ひろば通信 16-09            
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   2016年8月29日(月)  

  ◆◆9月の予定◆◆ ・ひろば 4日(日) ・工房  24日(土)
・その他 卒業生の会 11日(日) 月灯り移動劇場「はてしない物語」 名古屋公演 10日(土)  中川文化小劇場

◇普段より忙しかった夏休みがまもなく終わります。酷暑に耐えながら名古屋と京都にまたがるいくつかのイベントをこなし、ようやく日常が戻ってきました。結局山登りはできず、山の空気は秋までお預けです。

◇今年の夏ほど「糸のこ」が活躍した年はなかったかもしれません。京都で開かれる組み木フェスティバルに関連して、事前に同志社中学の生徒たちと2回のワークショップ。ひとつは「キューブパズル」もうひとつは「ゆらゆら人形」どちらもデザインは生徒たちが考えたオリジナル。糸のこで切りやすいように少しアドバイスしましたが、自分のデザインにこだわる頑固さに感心しました。京都にある日本一小さい私立学校「一燈園」でも組み木教室。小黒三郎さんの組み木授業を聞いてデザインした動物の親子をいっしょに仕上げました。普段から奉仕活動や自己を深める試みを重視している学風のせいでしょうか、ほとんど初めて糸のこ操作をするその姿勢がとても落ち着いており、それもびっくりでした。
 名古屋でもナディアパークと南図書館のワークショップで「合板恐竜づくり」を久しぶりに楽しみました。仕上げは京都での組み木フェスティバルの体験教室。ほぼ3日間糸のこ10台がフル稼働。中にはデザインシートの作品を4個切った後、翌日自分で絵を描いてきてオリジナル作品に挑戦していた4年生の女の子がいました。名古屋で修行したいと言っていた中学生はどうなるかな。

◇京都のフェスティバルでも展示しましたが、「はてしない物語」の舞台が名古屋でも公開されます。それに関連して、チラシの塗り絵コンクールがあり、賞品を頼まれました。最優秀者には「ミニ観覧車」入賞者には「幸いの竜フッフール」「テントコースター」を用意しました。公演に続き子どもたちとのダンスパフォーマンスも企画されて、またまた小道具づくりをしています。久しぶりに厚くて硬い銘木たちを切り、気持ちよかったです。

◇ひろばのおもちゃもメンテナンスが必要になってきましたが、すぐ隣の工房で修理できるのが強み。今回は昔からある「ころがり人形」と小黒さんのてくてく人形を修理しました。ころがり人形はフェルトで作った単純な構造ですが、頭の中に入っているステンレス球で動きが決まります。うまくでんぐり返しを繰り返すように微調整が大変でした。まだ未完成です。てくてく人形は組み木になっており、絶妙なバランスでとことこ歩きますが、足のアールの形、坂道の角度、摩擦度など調整するところが多く、やりがいがありました。

◇イベントの準備の合間に久しぶりに合板の組み合わせ生き物をデザインしてみました。題材は何と人類。そうこれまで作ってきた生き物シリーズのゴールになる作品です。ただ、手元の資料をいくつかあたってみましたが、イラストでざっと描いてあるだけで、骨格の構造や身長など詳細は不明のまま。しかたないので、スマホの画像検索など参考にしてようやく仕上げました。猿人からスタートして、クロマニヨン人まで。ちょうど読み続けている大地の子エイラがネアンデルタール人に育てられ、クロマニヨンの仲間と暮らすことになるストーリーなのでちょっと身近な気分でした。

◇夏休み後半やっと時間が取れたので、岡山のアーちゃんに会いに行きました。すでに母親の背も抜いてしまったスポコン少女ですが、夏休みも超過密スケジュールの毎日。その合間をぬって「ファインディング・ドリー」を見に行きました。ニモよりスリルがあり、おもしろかったですが、少し説教臭いのが気になりました。アーちゃんとの話から映画になるコミック「四月は君の嘘」を紹介され、読み始めたらハマってしまい、途中だったので、続きを名古屋で買ってしまいました。少女コミックコーナーにあやしいおっさんがうろうろしていたので、通報されないかと心配でした。 内容はバイオリニストとピアニストを巡るラブストーリーですが、演奏描写がものすごく、前に紹介した「ブルー・ジャイアント」を思い出したりピアノ調律師の小説「羊と鋼の森」を連想したりして楽しみました。

◇夏休み、例年通り映画だけはたくさん見ました。またリストアップすると
・アリス・ワンダーランド/時間の旅  原作は「鏡の国のアリス」で冒頭に亡くなったハリー・ポッターのスネイプ役の俳優の声が印象的でした。
・帰ってきたヒトラー  少し小太りでしたが、うまい役作りで現代社会への皮肉が効いていました。
・ブルックリン  田舎から都会に出てきた少女の変身ぶりとほろ苦さが体現されていました。
・二重生活  門脇麦がレポートのためにストーカーになり相手の生活の暴露にのめり込んで行く過程が怖い。
・トランボ  ハリウッドの赤狩りの犠牲者でありながら、不屈の脚本家、パピヨンとローマの休日が同じ作者とは思えないその才能に脱帽。役者もよし。
・シン・ゴジラ  ゴジラ映画は一時期大半見ましたが、結局第一作目にすべてが集約されていました。それを彷彿とさせてくれる秀作です。
・ターザン  動物のCGに感心するとともにストーリーもよくできていてもういちど見てもいいかな。
・ニュースの真相  スポットライトがヒーローものに比べて、こちらは真相の出所を追求されて追いつめられて行くストーリー。いずれにしてもマスコミの姿勢が問われます。
・ロング・トレイル  山歩きの代行になるかなと見に行きましたが、たいしたことなくがっかりでした。

◇ひろばで岡田淳さんの「二分間の冒険」を紹介したら、彼の作品にハマっている子がいるらしく、そんなにおもしろいならと本屋でいくつか拾ってみました。確かにおもしろく、「びりっかすの神さま」「放課後の時間割」手にえがかれた物語」「選ばなかった冒険-光と石の伝説」と読んできました。特に「選ばなかった冒険」は、RPGのゲーム世界に入り込み、生死の恐怖までリアルの味わうと言うファンタジーで、今ポケモンGOにハマっている子どもたちにもぜひ読んでもらいたいものです。それにしても、どの話も子どもたちの身近な生活や学校を舞台に楽しいファンタジーに仕上がっておりハマるわけです。

◇今年の夏は永六輔さんや大橋巨泉とかつてよく耳を傾けていた人たちの訃報が続きました。永さんのエッセイはほとんど地下のひろばにそろえてありますので、ぜひお読みください。どの本も含蓄があります。もっとも売れた岩波新書の「大往生」から
・「煙草、酒、こんなにおいしいものをやめると・・・身体によくないよ」
・「老人のぼけ防止には、テレビよりラジオをおすすめしております」
・「叱ってくれる人がいなくなったら、探してでも見つけなさい」
・「時がたつのが早いなァと思うようになると、人生がわかってくるんです」
・「孫にさ、孫にだよ。おじいちゃん、大きくなったら何になるの?って聞かれちゃった」
・「子ども叱るな/来た道だもの/年寄り笑うな/行く道だもの。来た道/行く道/二人旅/これから通る今日の道/通り直しのできぬ道」etc   

 ◆◆10月の予定◆◆ ・ひろば 2日(日) 16日(日) ・工房  8日(土) 22日(土)
・秋の特別工作教室 30日(日) (内容や詳細は次号でお知らせします)