ひろば通信 16-03            
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   2016年3月4日(金)

 ◆◆3月の予定◆◆ ・ひろば 6日(日)  20日(日)
  ・工房  12日(土) 
・卒業生の会 13日(日)  
 ・同志社中学組み木教室 14日(月)  
 
・おもちゃばこフォーラムオンステージ  21日(祝・月)

◇庭に出て春の便りを探してみました。梅は何とか2分咲き、スノードロップが一輪顔を出し、アネモネとクロッカスが咲き始めました。クリスマスローズも咲きそろい少しは春らしくなりました。
 それに合わせて土の用意。コンテナ栽培が主なので、使った土を何回も使い回ししています。しばらく寝かせておいた土をふるいにかけ、堆肥や腐葉土と混ぜて準備をしています。春よ早く来い!

◇朝からスズメがにぎやかです。えさ場があるので屋根に整列して朝ご飯を待っています。最近ではメジロの真似をしてミカンまで食べるようになりました。たくましい野鳥です。

◇朝の数分間、仏壇で手を合わせる日課になっています。線香を立てて、その日の家族の無事などを願うのですが、この頃何も考えず、欲せずいわゆる「無」に徹して過ごしています。ほんの数分のことですが、妙にすっきりした気持ちになるのはどういう効能でしょうか、知りたいものです。

◇まもなく今年の講師の仕事が終了します。幸い2年続けての職場だったので子どもたちもよくなつき、1年間楽しく過ごさせてもらいました。ただ、いつものの置き土産のキューブパズルを昨年渡してしまったので、今年はキューブが入る箱を用意しました。昨年の昆虫パズルに合わせて虫かご風の箱にしました。中が空ではさびしいと思い、別の鳥シリーズをはめてみました。またこれで頭と手の体操をしてくれることを期待します。
 おまけは2年生には花びらのびゅんびゅんゴマ、3年生にはタングラムパズルとこれも好例になってきました。

◇さて、よくおじゃました5年生のクラスは2学期に糸のこの授業をさせてもらい、ビー玉作品なども見てもらったので、お別れ授業をどうしようか悩みました。ある時、たまたまいいところ探しのゲームで私と当たった子がいて、「先生のこと何にも知らないから弱ったな」とつぶやいていました。確かにそのとおりなので、ここはひとつ自分のことを語ってみようかなと思いました。長い話は苦手なので、ここにちょっとメモをさせてもらいます。
・小学校の時の出来事では、2年生か3年生の時名古屋を襲った伊勢湾台風のこと。ものすごい雨と風の中、なぜかすやすや眠っていた私は朝起きてびっくり。何と隣に隣の子が寝ていたのです。外に出てわけが分かりました。隣の2階の屋根がそっくり飛ばされていたのです。青空の中いっしょに探しにいくと20メートルくらい先に落ちていました。
・中学は東京でしたが、ブラスバンド部に入り、ちょうど東京オリンピックがあり大勢のパレードや演奏会に参加しました。
・この頃からの趣味が創作折り紙。ただ、人の前で趣味が折り紙ですとは何か恥ずかしくて言えなくて他のことでごまかしていましたが、本当に好きでした。何せ大学生まで続いていたのですから。
・高校時代は、軟式テニスに夢中でしたが、大学受験が近づくにつれ、いろいろ悩みました。まず、高校の教師の中に受験優先の授業する人がいて、ものすごく反発を感じました。そこでその授業を無視し自分で選んだ本を勝手に読んでいました。職員室にも呼び出されましたが、意地を通しました。(けっこう根性があった?)  世の中も揺れ動いており、大学生たちが暴れ回ったり、ベトナム戦争を巡ってデモもたくさんありました。私も無関心ではいられず、デモに参加したこともありました。
・ようやく入った大学では、"学校ってなんだ、本当の教育って"を考えるコースを選びました。志はよかったのですが、やはりテニスに夢中になり、卒業間際にあわてて仕事を探すことになります。
・ようよう決めたのは先輩のいた養護学校(今は特別支援学校)で見たたくさんの手づくり教具が気に入りそんな仕事をしたいと思い、今に至っています。
・教科書のない世界で子どもたちに何を教えるか手探りでしたが、最初はものすごく大きな理想を掲げ、人類がこれまで築いてきた工夫のひとつひとつをこの子たちとたどってみようと考えました。たべものしかり、衣服しかり、住処しかり。つまり「ものづくり」を学習の柱にしたクラスができ上がりました。でもそれからがたいへん。すべて未知のことだらけ。教えてくれる人を訪ね、テキストを探し少しずつ財産が増えていきました。
 特にたべものづくりはたくさん挑戦しました。パンにうどんにそば、みそにとうふとなるべく元の材料からそろえていろいろ試みました。そんな体験がすぐに役立つわけではないですが、「自分たちで作ったな」という実感はあの子たちの将来に生きていたようです。(卒業生がそう語っていました。)

◇そんな柱の支えになった本が「地球の上に生きる」(草思社)です。たしか染織を教えてくれた早川ユミさんが紹介してくれたかもしれませんが、今読んでもものづくりのヒントがぎっしりつまっています。早川さんが綴った「種まきびと」シリーズと共に私のバイブルです。

◇やはり知人に薦められた「チェリノブイリの祈り」は改めて原発事故の恐ろしさを知らしめています。ノーベル文学賞をとった作者はインタビューの形式で30年前の事故を生々しくあぶり出します。政府や当局の隠蔽工作など福島の事故とダブることもあり、人類への警告になっています。映画の原作になった「くまのパディントン」も楽しい話です。シリーズ化されてロングセラーですが、この一冊に凝縮されている気がします。京都で田島征三の絵本を見つけました。廃校になる小学校の思い出を次のエネルギーに変える迫力が伝わってきます。

◇アルファベット迷路を2セット作り、ダンス公演の小道具作りも佳境に入ってきました。でもうれしいことに6月のアートイ展のテーマ「影」にこの迷路が使えることが分かり一歩前進しました。ついでに数字も迷路にしたら意外といい感じです。さらに動物のパターンも作ってみました。どうやら今年の展示は小物ばかりになりそうです。

◇ダンス舞台の小道具作りに追われ映画に行く間もありませんが、たまたま今年のアカデミー賞授賞式の中継を見ることができ、4時間華麗なイベントを堪能することができました。映画を作っているのはハリウッドだけではありませんが、映画に懸ける生々しいまでの情熱は確かに伝わってきました。

◇先月山下達郎とビギンのライブに行ってきました。63歳になる達郎の張りのある声に感動し、ひろばと同じ25周年になるビギンのめちゃ明るいライブに浸り、幸せな時間を過ごしてきました。へたなギターも練習中なので、ギターのサウンドにも耳をそばだてていました。プロの音は違いますね。

◇来月から工房もひろばも26年目に入ります。工房は最近低年齢化が進み、2年生や1年生の工作好きな子どもたちが糸のこに挑戦しています。好きこそもののじょうずのことわざにぴったりです。将来常連さんになることを期待します。    

 ◆◆4月の予定◆◆  ・ひろば 17日(日)  ・工房  23日(土)