ひろば通信 18-04       

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   2018年3月29日(木)  

◆◆4月の予定◆◆ ・ひろば 1日(日)、22日(日)
  ・工房  14日(土)、28日(土)
  ・卒業生の会 8日(日)
 

◇新しい春がまたやってくる。その当たり前のことにしみじみすごいなと庭仕事をしながら思います。毎日のように増えるこの花、この草、冬の間じっと地面に隠れ、満を持して顔を出す。人の手に頼らず、日光と雨だけを肥料に自慢げに咲いています。そんな野草たちは壁掛けコースターのモデル。毎年少しずつ増えています。

◇今年の春、人の手の世話によく応えてくれたのはルピナス。毎年書いているように、好きな絵本の題名からこだわっている花ですが、種からだとなかなか大きくならず、がっかりすることのくり返しでしたが、今年はしっかり大きな花がつきウキウキしています。ダイコンなどの野菜も冬を乗り越え、りっぱな葉を茂らせています。そろそろ菜の花になってしまうので、収穫しました。スマートなダイコンは得意の薫製で「いぶりがっこ」にする予定。

◇新しい環境で生活を始めた皆さん、おめでとうございます。慣れないことも多いと思いますが、自分を見つめ直すいい機会です。そんな機会は人生に何度もあるわけではありません。どんな人に出会うか、新しい環境で何ができるか、自分を試すいいチャンスです。あせらず果敢に挑戦してください。失敗したらまたやり直せばいいのです。人生100年の時代ですから。 ◇私の方は学校という職場から離れて一年が経ちました。いったいどんな生活をしているのという質問を時々受けます。この通信を読んでおられる方は察しがつくと思いますが、学校に顔を出さなくなっただけで、その他のことはほとんど変わっていません。園芸、読書、作品作り、映画鑑賞、山登り、新しく始めた筋トレとヨガのレッスン、たまにギターなどの楽器練習とほとんどボーとするひまがありません。
 今は土日に開く「工房」や「ひろば」が貴重な「仕事」になっていますが、この仕事は最初から「続ける」ことがいちばんの目標になっています。この1年で自分の中でのウエイトがいっそう大きくなったことを実感しています。

◇先月のひろばでは、久しぶりに遊びにきた子が大学合格の報告をしてくれました。小学校時代ひろばの常連で、工房でも糸のこに挑戦していましたが、学校生活ではつらい経験もあったらしく、それを乗り越えての門出だそうです。直接の励ましやアドバイスはしたことがありませんが、当時と変わらず、ひろばや工房を続けていることが少しは力になったようです。

◇先月、ひょんなことから卒園記念の保護者作品のお手伝いをしました。何でも伝書鳩の飼育を柱にした幼児園らしく遠足も伝書鳩を飛ばしに出かけるという徹底ぶり。そして課題作品も鳩のえさ箱づくりということで工房を提供したわけです。園から注文もいくつかあり、しろうとのお母さんたちの相談に乗りながら、まさに手づくり工作に奮闘していました。毎月の工房の時間もそうですが、自分の作品に没頭している方たちのお手伝いは時々しんどいこともありますが、出来上がったときの晴れ晴れした顔はこちらもうれしくなります。鳩のえさ箱も途中でやり直しに近い作業もありましたが、ものづくりを楽しめるおかあさんたちで、苦もなく完成させていました。そんな要望に応えることができる工房であることが分かり私にも大きな収穫でした。
 卒園式にも招かれたので、ふと自分の作品を思い出し、ひとりずつに手渡しました。それは「キジバトの親子」という作品で、何と私がはじめてオリジナルといえる組み木をデザインした記念すべき作品。小黒三郎さんにも認めてもらったと記憶しています。1年間キジバトのひなの世話をし、無事に野生にかえした思い出が題材で、卒園生たちの生活ともつながる縁を感じました。

