ひろば通信 17-02      

・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986                                 
・Email toyhiroba@mediacat.ne.jp
・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2017年2月2日(木)  
◆◆2月の予定◆◆ ・ひろば 5日(日) 19日(日)
 ・工房  25日(土)  ・卒業生の会 12日(日)

◇今年もひと月が経ちました。時が経つ早さを感じるのは年令に比例すると聞きますが本当ですね。でも逆に1時間や2時間あいても、ちょっと本など読んでいるとすぐ時間が来ますので、全然平気です。これは意味が違うかな。

◇寒風がきびしい時期なのに、チューリップが芽を出し、木の芽もふくらみはじめ、クリスマスローズも咲き始めました。外で耐える植物を尻目に今年は育ち始めたパンジーやペチュニアの苗を部屋に取り込みました。時々降雪にやられてしまうからです。同じ理由でオリズルランとゼラニュームも部屋の中に。今、工房が温室になっています。

◇しばらく工房に眠っていたひろばのおもちゃを修理しました。部品がなくて苦労しましたが、何とか回復。もともと人気があったおもちゃなのでまた遊んでみてください。ひとつは京都の松島さん作の「SUMOU(すもう)」。ベーゴマのようにコマをはじき入れてどちらが早く倒れるか競います。コマを回す道具の操作がポイントで、ぜひマスターしてください。もうひとつは、立体の迷路ゲーム。初級から上級まで3段階のコースを前後左右のハンドルを操作してゴールまで進めます。たしかまだ上級コースをクリアした子はいないので、記録を作ってください。

◇修理のついでに、工房やひろばのあちこちに、リメイクした作品を置きました。ぜひ見つけてください。ひろばには季節の花をもじった木の時計をかけました。工房には小黒三郎さんデザインの「かまぼこびな」が飾ってあります。昔作ったたくさんの小黒組み木も棚に披露しました。糸のこ練習の参考にしてください。

◇先月五味太郎さんの絵本を紹介しましたが、ひろばには絵本以外の秘蔵の作品もあります。実は退職した職場に置いてきたものもあるので、幻になったものもありますが、使えそうな作品はネットで探してみました。便利な世の中です。
 切りぬいて組み立てる工作絵本。すてきなデザインの組み立て箱シリーズ。これらはもったいなくて使えません。広げると畳み一畳くらいになる動物ランドパネル。いろいろなパターンが楽しめるパズル。うまく並べると大きな円になる「ぐるぐるしりとり」。五味さんの多彩さに感心します。
 岡崎勝さん編集の「おそい・はやい」最新号に岡崎さんと五味さんの対談が特集されています。五味さんらしい見解が読めますよ。

◇娘のダンス公演の追っかけのついでに念願だった「ラスコーの壁画展」に行ってきました。写真でしか見たことがないあの壁画が復元されて見られるのですから、行かないわけにはいきません。
 じつは見るのにこだわったのはもうひとつ理由があり、今読み続けている大長編「大地の子エイラ」の物語の舞台がまさにこの時代なのです。2万年前の地球で氷河があり、ネアンデルタール人からクロマニヨン人へと勢力が移行する中をエイラが旅を続け、伴侶とともに狩りをし、石の道具を開発し、そんな日常生活がものすごく具体的に描写してあります。半信半疑でストーリーを追っていますが、今回の展示で納得がいきました。するどい石のナイフで皮を剥ぎ、肉を料理し、マンモスの骨ですみかを作ります。まさに物語そのままです。それに加えて洞窟の中に当時の動物が描写されています。しかもその生き生きとした姿はまさにアートです。何のためにという疑問は残りますが、アートする心は人類に普遍的なものかもしれません。
 隣の建物「地球館」も見応えがありました。地球47億年の足跡を7階建てのビルの中に構成してあります。生命誕生から始まり、環境の変化、科学技術の発達といった縦の流れと、恐竜や新生代動物などの骨格標本、現在の動物たちの剥製と展示量は半端ではありませんでした。
 かつて糸のこで作るために恐竜を図鑑などで調べてデザインしてきましたが、こんな展示を見てからデザインしたら、またちがっていたかもしれません。残念!!

◇小学生のブラスバンドがいい味を出していた「島々清しゃ(しましまかいしゃ)」を見ました。沖縄の慶良間諸島が舞台のこの映画は島民の素朴さと少女の成長が清々しく描写されたいい作品でした。聴覚に異常な鋭さを持ってしまった少女はフルート演奏に取り組むことで徐々に克服していきます。昔ブラスバンド部にいた思い出ともからみ、けなげな少女にウルウルしっ放しでした。

◇もうひとつ「人生フルーツ」もお薦めです。90歳と87歳の老夫婦が、高蔵寺ニュータウンの一角に木を植えて雑木林を復活させ、畑では自給自足に近い生活を営み続けています。ヨットが趣味だというこの90歳の男性は元々住宅公団の設計担当。高度成長の波に自分の構想した住宅環境は実現せず、それに抵抗するかのように自分で環境づくりに乗り出します。それを支える夫人もものすごく自然体で、ほとんどのものを手作りでこなします。梅干しにジャムづくりと季節ごとに庭でとれたものを生かし、機織りでマフラーを作り、夫は薫製のペーコンに挑戦します。生き方そのものが自然体であること、孫に送る荷物の梱包のデザインにもこだわること、絵手紙のイラストがすてきなこと等々、宝物がいっぱい詰まった映画です。
 そう、今からお手本にしたい二人なのです。

◇来月早々に学校の仕事に区切りをつけようと思っています。退職して6年。お手伝いの仕事を楽しくやらせてもらいましたが、そろそろ打ち止めの心境。気になる子たちにたくさん出会いましたが、私一人の力でどうにもなるものではありません。ハンディがあれば、周りの助け、支えでやりくりしていくしかありません。そんなことは私にとって充分わかりきっていたことなのに、ここに来て情けない体験をしています。今かかわっている1年生のクラスにはフィリピンから来た女の子がいます。もう1年近く経つのにひらがなひとつ、数字ひとつ身についていません。担任もあせっていますが、本人にもやる気がなく、私の残された時間でやり直してみようと引き受けました。これまでの手札から選りすぐりの教材を用意し、特訓し始めましたが、遅々として進まず思わず「どうして分からないの」とイラだってしまいました。子どもの悲しそうな顔を見て、ハッと我にかえりすぐ反省。子どもの今をそのまま受け止めること、子どもの現実から始めることを忘れていました。いつからでもやり直せる、それが教育の仕事。あすから仕切り直しです。

◇新着おもちゃも復活ものです。「キャッチ・ミー」というネコとネズミの競り合いゲーム。ひもの先の球をすばやく引くスリル満点のゲーム。エキサイトすること間違いなしなので、きっとどこかに寄付したかもしれません。またひろばでお試しを。   
 ◆◆3月の予定◆◆ ・ひろば  5日(日)、19日(日) ・工房  11日(土)、25日(土)