが)まずは足慣らし? 今回は乗鞍岳へ。スカイラインのコースをバスでたどり着くと、そこは天然のクーラーがよく効いていました。半袖、短パンを後悔しながら、いざ出発。途中山ガール集団と抜きつ抜かれつでようよう頂上へ。雲を下に見ながら、アルプス連峰を背にその山ガールと記念写真。バス待ちの合間に歩いた花畑も高山植物がかわいく咲いており、目の肥やしになりました。

◇夏の読書は漫画のまとめ読みから。「光とともに」をはじめ、発達障害をテーマにした作品がいくつかひろばにそろっていましたが、じっくり読んでなかったので、一通り目を通しました。どの作品も作者のていねいな取材の足跡を感じました。
 「のんちゃんのてのひら」は10巻で完結。ダウン症ののんちゃんの成長にこれまで出会ったクラスの子たちがダブり、思い出とともに学校生活の大事さを改めて感じました。
 「おなかまるだしっこちゃん」は「光くん」に代わって、ずっと続いてほしいシリーズ。「プロチチ」は子育てを通して成長する発達障害を抱えた父親の物語。つい応援したくなります。子育てと言えば、「ぽっかぽか」の続編が出ました。この夫婦の物語には本当にほのぼのします。
 そのついでに「風の谷のナウシカ」の原作も読み直しました。腐海はいやおうなく、放射能で汚れた大地を連想させますが、腐海をよみがえらせるナウシカの役は誰が担うのでしょうか。獣の奏者のエリンや守り人のバルサにも圧倒されましたが、全巻読み直すと、ナウシカのすごさは尋常ではありません。すべての生きとし生けるものとの共生を求める究極の救世主なのですね。そして、なぜか三人とも女性ばかり・・・。

◇さてこの読書タイム、どこで読むかが問題。エアコンを使わず、快適に過ごせるところはありました。そう地下のひろばです。外で30度を超す猛暑でも28度をキープ。ここにも天然のクーラーが入っていました。そして座り心地のいいイスも作り、夏の読書を楽しんでいます。

◇まずは夏のイベントが二つ終わりました。ナディアパークでのワークショップは、今年2回目のキューブパズル。おまけにタングラムも作り、子どもたちはパズルづけで夏休みには最適のメニューでした。南図書館でははじめて「六地蔵」のワークショップ。毎年のイベントなので毎回メニューに苦労しますが、前評判も上々でワークショップのネタが一つ増えました。

◇夏休み前半のもうひとつ大きなイベントは「アーちゃん合宿」。小学2年生になった孫のアーちゃんを5日間預かりました。地下のひろばと新しくできた「工房」をこよなく愛している彼女には、ここはとても落ち着く場所のようです。早朝の公園散歩は小さいときから続いていますが、気がつくと水まきに始まる私の1日に普通に収まっているのが、とても不思議でした。その証拠に作りかけの作品「おもちゃのチャチャチャ」セットも合宿の間にできあがってしまいましたから。
 この合宿で挑戦したかったのが山登り。二人の娘たちを幼児のときからよく連れて行った御在所岳にぜひいっしょに登りたかったのです。その当時は山頂にカモシカセンターがあり、私の作品置き場にもなっていた関係で、年に数回は出かけるなじみの山でした。一時集中豪雨のために山小屋や山道がくずれたというニュースが流れましたが、それも回復したとのことで、今回思い切ってチャレンジしました。新しい運動靴も買いそろえ、手ぶらで登ると言う条件なので、本人はルンルン。はじめてのことでも自信満々な態度がこの子の持ち味。ただ、いったんくずれるとなかなか立ち直れないので、ころばぬ先の杖が必要。娘の時はそんなこと考えもせず、好きなように挑戦させていたのですが、孫だとついよけいな気を使ってしまいます。小さなアブにもびびる道程に先行き不安でしたが、岩場になると俄然張り切り、かなりゴールも見えてきました。突然の雨にも出会いましたが、初めてで2時間半の道のりを登り切れた根性は孫ながら見上げたものでした。

◇翌日は岡山にもどるついでに、大阪で人形劇鑑賞。名古屋では「むすび座」という劇団が有名で、娘たちをよく連れて行きましたが、彼女にははじめての経験。しかも海外の劇団で吹き替えなし。絶対飽きるかと思いきや、意外と気に入り、よぶんにもう一本見てしまいました。それがスペインの劇団で「グイグイ」と言うワニの子どもがあひるに育てられる物語。「あらしの夜に」のオオカミとヤギや「北極のムーシカミーシカ」の北極グマとアザラシの関係と同じ設定。生き物の生態としては矛盾に満ちながらも、関係・結びつきを優先する話には惹かれるものがあります。その後アーちゃんと見た「おおかみこども雨と雪」にも通じる内容でした。

◇「サマーウォーズ」でその迫力に圧倒された細田守監督がこの物語をどんなアニメにアレンジしたか楽しみでしたが、「おおかみこども」はファミリーで充分楽しめる内容でした。おおかみおとこに惹かれ、結局ひとりで子育てするおかあさんのがんばりすぎにちょっと同情してしまいましたが、ふたりのおおかみこどもが自分の生き方を見つけていくことで救われました。

◇アーちゃんに手伝ってもらいながら作った「おもちゃのチャチャチャ」は、しばらく眠っていた作品。これまでの作品を洗い直しているうちに、残しておこうと思ったものです。歌に合わせて出てくる「鉛の兵隊」や「フランス人形」らをおもちゃ箱に収めたものですが、歌に合わせたパフォーマンスが必要ですね。 前に作った歌の作品はもうひとつあります。ひーとり、ふーたりの「十人のインディアン」。羽根と同じ色の弓矢を持っています。これも遊ばせ方の工夫がいりそうです。

◇「メリーゴーランド」も修理しました。歯車を回すと馬が上下して回転する仕組みですが、ものすごい力がかかり、原因をさぐるうち21ミリφの木球が8個いることに。特注したら、何と一個400円。木のおもちゃは高いはずです。今南図書館に展示していますが、ひろばにもどってきましたら、ぜひその軽さを試してみて下さい。

◇新しいおもちゃが届きました。はりがねおもちゃ作家、曽我真弓さんの新作『Sun rise』。何と針金人形がのぼるのです。この人形の中にHOPEという文字がかくれていることがわかりますか。そう6月のアートイ展のテーマ「希望」に合わせた作品です。
 曽我さんとの思い出は何と言っても2003年に電気文化会館でやった「創作おもちゃフェスティバル」のイベント。会期中7000人を超す来場者があり、うれしい悲鳴の中での事務局の仕事を、ほぼ二人で分担していたのです。今はあれだけのイベントをこなす状況にはありませんが、観たこともないおもちゃに目をかがかせていた子どもたちの姿を思い出すと、仲間たちのあのおもちゃをひろば以外のどこかでもういちど披露したい気持ちがわいてきます。

◇夏休みのチャレンジのひとつはパン焼き。じっくり発酵のパンに挑戦していますが、これまでふくらみが今ひとつ。湯煎して温度管理していますが、この時期は何とそのままほったらかしでばっちりなのです。朝見るとボールからあふれそうなときもあります。焼き上がりをごらんください。中もほくほくで、自慢の種がひとつ増えました。  

皆さんもぜひ夏を楽しんで下さい。 心から残暑見舞い申し上げます