ひろば通信 12-10      
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   2012年10月2日(火)

◆◆10月の予定◆◆  
    ひろば 7日(日) 20日(土)  工房 13日(土) 27日(土)

◇ようやく、涼しさを感じるひとときが増えてきました。赤トンボもちらほら。虫の声の大合唱も心地よく聞こえてきます。ただ山好きとしては、もう少し夏山を楽しみたかったのですが、時期を逸してしまいました。

◇お彼岸を挟んでせっせと種まき、今年は収穫した自前の種も含めたので、来春を期待してしまいます。
  夏チリチリになりかけていた朝顔がようやく咲きました。この花が秋の花って知っていましたか。
 毎年お彼岸にはちゃんと咲くヒガンバナが一週間遅れ。この夏の暑さは尋常ではなかったのですね。
 この日の夜、月下美人が咲きました。何度かつぼみは見ましたが、真っ白に咲いたところは初めてなので、ちょっと感動のひとときでした。一夜限りのさびしい出会いですが、食用になると聞いたので味わってみました。

◇スティーブ・ジョブスの伝記を読み終わりました。月9ドラマのベースになっていたと言ううわさにも煽られ、休止中でしたが、一気に読み終ってしまいました。とにかくITにかける熱い思いがひしひしと伝わってきます。でももし彼とそばで日常を過ごすことになったら、かなり疲れそうな性格なようです。自分が作ったAppleを一度ほされているのもうなずけます。その彼に最後まで寄り添っていたパートナーってすごいですね。あくまでもコンピュータの使いやすさとセンスのよいデザインに最後までこだわりつづけた一生には敬服します。その読後感の勢いでiPhone5を予約してしまいました。

◇「天地明察」を見ると、プラネタリウムに行きたくなります。たぶんあの時代なら江戸の町でも充分星空を楽しめたことでしょう。しかし、天球儀はあるは、緯度経度も算術で求めてしまう彼らが今のコンピュータを見たらどんな顔をするでしょうね。

◇友人の池上さんが集大成の力作本を出されました。私とほとんど同時期に,名古屋で特別支援の仕事を続け、今に至っています。幸か不幸か同じ職場にはなりませんでしたが、会う度にいい刺激を受けていました。この仕事、どちらというと孤立しがちな立場にあり、よほど自分の言動に支えがないと迷路に迷い込んでしまう危険があります。
 私の場合はおもちゃづくりやものづくりの醍醐味を子どもたちに伝授することで支えにしていましたが、彼の場合はとにかく子どもが喜ぶ教材教具・授業を編み出すことに情熱をかけていました。そして自分もいくつかその恩恵にあやかって仕事をこなしてきました。
 今の特別支援教育の現状は私たちが自由な発想で子どもたちと向かっていた状況と、少し変わって来たようですが、彼の本を読むとそのユニークな発想の仕方の中に、子どもに合わせて自分も一緒に楽しむと言う、この仕事の根本の姿勢が伝わってきます。これからの方たちにぜひ一読を勧めます。

◇秋の連休にアーちゃんが遊びに来ていましたが、もっぱら工房&ひろばで過ごしていきました。この空間の居心地のよさをいちばんよく知っている子かもしれません。工房では友だちへのプレゼントの他に、今制作中の作品の手伝いもしてもらいました。新作のイメージがわかないので、以前から挑戦したかった「木のメカニズムおもちゃ」です。クランクやカムを生かして、いろいろな動きの基礎が学べる作品群ですが、テキストが洋書なのでインチサイズ。換算表を見ながらメートル単位に直し、計算機を使いながら図面を書き直していますので、ちょっと天地明察での算術のシーンにつながる雰囲気です。ようやく簡単な動きの三体が完成したところ。少し自分の世界が広がりそうです。

◇ひろばでアーちゃんと挑戦したのは、「キュボロ」。マニュアル本と首っ引きで、はじめてじっくり楽しみました。自分でさっさと構成する子には感心しますが、数ミリでもずれるとビー玉がうまくころがらないので、けっこうレベルの高いおもちゃであることがわかりました。そのマニュアル本を効率よく活用するために番号シールも貼りました。
 さらに今月の新着おもちゃとして、工房のご常連Mさんから、キュボロの追加パーツをいただきました。このおもちゃこそパパさんの出番かもしれません。

◇最近の読書は、ひろばのおしゃべりで進められたものが増えてきました。上橋菜穂子さんのシリーズもしかり、続いて荻原規子さんの三部作「勾玉」本も大当たりです。作者の文調になれるまで少し間がありましたが、最初の作品『空色勾玉』を読み終わると、残りをすぐ購入してしまいました。都周辺が舞台で、時代も古いことだけは分かるあいまいさが、よけいに想像力をかき立てるようです。「守り人」にも通じますが、浮遊する魂や神がかりな出来事があっても自然に思えるところが、人と自然が近い存在だった証かもしれません。
 ベストセラーの『舟を編む』も、こんな設定でよく小説になるなと不思議に思っているうちに入り込んでいました。辞書編纂の話ですが、冒頭に出てくる岩波の国語辞典は高校時代から愛用していたので、よけいにハマってしまいました。  新聞などの書評も確かに参考になりますが、こうして直に薦められる本にはずれはないようですね。それにしてもつれをはじめとして、家族で同じ本を読んでいる光景も増えてきました。さて、孫のアーちゃんはどうなるでしょう。

◇そのアーちゃんにはまだまだ絵本を読み聞かせる時期。しばらくぶりに買った絵本が2冊。
 『おこだでませんように』(小学館)おこられてばかりのわんぱく1年生のつぶやきが大人には聞こえません。こころをこめて書いた短冊でようやく気づいてもらえます。大人たち、アンテナを高くあげましょう。
 『おそばおばけ』(クレヨンハウス)谷川俊太郎の名前で手に取ってしまいました。おそばの自由で奔走な線がすてきです。

◇谷川俊太郎といえば彼の「ことばあそびうた」も自分のクラス運営の柱になるプログラムでした。ことばを教える前にことばであそぶ姿勢も伝えておきたいことのひとつです。そのとっておきの資料がDVD「詩人・谷川俊太郎」(紀伊国屋書店)本人の詩の朗読をはじめとしてライブ感をまるごと楽しめます。

◇気になる新聞記事から
・生後まもなく隔離されたラットは、脳の神経の情報伝達に異常が起きる。社会的行動に重要な役割をする「ひげ」により障害物を感知する能力が落ちていた。で、人間は・・・
・最初の脱原発の集会で、僕は「私らには本質的に大切なモラルがある」と言いました。それは次の世代が生きる社会、世界を壊さないということです。 (略)福島第1原発の事故で、そこに住めず作物をつくれぬ地域ができた。次の世代が生きることを妨害している。政治家や実業家,官僚、そして全市民に、回復させる義務があります。次世代が生きられる世界を残す,生きていく自由を妨げない。それが人間のなにより本質的、根本的なモラルです。(大江健三郎 談)
・永山元死刑囚の意志、ペルーに。
 著書の印税は「永山子ども基金」となり、南米ペルーで働く子どもたちの活動資金や学費として活用されている。(略)控訴審で永山元死刑囚を弁護した大谷弁護士は「生きることを許されたら何をしたいか」と尋ねた。永山元死刑囚は[自分と同じような子どもが生まれないよう、無知から子どもを救いたい」と答えたという。・・・
 

◆◆11月の予定◆◆   ひろば 4日(日)・ 18日(日)   工房 11日(土)・ 24日(土)  

□秋のものづくり教室   11月3日(土)    草木染めでコースター織り  
   AM・PM 各先着10人まで (申し込みはメールかFAXで)