ひろば通信 13-04      
・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986  
・Email toyhiroba@sa2.so-net.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2013年4月3日(水)

   ◆◆4月の予定◆◆   
ひろば 7日(日)・20日(土) 工房 13日(土)

◇わずかに春めいてきたある日の午後、工房の二階の書斎に入ると、机の横に何やら黒いものが。小さく丸まっており、顔は猫のよう。よくよく見ると黒いコウモリのよう。近づいても微動だにせず、気持ちよさそうに寝入っています。コウモリって逆さになって寝るのではと疑問に思いつつ、夕方になったら、外に逃がしてやろうとそっとしておき、もういちど行ってみるとすでに姿はありませんでした。何かちょっぴりさびしい気持ちにもなり、その後ときどき窓を開けておきましたが、2度目はありませんでした。つれは昨年いなくなった黒猫のミューが姿を変えて別れに来たのではと勝手に解釈。さもありなん。

◇平日はのんびりと、休日は人の出入りにあたふたしながら、超久しぶりの個展が終わりました。木のおもちゃを作り続けて三十数年。よくぞ続いたものです。しかも教員の仕事をしながらの片手間ですから、相当困難なことのはずですが、ここまで続けてこられたのは、すべてのことが同時進行で互いにからまって進んできたから。
 今回の展示作品を見ても、大半のものがこれまで学校で出会った子どもたちやその出来事に関係しています。プレゼントの注文だったり、モデルだったり、お話しの対象だったり、たくさんヒントをもらってきました。改めて子どもたちに感謝です。卒業生も何人かのぞきに来てくれ、なつかしがっていてくれたのが幸いでした。
 今回の目玉は「物語組み木」。6月の銀座のアートイ展の前に、始めて先に地元で発表。本好きな人の評価が気になりましたが、おおむね好評で余分に作った作品も完売。作品の評価は売れ行きで決まるというシビアな世界も久しぶりに経験し、いい刺激になりました。

◇個展には、かつての教え子たちも来てくれました。すでにおじさん、おばさんの域ですが、一気に小学校時代にタイムスリップします。この子たちと作って来たんだなという実感とあの頃夢中でやって来たことの答えがそこにありました。教室の中身は極端に言えば何でもいいのです。その時一番いいと思ったことを迷わず子どもに向ければいいのです。大事なことは、子どもとの人間関係です。この先生のやることなら付き合うかという信頼関係です。たぶんそれが少しはあったから、何年か経っても顔を見せてくれるのでしょう。言葉でうまく話せない彼らの返事を、勝手にそう解釈している脳天気な先生がここにいます。

◇自宅のスペースを使って個展を開くというお手軽なイベントに自己満足。毎年は無理にしても3年おきくらいならできるかなと取らぬ狸の皮算用をしています。でも後どのくらい頭と体が動くかは未知数ですが。
 期間中、岡山のアーちゃんが遊びに来てくれ、「わたしのじーじの作品だよ」と宣伝に一役。おみやげ用のローリエの袋づめも手伝ってくれ、つれとも餃子づくり。いつのまにかとても役に立つ子になっていました。「もし、ママがむかえに来なかったらどうする?」と聞くと「平気だよ」とあっさり。ま、いいか。        〜感想ノートより〜
・ちなみに本日、結婚記念日でして・・・、そういう日に先生の展覧会にお邪魔させていただきよかったです。よい記念になりました。
・とても可愛らしい作品、居心地の良い空間で時間をのんびり感じることができました。
・ステキな作品に子どもたち、大喜びでした! また、遊びに来ます。
・おもちゃがたくさん見たので、楽しかった。
・日曜日、木のおもちゃと音楽でのんびりしました。お天気もよくて気持ちよかったです。
・木のおもちゃすっごい、楽しかった!! ・人間ピラミッドがすごかったです。
・先生のような人になれるように、糸のこ作品ぼちぼち作ります。
・このいろいろな木のおもちゃが1000%サイコーでした。またここへ来たいです。
・いろいろあった。わたしのじーじです。
・久しぶりにお話しできて心を洗うことができました。創作することで、頭の回転をリフレッシュさせることはいいですね。
・夢のある空間を楽しませていただきました。
・現実からはなれたみたいな世界を感じて、楽しいひとときでした。
・孫といっしょに来ました。木のかおりが心地よいです。
・ここに来て木の香りにいやされて、先生と話をすると娘の幼少期を思い出して、心いやされます。
・動物の素朴なやさしい表情に温まりました。
・三匹のくまがなつかしかった。またあいましょう。
・宮沢賢治シリーズと桃太郎の桃がとても気に入りました。紅茶がおいしかったです。
・イメージしたものが形になるって素敵ですね。子どもたちにとっていろいろなアイデアとなって新しいものづくりができるといいなと思いました。
・久しぶりの工房、楽しい時間をありがとうございました。なつかしさで、心がいやされました。

