ひろば通信 13-12       
・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986  
・Email toyhiroba@sa2.so-net.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2013年11月28日(木)

 ◆◆12月の予定◆◆
・ひろば 1日(日) 15日(日) ・工房 7日(土) 21日(土) 要予約
・冬の工作教室 14日(土) 要予約   
 午前の部(10:00) コースター織り  
 
午後の部 (2:00) カード織り  定員 10名 
  参加費 500円    対象 小学3年生以上   
     申し込み
は メールかFAXで 

◇一瞬の秋でした。わが家のモミジも紅葉のタイミングが分からずとまどった色をしています。春に咲いたクレマチスが一輪、酷暑を乗り越えて咲いてくれたのが、この秋のビッグニュース。後は植えた球根のお守りと、プランターダイコンがはたして漬け物デビューできるかがこの冬の楽しみです。

◇カレンダーの準備も早々と済まし、年越しも余裕で迎えられそうですが、思えば5月に母が亡くなり来年は喪中の年。そんなに急がず母の思い出にもう少し浸ってみます。  急いていたのはたぶん、先月からイベントが重なり、11月末にも横浜で講演会などあり、頭の中があっちこっちにゆれているからでしょう。
 そのイベントで楽しんだのが、「パッケージクラフト」のワークショップ。  所属している日本おもちゃ会議の企画ですが、昨年の曽我真弓さんに続いて、会員の高橋和真さんを講師に、その技を伝授してもらいました。
 お菓子の箱を使って工作するのですから、1年生の教材にもあり、たいしたことないという先入観もあるかもしれませんが、彼の作品を見たらびっくりします。ひとつのお菓子の箱をほとんど全部残らず使い、各パーツを切り出し、組み立てて造形してしまいます。しかも、箱にデザインしてある文字やロゴマークなどを生かし読めるようにあてはめてあります。パッケージクラフトと命名される所以です。写真の作品は10年以上前、彼がデビューしたての頃に分けてもらった風車です。今やかなりのお宝です。

◇一日に及ぶ講座は三本立て。まずは平面作品。箱を適当に20個以上に切り分け、そのパーツを組み合わせて好きなものを作ります。ここで考え悩むのがミソのようです。私は博物館に展示された恐竜をイメージ。かなり満足した作品になりました。
 次は半立体。段ボールにナイフで溝をつけ、そこに箱の切片を挟んでいきます。その図柄を決めるのも悩みましたが、無謀にも般若の面にしてみました。そこからが大変。立体の高さを考えながら、色合いを探してはめ込みます。曲がるところは切り込みを増やしたり、いろいろなテクニックを駆使して仕上げました。この2作でもうぐったりでしたが、最後は高橋さんが設計した図案通りに作る立体作品。紙工作にこれだけハマったのはとても久しぶり。この感触は少年時代からハマっていた創作折り紙の世界に近いものがありました。夜中まで折り方にこだわっていた学生時代を思い出しました。そう、かなりのオタク青年だったのです。

◇国会で秘密保護法案が強行採決されました。中身を詳しく読んでいませんが、強行採決されること事態、この法案が危ういものであるという証拠。この便りではあまり政治的なことには触れて来ませんでしたが、原発のことにしろ、今回の法案のことにしろ、危うい政府の元にいる意識はあります。いずれ立場を問われるでしょうが、簡単に迎合しない気持ちだけは持っていたいと思います。
 そんな関係から、あれほど読んでいた百田尚樹の本とお別れしました。現政権の熱烈な支持者と聞いてしまったからです。もちろん文学に何の罪はありません。切り離して考えればいいかもしれませんが、このひろばはこだわりのかたまりですのでご容赦ください。

◇「かぐや姫の物語」を見てきました。高畑勲監督が8年かけた大作というだけあり、見応えがありました。まずかぐや姫という一人の少女の描き方がいい。ものすごく愛らしい赤ちゃん時代から、田舎の子どもたちとの交わり。やがて都での生活に浸りながらも大切な何かを内にしっかり秘めて自分を失わない凛とした姿。月に戻される宿命を受け止めながらもきちんと別れを告げ、潔さを見せます。ラジオのトークから、この作品のベースはかつての名作「アルプスの少女、ハイジ」のテレビアニメだそうです。高畑・宮崎コンビで超大作に仕上がったのはハイジの心の変遷をていねいに追ったからだそうです。同様にこのかぐや姫も物語の展開の中で自分の心をむき出しにしていきます。久しぶりの秀作です。

◇「もうひとりの息子」も印象的な映画でした。「そして父になる」と同様赤ちゃんの取り違えが主題ですが、舞台はイスラエルとパレスチナ。そう世紀を越えた対立が続いている中での話。すぐ手を取り合う母親たち、とまどいを隠せない父親、真実を知り混乱する兄弟。中でも、少しずつ現実を受け止めていく当の二人の子どもがすてきに描かれています。自爆テロや空爆が日常的に伝えられる舞台であまりに静かな時間が過ぎていきますが、あえて人の振る舞いにしぼったそうです。この作品もお薦めです。

◇園芸作業の参考にするつもりで買った岩波新書の「土と生きる」はほぼ世代がかぶる方。そう、学生運動、成田闘争のただ中で、自分の生き方として農業を選びます。その場所も成田国際空港の敷地内で。落ち葉の堆肥を使い、無農薬、無化学肥料の循環農場というサイクルが定着しかけたとき、3.11による放射能汚染との闘いが始まります。線量の数値を見比べながら、より安全さを求めてまったくくじけない強さに敬服です。半端でない人はすごいですね。

◇いつもこの月はサンタ気取りで、プレゼントを用意していますが、ビー玉おもちゃの試作に熱中しすぎてプレゼントを用意する時間がなく、これまで貯まっている試作のいくつかを並べますので、お土産にお持ちください。

◇先月紹介した「マラケシュ」が届きました。小さな布製のじゅうたんが今までのボードゲームにはない感触です。じゅうたんを敷き詰めていく駆け引きがポイントですが、得意げな子が目に浮かびます。今月はいつもの二倍の特別貸し出しになりますので、このゲームも貸し出すことにします。

◇14日の機織り教室、まだ余裕がありますのでぜひ申し込んでください。午後のカード織りはおもしろ学校でも久しぶりに公開しましたが、2、3人ハマってしまう子がいて、このカード織りのおもしろさに自信が持てました。  

  ◆◆1月の予定◆◆ ・ひろば 19日(日)・工房 25日(土)

PS.喪中のため、新年のあいさつは控えさせていただきます。すてきなクリスマスとよいお年をお祈りします。