ひろば通信 15-03       
・発行 おもちゃのひろば  
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   2015年2月28日(土)

    ◆◆3月の予定◆◆  ・ひろば 7日(土) 15日(日)
            ・工房 21日(土)
 すみません、変更しました。
       ・おもちゃばこフォーラムオンステージ 1日(日)

◇今年もクリスマスローズの開花をきっかけにだんだん春めいて来ました。バードレストランもヒヨドリを加えて、毎朝いっそう賑やかです。時々庭で見かけるシジュウカラも恋の季節か鳴き声が大きくなってきました。びっくりしたのは、オレンジも鮮やかなジョウビタキがレストランのそばに現れたことです。次はウグイスに期待しているこの頃です。

◇先日、久しぶりに味噌を仕込みました。支援学級時代は数年ごとに子どもたちとチャレンジして、半年後を楽しみにできたての味噌で料理も楽しんでいました。学校という場を使い、たくさんものづくりをやってきましたが、この味噌づくりは最も時間がかかり、支援学級だからこそできるメニューだと思いました。 今、新しい生活パターンになり、それなりにものづくりを楽しんでいますが、卒業生が時々工房に顔を見せるようになったのを機会に、この味噌づくりにまたチャレンジしてみることにしました。
  ここ愛知の岡崎市は有名な赤味噌「八丁味噌」の産地。たまたまそこに知り合いがいるので、材料の大豆と麹を地元から購入しました。ただ、麹は豆麹なら赤味噌になるのですが、今回はオーソドックスな米麹にしました。
 前日、よく洗った大豆を水に一晩つけておきます。翌日は作業時間に合わせて、朝から大豆を煮ます。吹きこぼさないように4時間たっぷり煮ると、柔らかい大豆のできあがり。
 この日はいつものメンバー以外にもゲストが参加。みんな支援学級の卒業生ですが、味噌づくりははじめてのようで、興味津々。でも、さすが大人たちです。大豆をつぶすのもあっという間。塩と麹をまぜ、つぶした大豆といっしょにして大きなおにぎりづくりもどんどん進みます。
 後はかめに仕込むだけ。空気が入らないように一個ずつ詰めていきます。小学校では外にはみ出すやら大騒ぎでしたが、この作業もすんなり行ってしまいました。
 卒業生に会うと、果たして自分が小学校時代に教えてきたことがあれでよかったのか、心配になりますが、こうして時間を超えて同じメニューをいっしょに取り組めることで、教科書のないクラスで試みてきたことが、決してマイナスではなかったかなと自分に言い聞かせています。

◇今年の組み木フェスティバルが福岡県の王塚古墳を会場に開かれる関係でテーマも「古代・古墳」。私はさらに縄文時代まで遡ってみました。展示会を見たためですが、文様鮮やかな土器に石器の細かい道具など2000年前の技に見入ってしまいました。石器については今読書中のエイラの世界(旧石器時代?)にもよく描写が出てきますが、実際に見てみると、確かにするどい刃物になっていることがよく分かりました。
 さて題材は縄文文化に出てくる土偶。女体をテーマにユニークな形で表現されています。それを木で作ってどうなると思いましたが、縄文人のセンスにあやかろうと描いてみました。この時代から女性は崇められてきたのですね。

◇先月ビー玉のロングコースを3種類作りましたが、ひろばで遊んでいる姿を見ていて、それぞれのいいとこ取りで合体バージョンにしてみました。これが完成形になりそうです。計画では、これを2倍バージョンにして壁かけ用に考案中です。

◇今、長く所属していた「日本おもちゃ会議」では終焉の議論に入っています。数年前にも閉じる話になりましたが、継続希望の声に後押しされ再出発しました。メンバーには有名なおもちゃ作家もたくさんおり、広げたい作品も一杯埋れているのですが、ただ会として外にアピールしていくのは容易なことではありませんでした。企業化したり法人化になればまた違った展開になったでしょうが、それは次元が違うことでした。
 かつてこの名古屋で大きなフェスティバルを開いたこともありましたが、思い出の一コマになってしまいました。今回5月の連休に小田原でイベントを行います。たぶんそれがこの会議の最後のイベントになるでしょう。その後のことは未定ですが、この小さなひろばがますます貴重な場になってきました。

◇この時期は内職気分で量産体制になります。毎年デザインして一クラスずつプレゼントしている「キューブパズル」は前に紹介したように昆虫シリーズ。幸か不幸か今年の職場は小規模で6学級のみ。かわりに久しぶりに義理チョコのお返しとして、女性職員に小黒三郎さんデザインの組み木ひなを用意しました。大した人数じゃないだろうと数えたら、15人強。今は担任以外にいろいろな立場の方がいることを再認識しました。

◇中谷美紀主演の「繕い裁つ人」は、久々に星4つをつけました。(私の勝手な評価で、これまで数本しか該当していません。)かつて母親が洋裁をやっており、映画にも出てくる足踏みミシンを操作している思い出の風景も影響しています。それ以上に主人公が自分のデザインに正面から向き合うまでの葛藤が美しく描写されます。すがすがしい気持ちになること請け合いです。

◇年齢が影響しているかもしれませんが、小説中心の読書の中に新書判などで「今知っておきたい話」を加えています。その一つは「ハンナ・アーレント」(中公新書)の生涯。映画もよかったです。ユダヤ人として生まれ、ナチの手を逃れてアメリカに亡命した政治・哲学者です。映画は元ナチ親衛隊のアイヒマン裁判を中心に描かれますが、その裁判を分析・報告した彼女は同胞から手厳しい批判にさらされます。彼女の冷静な分析には反ナチ一辺倒ではない、人間としてのおろかな行為として誰にもどこにでも起こりうることとして人類全体に警告しています。それは今の「イスラム国」の行為にもあてはまることです。彼女の評論が今見直されているのもうなづけます。

◇先月号の通信は「盲腸炎」騒動の中でよく発行できたと自分でも感心しています。突然の腹痛で一晩戻した後の脇腹の痛み。念のため近くの医者に見てもらったら、怪しいというのでCTスキャンを撮ることに。すると虫垂のあたりが陰っているので盲腸炎の疑いがあり、大きな病院を紹介されてすぐ移動。結局抗生物質の点滴で様子を見ることに。点滴担当の看護師から「切らないんですか?」と逆に質問されてしまいました。担当医によると虫垂についてはよく分かっていないことが多く、研究している人もあまりいないと心細い話。3日後に正常値になり治療は終了。医学がそんなに進歩していないことが分かった3日間でした。

◇ミニミニ玄関作品  右端は「ウソ人形」東京の湯島と亀戸天神で毎年1月に行われる鷽替え神事で並んで購入。(右が湯島でおみやげ)昔のいやなことがうそになり、今年はいいことが起こるかも。でも、来年はどうしましょう。真ん中はミッフィーの指人形。手編みのプレゼントです。ひろばを始めた頃、ままごとに使っているお寿司セットを手編みで作っていただいたことを思い出します。  左端は、ドイツ旅行に行ってきた娘のおみやげ。このご時勢、無事でなりよりでした。   

◆◆4月の予定◆◆ ・ひろば 11(土)・26日(日)
         ・工房  18(土)