◇四年三組との別れは、とても勉強になりました。困っている子に手を差し伸べるのは、今までの経験を活かせば、それほど難しいことではありませんでした。しかし、今回は子どもたちと子どもたちとの間の関係が一番の問題でした。お互いに相手の行動が気になりしょっちゅうトラブル。発達障害のある子もない子も、うまく気持ちを伝えることが難しく、すぐに手が出てしまいます。こちらはトラブルの後の火消しに回り、互いの気持ちを鎮める役の繰り返し。何とかしたいと思いながら、自分の役の終わりが来てしまいました。このまま去るわけにはいかないと最後の一週間、指導もそっちのけで手紙をしたためました。一枚の手紙ですんなり伝われば、こんな簡単なことはありません。でもちょっとでも友だちのことをちがう角度から考えるきっかけになればと、一生懸命綴ってみました。さっそく担任の先生がていねいに授業として扱ってくれたおかげで、しっかりとした返事を受け取ることができました。まだ10才になったばかりの子どもたちには、少し早すぎる課題だったかもしれませんが、いつ問うかといったら、今でしょ。その手紙を同封したのでお読み下さい。
    〜返事より〜
・三輪先生にもらった手紙を読んで、すごく先生の思いが伝わってきました。私たちにはまだ自分にも分からない力という、言葉がすごく心に残りました。こんなことを教えてくれる先生がいてほんとうに感謝しています。
・ぼくはこの長い文からとてもいいことがいっぱいありました。ぼくの力もどこかにあるのかもしれません。そのねむっている力をつかえるときにその力をつかってゆめをかなえてみせます。
・最初は先生の手紙の意味がよく分かりませんでした。でも何回かよみかえしているうちに少しずつなにを言いたいのかわかってきた気がします。私は変なことをしてる子は頭がおかしいんじゃないかと思っていました。こんどそういう子がいたら(困っていたら)手だすけをしてあげたいと思いました。そして、手紙の「本当の意味の友だち」というところがすごく心にのこりました。そして、私にはその「本当の友だち」がいないと思いました。そして、今の私は「本当の友だち」になってあげられないと思いました。そして、私はそんな「本当の友だち」って言ってもらえるようになりたいです。

◇三組つながりで「だいじょうぶ三組」を見てきました。主演の乙武さんとは「五体不満足」で出会った以来、彼のやること、為すこと、語ることにいちいち感心し、あの前向きなパワーがどこから生まれるのかとても不思議でしたが、それは最初に彼を見た母の「まあ、かわいい」という言葉に象徴されています。どんなに障害があってもすべてをそのまま受け止めてくれる親の言葉で、彼は生きる力をもらいました。つまり大きな自己肯定感です。この映画では1年の時間の中で、どう子どもたちにこの自己肯定感を伝えるか、いろいろなエピソードをちりばめて訴えてきます。子役もすごいですね。

◇個展の作品にはくすのき学園の10年も大きく影響していることが分かりました。そのころさんざん子どもたちと見た「ドラゴンボールZ」の最新映画ができたと言うので思わず見てしまいました。ベジータもゴハンもすっかりよいパパになり、すごい戦いもどこかゲーム化されており、ちょっと拍子抜け。これでいいいんでしょうね。

◇新着おもちゃも注文しました。4歳くらいから遊べるボードゲーム「カラスとブルーベリー」。ひろばに間に合いましたら、遊んだ感想をまたご報告します。

◇桜の開花と同時に庭の花も日に日に花数を増やしています。つぼみで止まっていたシャコバサボテンが咲き始めるという珍現象も含めて庭に出るのが楽しくなる時間。待てば春になるのですね。今月から私も新しい職場。こんどはどんな出会いになるか、すべてを受け入れる気持ちにどこまでなれるか、またお試しです。    

    ◆◆5月の予定◆◆  ひろば  12日(日) 18日(土)  工房   11日(土) 26日(日)