ひろば通信 18-02      

・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986                                 
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・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
   2018年1月31日(水)  

 ◆◆2月の予定◆◆ ・ひろば 4日(日) 、18日(日)
           ・工房  10日(土) 、24日(土)


◇こんなに寒さが応える1月も珍しいですね。外の水槽も凍りっぱなしで中のメダカが心配です。もっとも自然界では当然生き延びているのでしょうが。この寒さの中ひと月遅れで、株分けしたシャコバサボテンが咲き始めました。チューリップなどの球根も芽を出しています。植物たちに負けないように、筋トレ通いに励んでいます。

◇今年の夏のワークショップを念頭に「魚釣りゲーム」の試作を続けています。せっかく作るなら釣り竿もリール式にして、巻き取るようにしてみました。何せ本格的な釣りの経験がないため、Facebookに試作品を公開してアドバイスをもらいました。こんなときSNSはありがたいですね。
 当日の魚の方は、塗り絵式にして子どもたちに作ってもらうつもりですが、ひろば用にもと考えて、木の魚をたくさんデザインしました。図鑑を参考にして絵を描き、それを組み木風に一枚の板の中に収めてみました。魚にはヒートンがついているので、まったく組み木もどきですが、何とか収まりました。このヒートンですがS字型と円型ではまったく難易度がちがうことも発見しました。
 この作品、ひろばで試してもらいますが、もともとひろばには魚釣りゲームが二種ありました。一つはひろば開設当初からある磁石式のもの。魚の形も色もシンプルでデザインのセンスに感心します。もう一つは組み木仲間の小松強志さんのおもちゃ文庫作品。新書版の板の中に魚と釣り竿が収まっています。他の文庫作品もすごいですが、自在なセンスに脱帽です。以前クラスの子に遊びやすくするために、ビデオケース大に拡大した作品がまだ健在です。
                     こちらもぜひお 試しを。

◇悩んでいた「絆」作品が何とか見えて来たので、今まで手づかずだった納戸の荷物を整理し始めました。今の工房をリフォームする前、金山駅近くのビルに工房を借り、十数年お世話になっていました。そこからの引っ越しの時も大整理しましたが、そのとき運び込んだままになっていた荷物を全部開けてみました。30年以上こんな生活をしているので、溜まりにたまっています。今の目で見て断捨離を決行しましたが、つたないなと思う作品にもその当時は一所懸命だったなという記憶がよみがえり、ゴミ袋が運ばれていった時にはちょっとしんみりしてしまいました。試作のまま未完成な作品もたくさんあり、今後の仕事がまた増えました。

◇この整理で見つかったのは、長い間修理ができなかった「山のぼり人形」。前に書いたように工作キットでのぼるしかけが分かり、小さい作品を復活させましたが、この作品もゴムを仕掛け直すとグイグイ登ります。隣の昇り人形と競争できそうです。
 前の記事を読んで昨年の工作教室講師、若林さんも手みやげにゴリラの山登り人形をプレゼントしてくれました。こちらはゴムと細いスチール線を使った凝ったしかけ。そのテクニックがにくいです。

◇原田マハの作品を読んでいる報告は前にしましたが、文庫本の新刊に飛びついてしまいました。タイトルは「奇跡の人」。読んで字のごとくパティー・デューク熱演のヘレン・ケラーの映画タイトルと同じです。舞台こそ日本ですが、内容は同じく三重苦の少女の物語。そしてサリヴァン先生に当たる弱視の教師がその少女を教育していきます。なぜわざわざこんな設定の物語を綴ったのか、少しいぶかりながら読んでいくと、背景となる青森の豪邸、女教師の置かれた男尊女卑の立場など、明治期の日本の社会情勢が物語に絡んできます。もうひとつ、青森で出会う盲目の少女が奏でる津軽三味線が三重苦の少女の心をほぐします。
 時代設定もヘレン・ケラーと同時期としているように、元の物語にオマージュを払いながら差別的なまわりの情勢の中で必死に教育を続ける姿は涙なくしては読めません。映画を見たのはまさに教師になって「ことばの教室」を引き受けた頃。ヘレンが井戸の水に触れ、言葉の意味と体験がつながる感動の瞬間を思い出しながら一気に読んでしまいました。

◇最近、大人も児童書から学ぼうという雰囲気がありますが、ベストセラーになっている「君たちはどう生きるか」もそのひとつみたいです。久しぶりに電子書籍で読んだので、字を拡大するのに苦労しましたが、コペル君といっしょに自分の頭で考え、いろいろな立場から物事を見ていく態度が大事なことは伝わってきました。
 ラジオで薦めていた児童書は「さかさ町」(岩波書店)。おじいちゃんの家に汽車に乗って遊びに行く途中、事故で汽車から降りたところは「さかさ町」。ここは子どもが社会を切り盛りして、医者にお金を払うのは元気な人たち。野球もアウトになるとほめられます。学校でも忘れるための勉強をします。物事も見方を変えてみれば、ちがう発想が成り立つことをゆかいに教えてくれます。

◇片付けと言えば、ビデオデッキに撮り貯めた映像もせっせと整理しています。最近は自動で録画されているので、気づくと容量一杯の表示。DVDに移し替えたりして古いデッキをお守りしています。その中でBSから録画した映画を2本紹介します。
 ひとつは「奇跡のシンフォニー」出生時から養護施設に預けられた少年は、音に敏感で両親の声さえ聞こえてくるといいます。とうとうその声や音に導かれて町を彷徨うことに。途中から、聞こえる音が音符に変わり、楽器の音で表現されます。やがてオーケストラの演奏と共にエンディングに向かいます。心洗われる作品でした。
 もうひとつは有名な「2001年宇宙の旅」。これまで何度も見ながらたいがい途中で記憶を失い、いつのまにか終わっていました。冒頭の猿人たちが木の枝を道具にして目覚めていく人類の夜明けと宇宙船のつながりは何となく分かりました。そして両方の場面に出てくる黒い塔も何かの象徴。木星探査の宇宙船の中での人工知能との掛け合いはまさに今時の話題を先取りしているよう。やがて木星に着いた? 宇宙飛行士は未来と過去をそこに見ます。それがラストの地球と生命誕生につながりますが、やっぱり正直言って何が言いたいかよく分かりませんでした。(ホームページに「映画批評」のコーナーを作りました。時々綴っていきます。)

◇孫のアーちゃんがアコースティックギターの練習を始めたことに刺激を受けて、私も時々ギターをつまびいていますが、他の楽器も触りたくてつい新しい楽器を購入してしまいました。
 「ベノーバ」という昨年開発された管楽器です。ほぼリコーダーの指使いで音はサックスのような音が出ます。けっこう肺活量が要りますが、慣れたら演奏できそうです。昔、長女が中学生の時サックスが欲しいというのを却下したことが頭のどこかにあったのかもしれません。  

 ◆◆3月の予定◆◆ ・ひろば 4日(日) 、18日(日)
           ・工房 24日(土)、31日(土) (春休み工房開放日です。)