ひろば通信 16-12      

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   2016年12月1日(木)  

 ◆◆12月の予定◆◆ ・ひろば 4日(日)、18日(日) ・工房  17日(土)
   ・第52回一日おもしろ学校ごっこ  3日(土)
   
・おもちゃばこフォーラムinなごや 10日(土)

◇寒くなるとうれしいことがあります。ふだん、あまり見かけない野鳥たちがやってくるからです。鳥のえさ場もセットしてありますが、庭の木々の間から聞き慣れない声が聞こえてきます。名前が分からない鳥もいますが、シジュウカラ、センダイムシクイ、ヒヨドリ、キジバトなど、ちらりと姿を見せます。えさ場では毎年メジロがたぶんつがいでおいしそうにミカンを味わっています。スズメは相変わらず、朝からえさをねだり、けたたましくむさぼります。
 工房で作業をしながら、ふとそんな鳥たちの姿をながめていると、自然に気持ちがなごんできます。この気持ちが作品に反映されるといいのですが。

◇久しぶりに新作らしい新作ができました。またビー玉シリーズですが、回転しながらビー玉が落ちてくるタワーです。穴から落ちてどちらに回るか分からないところがミソです。ただ、ときどき止まってしまうのが難。でもそこがおもしろいかも。
 しかし、作るのはめちゃ大変でドーナツ型のままはめることはできないので、ふたつに分割してからはめ直します。またドーナツ型に枠をつけるので、慎重に切ってもわずかにすき間ができてしまいます。これは糸のこの技術の問題なので、とてもきびしい作品になりました。今、いくつかちがうバリエーションを考えています。

◇その前に新しいクリスマスツリーもできました。ビー玉を乗せるだけですが、意外とすっきりとした形になりました。色もつけてみましたが、ビー玉には無垢の方が映えそうです。組み立て式なので収納しやすいのが売りです。さっそく工房で挑戦する方もいるかな。

◇今、こんな風に新しい気持ちで作品づくりをしています。この心境の変化は職場の一年生に原因があります。一年生の学芸会の出し物は「11ぴきのねこ」をもじった「われわれはネコ」。みんなネコになりきって熱演してくれました。練習ではけっこうきびしい注文もしましたが、本番は本当に上出来でした。帰宅してから、ふと贈り物がしたくなり、昔デザインした「はこぶね号」の動物の中から、ネコを選びキーホルダーにしました。子どもたちは人数分届いたことに驚きながらも、とても素直に受け取ってくれました。贈り手の方がむしろうれしくなる心境は、かつて「くすのき学園」で、親との関係がうまくいかない子どもたちに誕生プレゼントをしていたことを思い出します。子どもたちのリクエストに応え、無償の気持ちで届ける行為はつくり手にとって本望の行為かもしれません。

◇今月の工房では、いつものように小黒三郎さんデザインの干支を用意してあります。確かもう3巡目くらいになりますが、しかし毎年新作を発表されますから、そのエネルギーに感服します。ぜひチャレンジしてください。

◇二度目の秋の工作教室を開きました。曜日違いでご迷惑をかけた方には申し訳ありませんでした。最近思い込みが強く年を感じています。
 さて、午前中はビー玉の迷路づくり。今回は穴あきのボードを用意しましたので、落とし穴つき。これが意外と受け、いろいろおもしろいコースを工夫していました。
 午後はミニハウスづくり。2階建ての同じ家が並びますが、手作り家具が並びだすと、みるみる個性的な家が誕生します。今回は余裕があったので、階段のキットも用意したので、よけいに広がったようです。家具の木片は規格に乗っ取って分割してあるので、意外なほどたくさんの種類の家具ができます。今回もいっしょに作りながら新しい家具が生まれました。
 左から、掃除機、洗濯機、まきストーブ。では個性的な家をご覧ください。

◇毎月の工房では電動糸のこ中心の教室ですが、こんなワークショップをもっと計画したいと思いました。おもしろ学校などで紹介している「ものづくり」のストックもけっこう貯まっていますので。

◇新美南吉記念館に行ってきました。数年前におじゃましたことがありましたが、文学に詳しい仲間たちとの見学でゆったりと彼の世界を味わうことができました。駅近くの生家も訪ね、最後もこの近くで亡くなったことを知りました。川沿いの彼岸花群落は地元の中高生たちも協力して植えたそうで、とても地元に愛されている感がしました。
 貧しいながらも恋多き人生だったことも分かり、そんな情熱があってこそ生み出された作品でした。

◇「この世界の片隅で」はぜひ皆さんに見てほしいアニメです。冒頭に流れる「悲しくてやりきれない」の歌は私たちの世代にはなつかしいフォークルのヒット曲。そのメロディーが妙に映画の雰囲気に一致して、最初からジーンとしてしまいます。制作に6年もかけたという監督の熱意が静かに伝わります。広島の隣、呉を舞台にし、戦中から終戦までを声高に反戦を叫ぶわけでなく、逆にあきらめるわけでなく、現実をしっかり受け止め、生きるための日々の生活、人間関係が鮮やかに描かれます。まるで自分が戦中に生活していたような錯覚を起こされる映画に始めて出会いました。
 原作の漫画もほぼアニメの通りで(逆か)作者の戦争に対する意思に強いものを感じました。

◇かがみえほんの新作「かがみのサーカス」が出ました。前作の「ホットケーキ」もおいしそうでしたが、カラフルなサーカスの舞台はさらに奥行きが広がり楽しめる絵本になっています。

◇人前で読んでいるとちょっとはずかしくなる漫画「ぽっかぼか」のシリーズが15巻で完結しました。郊外で暮らす麻美と慶彦が出会う人たちに少しずつ「幸せ」のおすそ分けをします。虐待や離婚など深刻な事態もありますが、幸せパワーで何とか平穏な人生を取り戻していきます。疲れた時に読むととてもいやされますよ。   

◆◆2017年1月の予定◆◆ ・ひろば 15日(日) ・工房  21日(土)

PS では、インフルエンザも流行しかけているといいます。風邪に注意して、また来年もお待ちしています。よいお年を。クリスマスも楽しんでください。