ひろば通信 13-05      
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   2013年5月7日(火)

    ◆◆5月の予定◆◆
・ひろば 12日(日) ・工房 11日(土)・ 26日(日)

◇玄関のレモンの葉にアゲハ(たぶん)の卵を3個発見。去年とてもにぎやかにアオムシが登場しましたが、蛹になる前に消えてしまったので、生存競争の厳しさを見てしまいましたが、さて、今年はどうするか。レモンも実らせたいので、裏庭のサンショウの葉に移動してもらうつもり。もしかすると好みの葉を選んでいるとは思いますが、ちょっと我慢してもらいます。

◇先月蒔いた種がようやく出そろってきました。なるべく種から育てることを目標に、そして、さらに去年収穫した種をまいて苗作り。少しずつ本格的になってきました。幸先のいいことに、庭に生えて来たタケノコを何本も収穫。庭でタケノコが取れるなんてかなりの贅沢ではないでしょうか。

◇ひさしぶりに、すてきなクラシック音楽を聞きました。NHKスペシャルで見た日本のベートーヴェンと呼ばれる佐守河内さんのドキュメンタリーに釘づけ。35歳で聴覚をすべて失い、耳鳴りに四六時中苦しみながら、頭に残っている絶対音階を唯一の手がかりにオーケストラ曲を作曲して行きます。その鬼気迫る生き様の迫力に完全に圧倒されました。改めて購入した「交響曲ヒロシマ」に浸りながら、彼のイメージした世界に身体を委ねたいい時間を過ごしました。ドキュメンタリーで流れた震災へのレクイエムの発売を心待ちしながら、気持ちをシャンとしたい時に最適な曲です。

◇今、1年ごとの仕事になったので4月からまた職場が変わりました。困っている子のお手伝いという立場は変わりませんが、新しい出会いが始まっています。ひとりはまた4年生で、勉強の合間に部屋にあった電動糸のこの工作をメニューに入れることにしました。利用できるものは何でも生かすという大胆なことがこの年になると平気になります。(え、前からやっていた?!)  もうひとりは車いすの子の補助。何かというとすぐ緊張するらしく、手が突っ張ります。こちらはまったく専門外なので、どうしたら楽になるか本人に聞きながらの毎日。いい勉強になります。

◇元旦生まれの孫のアーちゃんの誕生日リクエストは「からくりおもちゃ」。できればいっしょに作りたかったのですが、遊びに来た春休みは個展に追われてしまったので、結局ひとりで仕上げることに。題材はミニ観覧車。ミニにした分歯車のかみ合わせが難しく、微調整が大変でした。お客さんは昔デザインした「はこぶね」の動物たち。新旧とりまぜたいい作品になりました。

◇昨年の出張クラス会に続いて、GWを利用して遊びに来た昔の知人と大人の糸のこ体験教室。メニューは実用品と言うことで、バターナイフづくり。しかもピーナッツバター専用という注文。硬い材に気に入るようにデザインしてもらい、糸のこで輪郭切り。その後はひたすらサンドペーパーなどを駆使して形作り。組み木おもちゃとはまたちがった光景で、まさに大人の手づくり教室になりました。新しい工房のメニューに使えそうです。

◇夏のワークショップのメニューに新美南吉の物語組み木を提案した関係で、もう少しデザインを増やそうと作品を読んでいますが、なかなかピンと来るものに出会いません。やっとできたのは「デンデンムシノカナシミ」。自分の殻には悲しみがいっぱいつまっていて、もう生きていけないと友だちのかたつむりを訪ねます。「ぼくだって同じだよ」と言われ、生きる勇気をもらいます。そんな話を形にしてみました。さて、次は・・・。

◇村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をさっそく読んでみました。舞台に名古屋が出てくるので、少々こそばゆい気持ちになりながら、仲のよかった友人グループから理不尽な理由で突然絶縁された傷を少しずつ回復していく道程を追って行きました。「1Q84」のように大きなスリルはありませんが、心の変遷の描き方はしっかり村上流でした。 ◇ラジオ好きの立場から「想像ラジオ」の本をすぐ手に取ってしまいました。3.11後に生まれた作品として一押しの書評もうなづけました。死者としてのDJが流す想像ラジオ。死者の言葉が時には生者にも届く。やはり想像力で。言葉にならないコトバがそこには存在します。家族とのやりとりをはじめとしてずっとウルウルしながら読み切りました。

