ひろば通信 15-12            
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   2015年12月2日(水)

 ◆◆12月の予定◆◆ ・ひろば 20日(日)
            ・工房 12日(土)
            ・1日おもしろ学校ごっこ 5日(土)


◇もう暮れですね。年々時が早く過ぎる気がしますが、本当に年のせいかもしれません。そのわりに毎日は充実していますが。
 つぼみが出そろってきたシャコバサボテンも夜は部屋の中に非難。ついでにまだつぼみがついているハイビスカスも部屋に移動。いろいろ冬支度の季節になりました。そろそろ剪定も急かされていますが、もう少しイベントをこなしてからにします。

◇先月の後半はそのイベントづくめでした。まずはひろばで開いた「秋の特別工作教室」。新潟から講師の高橋和真さんを呼んでの「パッケージクラフト」の講座でしたが、申し込みが少なく当日までやきもきしました。考えてみたら、今ひろばでは工作好きな小学生が少なくなっており、ちょうどそういう時期だったかもしれません。新聞に載せたり、近所の方に声をかけたりして、ようやくメンバーがそろいました。
 午前中は、ジバニャン風の「猫又」づくり。小学1年生から挑戦していましたが、説明図を見ながら、懸命にハサミを動かしていました。高橋さんの作品は、お菓子の箱が材料ですが、ほとんど余すところなく図面がひかれ、パッケージのロゴも大事にしているのが特長。切り落とした小さな切れ端も使うことが分かり、あわてて探す場面もありました。猫の顔はそれぞれのアイデアでユニークに構成して完成。とてもお菓子の箱からできたとは思えませんでした。
 午後は打って変わって大人中心の講座。参加者の平均年齢はかなり上がっていましたが、皆さん童心にもどって気持ちは相当若返っていました。題材は「がしゃどくろ」。お菓子の箱からみるみる骸骨が現れます。胸や背骨にカーブをつけるとかなりリアルな姿になります。でも、材料がお菓子の箱のせいでしょうか、とてもユーモアのある作品になりました。午前・午後とも2時間たっぷりの充実したものづくりを楽しんでもらいました。

◇翌日は鶴舞図書館で「ことば」の講演会。朗読の得意な講師さんに、読み聞かせのコツなどをレクチャーしてもらいました。鼻濁音や破裂音など専門用語も出てきましたが、とてもなつかしく思ったのは、「ことばの教室」の仕事で学んでいたことだったからでした。参加者には、新美南吉の作品などを練習してから、グループごとに群読で発表してもらいました。実際に読み聞かせ活動をしている方も多く、とても有意義な会になりました。

◇月末には南区のおもちゃ図書館「ぴっころ」の30周年を祝うイベントに参加。昔からの知り合いもぽちぽち見かけなつかしい再会。こちらも長く活動していることが証明されました。
 25年前このひろばを始めたとき、正式におもちゃ図書館として登録することも考えましたが、何カ所か見学するうち疑問に思うこともあり、だったらまったく個人のレベルで好きにやって行こうと決め今日に至ります。
 今回のお祝い参加に用意したワークショップは例の「ビー玉迷路」。ただ端材を夏までにほぼ使い切っており、改めてせっせと切りました。材料は50人分以上用意しましたが、おかげさまで全部はけてしまいました。もっとやりたい子は工房へどうぞと招待しておきました。

◇先月紹介したドーナツ積み木の改良版ができました。分割した形を互いにはめ込めるようにしてみました。基本の形を変えたら、いくつもでき上がり、いろいろ混ぜても遊べます。ただ、積み木のように自由に構成できるわけではないので、その制約の中でどんな作品ができるか、これからお試しです。

◇工作教室に参加してくれたワイヤーアート作家の曽我真弓さんからすてきなプレゼントをいただきました。彼女は最近よく高齢者施設を訪問してお年寄りにワイヤーアートを伝授しながら世代を超えたものづくりの楽しさを広めていますが、そのネタのサルの昇り人形です。車いすにすわったままでも、ひもが引けるように台座をいっしょに考えました。登り切るとバナナをキャッチするところがミソ。お年寄りの笑い声が聞こえてきそうです。ひろば用に私も台を工夫してみましたので、ぜひお試しを。

◇これからちょっと大仕事になりそうなのが、下の娘からのリクエストです。ダンス関係の知り合いに私のおもちゃを紹介したところ、舞台の素材に使えそうということで見学に来られました。何でもテント式の移動舞台を考案中で、その中に巨大なおもちゃ箱を用意して、私の作品が出てくる構想で、影にして写したり実際に動かしたりするらしいです。そんな巨大なものがどうなるかはまだ未知数。糸のこしか使えない自分がどこまで手伝えるかドキドキものですが、若者たちとの仕事はいい刺激になります。偶然でしょうが、次回の銀座のアートイ展のテーマが「かげ」なので、どこかでつながってくるかもしれません。

◇そのおもちゃ箱を意識したわけではないですが、昔考えていた「3匹のブタ」のお話ボックスを再現してみました。子ブタとオオカミは手抜きで、初期の「なかよしはこぶね号」に乗っていた動物を使いました。わらと枝の家を用意しましたが、板が厚いのでなかなか吹き倒れないところが難です。レンガの家には煙突と鍋を用意して、最後にオオカミが子ブタのえさになるようにしました。ブタって肉食だっけ?

◇その舞台のベースになっている作品がミヒャエル・エンデの「はてしない物語」。かなり前に読みましたが、この際再読が必要と読み返しています。記憶力が消えかけているわが身にはとても新鮮で、バスチアンのじれったさに早くなんとかしてと祈りながら半分まで来ました。

◇「下町ロケット」がまたドラマ化されて評判でした。と思ったらすぐ続編が始まりびっくり。だって「下町ロケット2」は出版されたばかり。あわてて出演者の顔を思い浮かべながら、読み始めました。さすがに池井戸さんです。こんどは心臓手術の医療器具の開発で、展開のおもしろさは前と同様一気読みでしたが、終わりかけると読了するのがもったいなくなるのも同様でした。

◇たむらしげるさんの「はりがね なんになる?」(月刊こどものとも12 月号)という絵本を紹介します。素朴なはりがねの動きを楽しんでください。 たむらさんは独特のセンスでロボットやSFタッチの幻想的な作品を出していますが、私のお気に入りは古いMac用のCD-ROM。秘蔵です。

◇今月の新着おもちゃは、前からほしかった
「ナイアガラ」というボードゲームです。(2005年ドイツ年間ゲーム大賞受賞、8歳以上)宝石を集めながら、カヌーで川を下りますが、滝つぼにご注意。
 クリスマス前なので、特別に今月から貸し出します。運よく借りられた方はゲームをしっかり伝授してください。その他のおもちゃも今月は余分にどうぞ。

◇パリのテロは許しがたい事件でした。死を何とも思わない人間にどう対処したらいいか分かりません。「殺したくない、殺されたくない」弱者としての私にはあのフランスのジャーナリストのような崇高なメッセージは書けません。最愛の妻を殺されてなお「私は変わらない」と言い切る人がこの世に存在していることを誇りに思うだけです。  

 ◆◆2016年1月の予定◆◆ ・ひろば 17日(日) ・工房  23日(土) 要予約

  PS よいお年を。来年もよろしくお願いします。