◇そんな親御さんたちの作業に刺激を受けて、外の物置にストックしているたくさんの材木を使う気になりました。ただ、その材木を使うにはカンナがけが必要で、久しぶりに自動カンナの機械を持ち出しました。正味1時間かけてカンナがけ。騒音と木屑をとばしての作業。昔これが原因でアパートを追い出された記憶がよみがえります。
 一応近所に気を使いつつ、これからも時々木を生かす作業をしていこうと思います。
 今回は工房用のいすを作りました。オルガン用のいすを参考に3脚作り、工房とアトリエに置きました。なかなか座り心地がいいですよ。

◇ひろば以上に最近利用が多い「工房」ですが、工房の隣のアトリエの部屋も気楽に遊べるように整理してみました。作ったいすもしばらく展示用に配置して様子を見ていきます。

◇ひろばにもたくさんある積み木作家?相沢康夫さんの新しい本が出ました。ネフの積み木を触らしたら右に出る者がいないパーフォーマンスを見せてくれますが、ご自身のつくり手としての姿勢がよく伝わる本です。「ひらめきスイッチ」と題された中身は彼の作品紹介とともにネフへのこだわりネフ愛がびんびんと響きます。そして最近披露している「おバカおもちゃ」も紹介し、「おもしろければ駄玩具もよし」という分かりやすい姿勢は、昔NHKテレビで共演した思い出をさらに豊かにしてくれました。

◇「ゲド戦記」の作者ル=グウィンさんが1月に亡くなりました。ゲド戦記は私が読書にハマるきっかけになったような作品なので、いつかもう一度読もうと思っていました。ただ、その後ジブリでアニメ化され「あれっ」という印象だったことがひっかかり、しばらく棚上げしていました。最近この本を翻訳した清水真砂子さんのブックレット「ゲド戦記の世界」を読んだら、とてもすっきりしました。35歳から30年もかけて全巻翻訳した熱意とこだわり、ル=グウィンさんとの交流、アニメ化にも言及し、宮崎吾郎の姿勢を評価していました。改めて読み直す気になりました。

◇ジブリつながりで、ジブリのアニメーターとして活躍していた二木真希子さんの絵本が復刊されました。「小さなピスケのはじめての旅」と題され魔女の宅急便のキキのように自分の住む新しいすみかを見つけに旅に出ます。町からも追われ、嵐にも会い、ようやく静かなすみかを見つけます。風景画が得意な方らしくそのままアニメになりそうな場面にいやされます。

◇「シェイプ・オブ・ウォーター」は予告編で主人公の女性が手話を使い、怪獣あるいは半魚人と対話している場面を見てこれは見なくてはと、アカデミー賞発表前に勇んで出かけました。R-15指定になっているので、それらしき場面もありますが、ストーリー の流れの中ではどうってことない感じでした。異星人?との距離がだんだん縮まっていくのはETの雰囲気もあり、半魚人を連れ出す場面などはそのままでした。ミュージカル場面も入っており、監督の遊び心満載の傑作です。大きくなったらぜひ見てほしい作品です。

◇新着おもちゃは、ちーんと鳴るベル好きな子のために「ハリガリ・リング」を選びました。カードに描かれた通りに輪を指に早くはめます。手と頭と目、総動員のゲーム。またお子さんたちに負けそうです。

◇今月は毎年皆さんにお願いすることがあります。ひとつは賛助会員の募集。ひろばや工房の運営に協力していただける方は、一口2000円で下記に振り込んでください。会員の方には小さなプレゼントを差し上げます。
・ゆうちょ銀行 記号 12160 番号 15861701  名義人 ミワヨシノブ  
 もうひとつは、ひろば通信を卒業される方がおられましたら、メールなどで一報くださると助かります。
 いずれにしろ今年度もよろしくおつきあいください。    

◆◆5月の予定◆◆ ・ひろば 13日(日) ・工房  19日(土) 要予約 ・春の工作教室 27日(日)