ひろば通信 14-07       
・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986  
・Email toyhiroba@mediacat.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2014年7月3日(木)

 ◆◆7月の予定◆◆
・ひろば 6日(日)・工房 15日(火)、
  16日(水)2:00〜6:00 
 

 ◆7・8月のイベント◆
・組み木フェスティバルin鳥取 7/19〜21

・アートピア子どもワークショップフェスティバル 7/26日(土) 栄ナディアパーク
    (まだまだ受付中)
・南図書館糸のこ工作教室  8/2(土)  問い合わせ 南図書館
・同木のおもちゃ展  8/3〜31
・平和フォーラム  8/21〜23  名古屋学生センター

◇夏の花壇が準備できないまま、7月になってしまいました。一応種から苗を作ることを心がけていますので、苗の成長が思うように行かないときもあり、ぽっかり間が空いてしまいます。これも自然のなせる技かと達観していますが、要は知識が足りないだけのようです。

◇工房の横にある古い梅の木。毎年きれいに花は咲かせても、実がつくのは一年おき。その言い伝えのとおり、今年は豊作。実が黄色くなるのを待って収穫したら、5キロ強ありました。さっそく近所にお裾分けして、残りを梅干しに。いろんなやり方をしてきましたが、最近知ったもっとも簡単なやり方にしました。何と砂糖と塩を半々に入れ、放っておくというもの。重しもせず、シソも使いません。ウソみたいですが、でも23日経つと梅酢も上がって来て今のところ順調です。

◇先月、毎週のようにイベントをこなし、そのままのリズムで夏に向かいます。なぜか、現役時代より忙しい日々を今のところ楽しんでいます。

◇皮切りは6/7、8の木のおもちゃ展。栄のナディアパークという人の出入りの多い場所だけあってたいへんにぎやかな2日間でした。新作のビー玉コースおもちゃも好評でしたが、私のブースには昔のくすのき学園時代の卒業生が沢山集まり、同窓会状態でした。就職した子、結婚した子、出産間際の子と大人の世界に入りながら、やっぱり小学校時代にタイムスリップ。彼等に木のおもちゃをプレゼントしながら、自分の作品リストが増えていったことを思い出します。子ども時代につらい経験をした分、楽しい未来をつかんでほしいもの。そのためにも先生自身が楽しんでいるところを見せないといけません。終了間際まで話し込んでいたら、片づけをしっかり手伝ってくれるではありませんか。当時手を焼いていた子たちがふうふう言って働いてくれるのを見てひとり感激していました。

◇昨年に続いて京都のおもちゃばこフォーラムに参加してきました。このイベントも20年目になり、よく続いています。ひろばにもファンが多いですが、杉山亮さんのあそび心をゆさぶる工作イベントを中心に、おもちゃを提供するものと受け取るもののやりとりで笑いに満ちあふれています。
 今年の工作は紙コップが素材。それを使い、物語を題材にして、からくり、音あそび、アクセサリー、ゲーム、動くものなどの条件で展開します。
 私のグループは「ももたろう」で、音あそびを頼まれました。思いついたのは、紙コップの底をひもでこすって鬼のいびきのような音を作ってみました。これが意外と受け一安心。何せ関西のおもちゃ作家がたくさん参加しているので、へたなものを作れないのです。 (おまけもいろいろあります。)  夜のワークショップでは、昨年と同様若林さんにからくりおもちゃを教えてもらいました。今年は田舎のバスがガタゴト走るノスタルジーな作品。針金のしかけが心にくいばかりです。

◇京都からもどると銀座のアートイ展に向かいました。今年のテーマは「記憶」。またまたそれぞれこった作品が並びました。いつものように独楽のおみやげをもらってきましたので、ひろばで遊んでみてください。私はビー玉の「記憶」ということで、少年時代路地でやったビー玉遊び、その遊びでは要領が悪く、いつも持参したビー玉を取られてばかり。そんな情けない少年にタイムスリップした工房のおじさんが見せたいビー玉のおもちゃというコンセプトで並べました。
 東京では3月に新宿のmokuさんでビー玉作品を並べたばかりですので、新作の透明ホースを使ったビー玉コースおもちゃをメインに展示しました。
 会場にはよく東京の友人たちが来客してくれるのですが、今回は驚いたことに中学時代のブラスバンド部の顧問の先生が来てくれました。実は5月にその先生の80歳のお祝いをしてお知らせだけはしたのですが、本当に来ていただけたのでびっくりでした。半世紀前の当時はちょうど前の東京オリンピックの時で、大きなイベントがたくさんあり、練習に本番にと部活づけの毎日でした。それでも夏にはアイスクリームをおごってくれたり、プールを開放してくれたり、さらには受験の補習までやってくれて若き教師のエネルギーにあふれた日々でした。同じ年の自分も名古屋に移動したばかりの時で子どもたちと夢中だったことを思い出します。出会いってすごいですね。

◇最終土曜日は「一日おもしろ学校ごっこ」。何と47回目です。20年以上のキャリアを持ちますので、ひろばのスタートとかぶります。小さい頃からひろばに通っていた子どもたちが、小学校に入学しておもしろ学校に参加し始めた方たちもちらほら。そんな子も含めて、最近参加希望者がとても多くお断りまでしています。スタッフとしてはうれしい限りですが、裏を返すとそれだけ学校の中でユニークな授業を展開する余裕のない姿が浮かんできます。教科書も厚くなりカリキュラムをこなすだけでおいて行かれる子どもたち。そのうちの何人かの世話が今の仕事になっています。
 さて今年の講座は初めての「ビー玉コースおもちゃ」。それをほとんど糸のこ経験のない子どもたちに挑戦させるのですから不安だらけ。すべてキットにしたらワークショップになりませんので、とにかくビー玉が走るコースだけ糸のこで切ってもらいました。ほとんど手を添え、四苦八苦しながら、ようやくゴール。修正はベテランの助っ人先生の出番。アクリル板を挟み、枠で固定すると結構見栄えする作品になり、あとから来た親御さんたちも驚きの声をあげていました。写真は家に帰って仕上げ直したある子の努力の結晶です。

◇久しぶりに映画らしい映画を見ました。「グランド・ブタペスト・ホテル」。一応ミステリーですが、映像がめちゃきれいで、それを眺めているだけで幸せな気分になります。シンメトリーを生かした画面は上質な絵画作品のよう。ドタバタぶりはバスター・キートン風。懐かしさの中にユーモアがあり、秀逸な作品です。 (名古屋 伏見ミリオン座上映中)

◇宮崎吾郎がジブリから離れて監督すると言うテレビアニメの原作「山賊のむすめローニャ」(岩波少年文庫)も楽しい話でした。まるでロミオとジュリエットのように敵対する山賊の子どもがなかよくなり、やがてドラマが始まります。森の中という設定がよけいにすがすがしさを呼びます。

◇集団的自衛権を容認する政権のもとでも日常生活は普通に営まれる。戦前そこにいきなり赤紙が舞込んだように、自衛隊員の戦死が報じられる。その時やっと多くの人の後悔が始まるのかもしれない。  沖縄戦の式典で読み上げられた小学3年生の詩が美し過ぎます。(毎日新聞より引用、同封しました。) 国同士の闘いはコート上だけで充分だと、毎日ワールドカップを楽しみながら思います。

◇今月のひろばはいつものように、夏休み前特別貸し出しになります。いつもの倍を目安にご利用下さい。
 外より3度くらいは低い地下のひろばで涼みながら、楽しい夏の過ごし方を探求下さい。