◇ラジオで聞いた示唆に富むコトバ。「ラジオ版学問のすすめ」は愛聴しているポッドキャストのひとつですが、文化人類学者の辻信一さんの言葉、これからめざすのは3つのSの生き方---    slow,small,simple---頭のどこかに留めておきたいものです。確か以前この国のリーダーが、この三つと全く逆のことを演説していた記憶があります。あなたはどちらをめざしますか。

◇朝の2分間のお楽しみは、めざましテレビの中の「紙ロペ」のアニメ。先輩リスとウサギのかけあいに妙にくすぐられます。(AM6:49-6:51フジ系列)  わが家は、今「あまちゃん」ブーム。これは全国的だそうですが、中学時代の「おはなはん」に始まり朝の連続ドラマとその時の自分の年齢が思い出とともにダブってきます。その中でも、この「あまちゃん」の展開のおもしろさはピカイチではないでしょうか。

◇「カルテット」は、名作映画「卒業」のダスティン・ ホフマンが初監督した作品。引退した元名演奏家たちが住む老人ホームで、再び演奏を披露するまでの人間模様と葛藤が美しく描かれています。カメラワークもきれいで、マギー・スミスが演じる元オペラ歌手の凛とした美しさをうまく引き出しています。年を取るのも悪くないと思わせてくれる映画です。同じく老いを扱った「愛・アムール」と対象的な作品でした。こちらもじーんと考えさせてくれる秀作でした。
 「リンカーン」を見て、南北戦争がすごい内戦だったこと、その時代にすでに黒船もやって来ていること、ひとつの演説に相当命をかけていることetcとても勉強になりました。
 原作もしっかり読んだ「舟を編む」もよくできていました。辞書編纂という地味な仕事をかっこいい松田龍平が地味に徹して演じます。少々使われすぎの宮崎あおいもその役を上手にこなすのはさすがです。
 気負って見に行った「図書館戦争」は、主役の岡田准一が活躍しすぎでした。昔の戦国自衛隊を彷彿とさせますが、架空にしても本を守る軍隊に違和感を覚えてしまいました。
 それに比べて今読んでいるベストセラー小説「永遠の0」は、零戦を巡っての戦争体験をリアルに描写していてぐんぐん引き込まれます。戦記物はそれほど好きではないのですが、昔読んでいたちばてつやの漫画「紫電改のタカ」に登場するグラマンや戦艦の名前、鹿児島に行った時のぞいた特攻隊員の記念館の手紙などを思い出したりして、無益な戦争に立ち向かった人々の重たい言葉を聞いています。

◇GWの仕上げは岡山での二泊三日。例の観覧車を持参しのんびりアーちゃんと過ごしました。お出かけもしましたが、むしろ車中で見た「小公女セーラ」のDVDの方が気がかりでした。娘たちが小さいころテレビでよく放映していた名作アニメですが、当時の記憶を思い出しながら、ていねいに作ってあるなと感心しながら見ていました。今のキャピキャピしたアニメに比べセリフも長く、登場人物の個性も分かりやすく描かれています。美しい日本語が軽視されているご時勢にこういう名作を見直すのもいいかもしれませんね。

◇第45回目の「一日おもしろ学校ごっこ」の受付が始まっています。今回の目玉は岡崎勝さんの性教育の授業かもしれません。一時期このテーマの実践がいくつか話題になっていましたが、最近はほとんど聞かれません。でも、きちんと向き合う必要のあるテーマ。なぜおろそかになってきたかも含めて示唆のある授業になるはず。ぜひご参加を。

◇新着おもちゃも注文しました。今届いたばかりですが、とても複雑そう。「インディゴ」というボードゲームで、道タイルでコースを作りながら、宝石を集めていくゲーム。ゲームの苦手な管理人に誰か教えてください。

    ◆◆6月の予定◆◆
・ひろば 2日(日)・15日(土) ・工房  8日(土)
○一日おもしろ学校ごっこ 22日(土)
○アートイ展 6/18〜23
○おもちゃばこフォーラムin京都 29.30