ひろば通信 13-02      
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   2013年2月2日(土)

 

 ◆◆2月の予定◆◆  ひろば 3日(日) 16日(土)  
           
工房  9日(土) 23日(土)

      2/13〜17 ノリタケの森展示会

◇雪も時折ちらつき、まだまだ冷たさを感じる空気の中で、赤いサザンカが咲き、球根も顔を出してきました。暮れに剪定した庭木もすっきりしすぎて寒そうですが、小さな新芽が見えてきました。この時期なりの過ごし方、植物に学びたいものです。

◇毎年6月開催のアートイ展、今年のテーマ「存在」に悩みながら、物語の中からお話のイメージを引き出すという荒技で、目の前に「物語の存在」を示すことにつなげてみました。手法は組み木もどき。一枚の板の中に共有線を生かして形をつなげていく組み木の世界は自分がこの道に入るきっかけになったものづくり。小黒三郎さんのデザインをいくつも作りこの世界にのめり込んでいたあの頃を思い出します。
 とりあえず、地元のよしみで新美南吉と東北を意識して宮沢賢治の世界を材料にしてみました。今試作中ですが、いくつか紹介しますので、ご批判下さい。

◇以前声に出して読む日本語がアピールされましたが、宮沢賢治も新美南吉も、それにピッタリの作品が並んでいることに、今回改めて気づきました。ことばのリズム、語彙の新鮮さ、この洗練された作品に敬意を払いつつ、図面を起こしています。

◇最近ひろばも工房もにぎやかな時間が増えてきました。うれしいことですが、逆にゆっくりおもてなししにくくなるのが痛し痒し。苦肉の策で大掃除の折り、階段下を片づけ、階段の本棚も付け加えほんの少しだけ空間を広げてみました。その階段の下には教員かけだしの頃熱心に読んでいた太郎次郎社の雑誌「ひと」の特集や単行本が集めてあります。 当時とはものすごく教育環境もちがいますが、かなりまとを得た見かたが今でも通じる思いがします。 関心のある方ぜひもぐって見て下さい。

◇隠岐の島出身の知人に薦められた「渾身」という映画はとても見応えがありました。(名古屋では伏見ミリオン座で公開中)古典相撲をテーマに島の伝統の中に生きがいを探す若者の純な姿が、島の景色にとけ込んでドラマを作っていきます。相撲の見方も変わりますよ。

◇宣伝に乗せられて見た「ライフオブパイ」は期待しすぎました。作品を見る時は先入観を捨て、まっさらな気持ちで向かうことが大事と改めて思いました。確かに3Dの技法を駆使した画面の迫力は大したものでしたが、感心したのはトラの動き。とてもCGとは思えない自然体で、感情移入してしまいます。このトラだけを見に行ってもいいかもしれません。

◇一日おもしろ学校のメンバーで、夏と冬に学習会をしています。メンバーそれぞれの関心のあるレポートが毎回報告されます。私以外現職の仕事をしながらの中身はいつも感心することばかり。そのいったんを紹介します。
 太田さんは特別支援学級担任に変わって数年、ようやく板についてきたようです。どこにも負けない?クラスを目指しているそうで、何せ年間1000冊の本を読み聞かせるのですから、半端ではありません。その一部は今度の本に掲載されていますから、ぜひご覧ください。
 彼の報告で驚いたのは、研修でのぞいた発達障害の子の指導風景。集団行動を嫌がる子が何気に抵抗なく手をつなぎ、踊りの輪に入っていたそうです。そのマジックのような実践は,全国に10カ所ある「コロロ発達療育センター」の試み。詳しくはHPでどうぞ。まだまだ工夫される分野なのですね。
 岡崎さんは、テレビ放映(1/18NHK総合)に関連していじめについて。番組自体は彼のアドバイスも生かされ卒なくまとめられていましたが、現場の対応はそう簡単ではありません。彼の見解ではっきりしたのは、大人が一貫した姿勢で取り組むがその柱は1.暴力排除=平和主義・戦争放棄 2.弱者優先・弱者尊重=集団的自衛権は否定 3.両者の意見を聞く。意見の交流=民主主義 4.主権は子どもにある。子どもの立場に立つ想像力  本人たちがいちばん納得できる形で決着・・・ 教師の姿勢が問われます。

◇ウボンゴシリーズに3Dバー ジョンがあることを知り、す ぐに注文。何と海外からのお 取り寄せ。そんなものが普通 の感覚で買えてしまう便利さ にもう少し警戒しなくてはと 反省。でも商品はものすごく 手応えがあり、パズルが解け ると、2D以上の快感があります。しばらくひろばでお楽しみを。
 先月未開封だったボードゲームもご紹介します。 タイトルは「ドラゴンナイト」。小さな騎士が崖を登っていって先に顔を出した方が勝者。斜面にカードをうまく積み上げていくところがこれまでにないタイプ。あわてると崩れてしまいます。

◇冬休みにがんばって機織りの糸掛けをしました。去年染めておいた布を裂いて織る裂き織りをまたやりたく、ただたて糸の糸掛けがたいへんなのでようやく準備完了。工房にセットしてありますので、工房教室の合間に参加して下さい。慣れたらひろばの帰りでもいいですよ。後、おもちゃの機織りもセットしましたのでこちらもどうぞ。

◇アルジェリアの人質事件は国際情勢がまだまだ危ういところにあり、日本人は弱い立場にいることを痛感しましたが、皮肉なことに今ハマっている「24」シリーズはまさにそんな題材ばかりが続きます。ついに今最後のシリーズまで来てしまいましたが、早く見終わってすっきりしたい気分とこのハラハラをまだまだ味わいたい気持ちにゆれています。ただ、現実の国際社会からも目が離せませんね。

◇不思議な世界が得意な小川洋子さんの「ことり」(朝日新聞出版)は大江健三郎さんのご子息光くんを思い出します。野鳥のさえずりが最初のことばだったという彼はその後すてきな音楽を我々に提供してくれました。小説の主人公の兄弟も突然ことりの声を理解しふたりだけに通じることばの世界に入り込みます。いくつの出会いを巻き込みつつ、しずかに生を閉じていくその結末になぜか幸福感を抱いてしまいます。

◇自分で言葉まで作り出したウェズリー少年の絵本「ウェズリーの国」(あすなろ書房)を紹介します。変わり者のこの少年はいじめっ子からはにげまわりますが、ついには逆に彼らがうらやましがるほどの世界を作り上げます。自分のやりたいことを実現するための手段が勉強だそうです。受験生たち分かりましたか。

◇佐々木正美さんがコメントを寄せている「発達障がい児の子育て」(大和書房)は母親たちの生の声がていねいに収録してあります。早く気づいた人、なかなか現実を受け止められない人、悩みだけでなく成功した知恵も並べられ、そこに的確なコメントが掲載されています。佐々木先生が実例に挙げられているいい家族の関係は、ご自身のことであることに気づきました。

◇来月後半に、工房「ひろば」の空間を使って個展を開く予定にしています。作り貯めた作品と今取組中の作品、数だけはあるのですが、鑑賞に堪えるものがどのくらいそろえられるか、これまでたくさん見てきた自分のおもちゃ眼でチェックしてみます。     

 ◆◆3月の予定◆◆ ひろば 2日(土) 17日(日)  工房 9日(土)     個展 3/24〜31