ひろば通信 18-08            

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   2018年7月31日(火)  

 ◆◆8月の予定◆◆ ・工房 25日(土)
・南図書館糸のこ教室 4日(土) 午前の部 絶滅合板動物  午後の部 つり竿と魚 (問い合わせ 南図書館)
・平和フォーラム 21日(火) ミニハウスと家具

◇夏休みに通信を出すのは、初めてかもしれません。いかに暇しているかとお思いでしょうが、けっこう忙しくしています。それにしてもこの暑さはたまりませんね。加えて変なコースの台風とますます地球が怪しくなっている気がします。国会も怪しいまま休会しているし、あっという間に死刑を執行してしまうし、怪しいことだらけの世の中、暑がってばかりいられませんね。とにかく自分の頭で考えなさいと誰かも言っていましたが、スマホから目を離して、じっくり足元を見つめる時間が必要ですね。

◇たった週に1時間ですが、通っているジムのヨガの時間がその見つめる時間に匹敵しています。深い呼吸をくり返しながら、いろいろなポーズに集中します。誰かと比べるのではなく、ひたすら自分との対話が続きます。最後の死体のポーズでは本当に寝てしまうくらいリラックスしています。この脱力感は、工房での糸のこ操作の時にも生きています。自分で操作するのではなく、機械の動きに手を添えるくらいの脱力を維持できると作品の出来映えも確実にちがってきます。皆さんもぜひ脱力に挑戦してみてください。

◇イベントの合間に、ふと手にした西田明夫さんの「動くおもちゃ」の本を見ていたら、また、からくりの基本となる作品が並んでいました。以前洋書の図面を引き直して、からくり作品に挑戦したことがありましたが、今度は写真のみ。出来上がりの動きを想像しながら、図面を起こしてみました。簡単に再現できたものもありますが、ほとんどは数ミリの違いでうまく動きません。あきらめかけた時、突然動き出したりしてこれがからくり作品の醍醐味かと再認識した次第でした。楽しい時間に感謝です。

◇毎年幼児期から銀座のアートイ展をお手伝いしてくれていた子が早くも大学生。しかも芸大の芸術学専攻と聞き、思い切ってかつて集めた哲学本を読んでもらうことにしました。大昔、卒論の時に扱った現象学者メルロ・ポンティですが、そもそも同じ芸術学科に進学した中学時代の同級生にその存在を教えてもらい、教育にも芸術にも通じる中身があると知って、一応ほとんどの著作を持っていました。幸い読んでくれるということで、段ボールにつめて送りましたが、お礼の手紙には、古すぎてにおうので天日干ししてから読むとのこと(笑)。40年は長いですね。

◇昨年に続いて絵本についての講演をさせてもらいましたが、しっかりレジメを作って用意したつもりでも忘れた話がけっこうあり、そのひとつが「いわさきちひろ」のこと。今年は彼女の生誕100年に当たるので、いろいろな関係本が並んでいます。そのひとつが息子の松本猛が書いた「いわさきちひろ-子どもへの愛に生きて」(講談社)。ものすごく硬い語り口で母の生涯が綴られますが、具体的な事実を自分の体験を踏まえて語られるので、彼女の人生が鮮明に浮かび上がってきます。彼女の絵本を集め始めた頃にはすでに天に召されていたこと。命日が長女の誕生日と同じこと。最初の不幸な結婚を経て、絵本で生きていくことを決める意志の強さ。あのやさしいタッチからは想像もできないくらい深いものを抱いた人生だったことが伝わってきます。
 当時ほとんどの著作を集めていたはずですが、地下のひろばで探してみると、4,5冊しか見当たりません。もしかしたら福島の震災の時、図書を送ろうという呼びかけに応じて、ひろばからかなりの数の絵本をピックアップしましたが、その中に入っていたかもしれません。彼女のやさしいタッチが当時の子どもたちの癒しになっていたことを願うばかりです。
 ついでに数年前に公開された「いわさきちひろ27歳の旅立ち」のDVDも購入してじっくり鑑賞しました。

◇夏休みはラッシュのように映画が公開されます。いつでも見られる立場なのに、ついラッシュに付き合ってしまいます。
 さっそく見たのは「ジュラシック・ワールド」。シリーズ4作目で、最近は新種の恐竜が作り出されたりして、話が別方向に進んでいますが、シリーズごとに活躍する恐竜がちがうので、それも楽しみのひとつ。今回は頭の固いパキケファロサウルスが主人公を助けてくれます。あっ、ネタバレ?  恐竜続きでものすごく面白かった本を紹介します。「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」(新潮文庫)  鳥類が恐竜から進化したことはほぼ定説になっていますが、今ひとつ納得できないところがありました。それがこの本を読むとすっきり分かります。口調(文調?)も軽く楽しく読めます。
 早く見たかったのは、「未来のミライ」。細田守監督の作品ははずれがありませんが、どれも印象がちがいます。その中でこの作品はいちばん分かりやすくすとんと気持ちの中に入ってきます。4歳のくんちゃんの小さな大冒険?は幼児のゆれる心情を痛いほどうまくとらえています。親もゆっくり成長していくところが泣かせます。
 おさらいに「サマーウォーズ」と「バケモノの子」も見直してみました。それぞれ納得でした。

◇アートピアのワークショップもいつのまにか今年で10回目。後でアンケートを見たら、9回参加という方がいて驚いた次第。そして、今回はやっと前の職場の子が参加してくれ、企画した甲斐がありました。
 私のメニューは「つり竿づくりと魚釣りゲーム」。つり竿は低学年の子でも作れるように組み立て式にしましたので、簡単に完成。魚は塗り絵をデザインしてもらったので、思い思いに塗り分けていました。その魚にヒートンをつけてつれるように準備したら、ゲームの開始。しばらく練習した後、大きい子と小さい子に分けてスタート。中に賢い子がいて、釣り糸を垂らさず、そのまま次から次と魚を引っ掛ける子がいて見てる方が唖然。圧勝でしたが、だれも責める子もなく平和に終わりました。久しぶりに小ずるい子どもらしい子どもに会えました。

◇来月韓国で行われる組み木フェスが気になりますが、毎年ワークショップで糸のこ体験をしてもらっています。10センチ四方の枠にデザインしたものを切ってもらっていますが、今年は大人向きの「居酒屋組み木」と名前にちなんで「三つの輪」にしてみました。両方とも組み立てて遊べるようにしましたが、韓国の方に通じるか不安です。

◆◆9月の予定◆◆ ・ひろば 2日(日) 21日(日) ・工房  8日(土) 29日(土)
・組み木フェスティバルin済州島 15,16

■ご連絡  「工房ひろば」の周りはコンクリートブロックに取り囲まれています。昨今の話題のように大きな地震が来たら落下する危険があります。これまでよく無事だったと思いますが、思い切って工事をすることにしました。西側のブロックはすでに取り外してフェンスに変えました。休み中には南側のブロックもフェンスに変えますので、かなり景観が変わると思います。お楽しみに。