ひろば通信 14-03       
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   2014年2月28日(金)

 ◆◆3月の予定◆◆ ・ひろば 2日(日) ・工房  8日(土)

◇チューリップが芽を出し、梅のつぼみが赤らみ、クリスマスローズが咲き、本当に春間近ですが、もっとうれしかったのは、自前のダイコンを収穫して、念願の漬け物が実現したこと。朝ドラを見ながらぬか床の世話をしていますが、何とかご健在。冬場なので4,5日ゆっくり寝かしてご相伴。超スマートな出来映え故、あっと言う間の運命でした。

◇食についてこんなに感動的に綴られた文章に初めて出会いました。小川糸さんの「食堂かたつむり」(ポプラ文庫)です。恋人に去られ手元に残った持ち物はぬか床だけ。傷心のまま向かうのは、未だ確執のある母の待つ田舎。言葉も失い、彼女の思いついた仕事はこだわりの食堂。アルバイトで身につけた腕前をふるい、地元産の野菜を生かして、お客との面談から料理が始まります。料理の描写とお客の背景、そして彼女自身のドラマと物語が心地よく展開します。それも食の持つ力かもしれません。

◇月一回の卒業生との昼食づくりも3年が過ぎました。初めは小学校時代の振り返りでしたが、その段階を超えたので、本人たちのリクエスト+こちらの興味ということで、今回は手打ちパスタに挑戦。たまたま近所のスーパーでパスタ専用の粉が手に入ったので、一晩生地を寝かせ形づくり。機械を使わない手延べなので、まさに粘土細工感覚。うどんより練りごたえがありよく伸びます。ソースもハーブが入った本格的なトマトソースを作りましたが、ゆであがったパスタがかなりの歯ごたえ。研究の余地ありありでした。でも子どもと作っても楽しそうですよ

◇今年の講師の仕事もそろそろ終了。一年毎のおつきあいですが、今年は4人のお子さんの個人指導と1年生の補助が仕事でした。その中のひき算大きらいな子に、タイル図をヒントに見たらすぐ分かる教具を作りましたが、それでもいやと使ってくれません。いったん苦手と決めた子どもの気持ちを変えるのは難しいですね。
 問題に合わせて、工作用紙をスライドさせれば答えが出るすぐれものと思いきや、こちらのひとりよがりかも。

◇昨年に続いて、今月東京で個展をすることになりました。日本おもちゃ会議のつながりで長くお付き合いのある中井秀樹さんのギャラリーをお借りします。中井さんの作品はひろばにもたくさんありますが、そもそも若かりし頃、彼の書いた本を見て、娘たちにおもちゃを作っていた関係があります。木工の知識も半端でない彼のそばでの展示で緊張しますが、仏像らに見守ってもらうことにします。
 展示の中心はこれまで紹介してきたビー玉おもちゃと円空仏をモデルにした組み木。ワークショップは草木染め毛糸を使ってのコースター織り。東京の一角でこれらを紹介してきます。

◇佐々木正美さんの言葉には、これまでずいぶん助けられてきましたが、未だにお世話になることの繰り返しです。なかなか成長しない自分も情けないですが、今回ご紹介するのは、とても読みやすい「しつけ学」。
 ポイントをメモします。 しつけは二つだけ。「子どもの自尊心を傷つけないようにしつける」もうひとつは 「子どもが社会的な人間関係の中で豊かなコミュニケーションができるように育ててあげる」 それ以上でもそれ以下でもない。そして大切なのは、子どもと一緒に喜びを分かちあって一緒に悲しんであげる。その共感の中にこそ、子育ての真髄があるととても簡潔に述べられています。

◇からくり人形作家の原田和明さんがデザインした紙のおもちゃを入手しました。ユーモアを超えたシュールなところが紙でも表現されています。実際に見た木の作品はもっとすごいですよ。
 紙のおもちゃと言えば、秘蔵にしていた林明子のペープサート「赤ずきんちゃん」を作りました。登場人物の他グッズがいっぱい。お話好きな親子で楽しめそうです。ぜひご利用ください。

◇最近見た映画でお薦めは「ジャッジ」。感動物ではありませんが、分かりやすい筋の展開と妻夫木聡の熱演が光ります。この作品の脚本家の言葉で、大好きな往年の名画「スミス都へ行く」のオマージュを込めて仕上げたと聞き、そちらも見てみました。ジェイムス・シュチュアート演じる主人公の熱弁が爽快でした。こちらもお薦めです。

◇食の話題に関連して、考えさせられるコメントがありました。WWFの機関誌からの引用です。 「もし、世界中の人々がインドネシアの人々と同じ生活をすると、現在の地球の生物生産力の3分の2しか必要としませんが、アメリカの人々と同じ生活をしようとすれば4個の地球が必要になります。で、日本人にあてはめると2.3個の地球が必要になるそうです。」

◇「ピッグ10」は評判どおりハマるカードゲームです。ちょうど10になる時の気持ちいいこと。個人指導の後に毎日対戦。まだまだ続きそうです。もうひとつ今月の新着おもちゃとして購入したのは「カラフルミミズ」ミミズの進行を予想しつつ、最初のミミズが顔を出すまでドキドキです。

◇もういちど、佐々木さんの言葉から
 しつけというのは子どもと一緒に楽しんであげるということです。喜んであげてください。だけど人生は毎日明るく楽しいことばかりではありません。悲しいことも辛いこともあります。あってもいいのです。あるのが自然です。一緒に悲しんであげればいい。「ちゃんとこうしなかったからダメだったんでしょう」とは言わないのです。「努力しなかったから、気をつけなかったからこうなった」なんて言う必要はありません。嫌っていうほど本人は承知しているのですから。そこでそう言わざるを得ない人は子どもをしつけるのがうまくいかないかもしれません。一緒に悲しんであげてください。「悲しかったね、ママとアイス食べよう」と。それでいいじゃないですか。アイスクリームを食べる喜びを分かち合って。そういうふうに育てていかれますと、気持ちはとっともラクですよ。

◇1年間の講師の後、キューブパズルを全クラスに置き土産にするパターンが続いています。しかも毎年、その一年の思い出から連想したデザインをひねり出しています。「恐竜ばっか」、「文房具」に続いて今年は「数字1〜7」までをあてはめてみました。これはときどきお手伝いした支援学級のA君に対抗したもの。彼は数字大好きで、はさみで自在に数字を切り出します。そのあざやかなハサミさばきに負けじと描いてみました。

◇工房の糸のこ教室も順調ですが、今回は1年生ががんばりました。「あー、肩こった」と言いながら、合板のティラノザウルスに挑戦。彼の描いて来た絵が、私の図面にそっくりなのでうれしくなりました。本人の満足そうな顔をご覧下さい。    

◆◆4月の予定◆◆ ・ひろば 6日(日)・19日(土)    ・工房  12日(土)・26日(土)