ひろば通信 13-03      
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   2013年3月1日(金)

 ◆◆3月の予定◆◆

ひろば 2日(土) 工房 9日(土)  個展 3/24〜31

◇こんなに春を待ち遠しく思うのは、何年ぶりでしょう。北の方では雪も尋常ではないようですし、寒すぎて四季折々を楽しめるこの国のよさを感じるゆとりがありません。クリスマスローズやスノードロップがひそかに咲き出したのを横目で見ながら、せめて組み木のおひな様を飾って春を呼びたいと思います。写真は工房で仕上げた4年生の女の子の作品。努力の跡が見えます。

◇講師の仕事に変わり一年ごとの職場になったので、この時期は早々と区切りが待っています。何人かのお手伝いをしてきましたが、もうすぐお別れ。もう大丈夫だよとは、なかなか言い切れないのが残念ですがしかたありません。大事なことは困っていることをそのままにしないで、まわりの誰かに告げること、それさえできれば切り抜けられます。コミュニケーションの苦手な彼らが、私との一年間のやりとりの中で、聞いてもらえる人はいるんだという気持ちになっていてくれることを願っています。
 現職の頃は毎年文集と言う形で1年を締めくくっていましたが、今年のまとめはホームページに綴ってみました。4年生の子と1年間算数のやり直しを手伝ってきた足跡をまとめました。「おもちゃのひろば」の中の「学校ものがたり」に入っていますのでご覧ください。ご意見もいただければ幸いです。

◇昨年の職場では、恐竜のキュープパズルを思いつき、それをクラス分作って置き土産にしましたが、今年は、その形に文房具をあてはめてみました。個別の算数指導の時間を思い出しながら、目もつけてちょっとかわいい、奇妙な形のパズルができました。何をかたどっているか分かりますか。

◇春の訪れと同時に、久しぶりの個展を計画しています。工房の空間を使い、新旧取り混ぜて並べてみます。おもちゃ作品だけでなく、機織やパンづくりなどのものづくりコーナーも予定していますが、欲ばりすぎかな。その準備で今月はひろばも工房も一回だけに変更しましたのでご了解ください。

◇映画好きのわが家としては、この時期アカデミー賞の行方も気になります。ただ、未公開の作品も多く、結果を知ってからの鑑賞になりますので、前に書いたように先入観は禁物。昔、映画評論家のさよならおじさん淀川長治さんが言っていたように、どんなB級映画もどこかに見所はあるという広い大きな気持ちで見たいものです。
 最近の映画では「二郎は鮨の夢を見る」がよかったです。銀座のすし職人小野二郎さんをドキュメンタリーとして取材、息子たちとのやりとり、職人の技、鮨ネタへのこだわりと画面から漂うきびしい自分への姿勢に、法隆寺の西岡棟梁とダブりつつ本物を見た神々しさを感じました。一生に一度でいいからその鮨を味わいたいのですが、3万円からという値段を聞くと誰に連れてってもらったらいいのでしょう。

◇先月号でひろば大入りのニュースを載せたらこんどはガラガラ。なかなかうまくいかないものですね。ま、続けて開いていることが肝心なのでこちらは気にせずお待ちしています。
 先日工房の日にふらりと教え子が会いに来てくれました。在職中もっとも波瀾万丈だった「くすのき学園」の卒業生ですが、4年振りにあった彼女は高校進学を決め、好きな陸上に打ち込むアスリートをめざすすてきな少女に変身していました。 病気がちな親御さん故養護施設で生活していますが、その笑顔と堂々とした姿がまぶしいくらいでした。こうした巡り合わせのためにもひろばを続けていく意味があるようです。

◇彼女との思い出は、交流学級での出前授業で、今ワークショップで紹介しているテーブルマットやコースターの機織り入門の原型が生まれたこと。 その他誕生日に贈ったミニハウスなど、ある子のために開発したおもちゃがたくさんの子どもたちと共有できる、つくり手としての本望を味わっています。子どもに感謝です。

◇すてきな絵本を紹介します。戦後間もなく「百枚のきもの」というタイトルで出版され、今回「百枚のドレス」としてリメークされました。訳は大好きな絵本「ちいさなおうち」と同じ石井桃子さん。時代もダブるようですが、今こそ読んでほしい内容です。ポーランド移民の少女ワイダを取り巻く女の子たちの複雑な心境と心の揺れを印象的に描いています。高学年の女子にぜひ読んでほしい気がします。

◇生の演劇のすごさを見ました。「北の国から」の再放送を見ていて、思わず申し込んだ倉本聰演出の「明日悲別で」(あしたかなしべつで)は北海道の廃坑になった炭鉱が舞台。20年後の再会と原発の核処理問題をからめ、希望と絶望との狭間に揺れ動く人間模様を迫力ある展開で見せてくれました。固定された舞台が場面ごとに縦横に変化するおもしろさに舞台芸術にはまる気持ちが分かった気がしました。

◇3.11も2年になります。マスコミからの情報はぱったり。一方で再稼働の見直しが着々と進んでいます。忘れやすい国民のひとりとして、3.3に栄をデモしながら、自分の姿勢を問うてみます。皆さんもいかがですか。親子ブースではびゅんびゅんゴマで遊んでいます。

◇宮沢賢治を中心とした物語組み木がそろそろ頭打ち。今度のアートイ展は10回記念なので、10作で区切るのもありか。原作はものすごい量なので題材に際限はないのですが、つまずいたのは、「グズコーブドリの伝記」。最近アニメにもなってストーリーは分かっていますが、結末が自己犠牲なので、形の再現が苦しく断念。今のお気に入りは、「双子の星」。ちょっとしたコースおもちゃとして遊べそうです。完成品は個展で展示しますのでお楽しみに。 ◇あさのあつこさんの三部作「ミヤマ物語」を読みました。設定が勾玉シリーズや上橋ワールドに近いかなと思ったのですが、もう少し軽いタッチでさらりと読めます。いじめもからみ、主人公が異界の体験を経て現実に立ち向かう姿が結末から想像できます。

◇今月のおもちゃは小さなカードゲームを3つ紹介します。一つめは「キャプテンリノ」というサイの形をしたリノをカードの壁に登らせ、早く屋根カードが無くなった人が勝ち。カードゲームらしくないゲームです。後の二つは神経衰弱系の避けたいひともあるゲームです。     

 ◆◆4月の予定◆◆   
ひろば 7日(日)・20日(土) /工房 13日(土)・27日(土)