ひろば通信 19-04             

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   2019年4月2日(火)

  ◆◆4月の予定◆◆ ・ひろば 7日(日)、21日(日)
           ・工房  13日(土)、27日(土)

◇新しい年度になりました。進級、進学の皆さんおめでとうございます。そして、ひろばは29年目に入りました。来年は30年の区切りになりますので、記念にまた個展を開くつもりでいます。
 ひろばを始めた頃、アパートのひろばを中心に雑木林で遊ぶ子、日長漫画に読みふける子と弁当持参で丸一日過ごす親子も見えました。あののんびりさはもう戻って来ないかもしれませんが、せめてこの空間の中だけはちがう時間が流れるように、もう少しおもちゃたちに働いてもらおうと思います。

◇やはり陽気が暖かくなると落ち着きません。一気に園芸作業が増えるからです。最初の仕事は、大切に育てて来たパンジーなどの苗の植え替え。今年たくさん育てたのは、ある目的があったから。夏に工事した工房周りのフェンスをハンギングで埋めたかったのです。一応わが家にある鉢やバスケットを総動員して、苗を並べてみました。育ちきってないのに花が咲いてしまったちびちゃんたちもいっしょに今フェンスを飾っています。
 毎日のように新しい花が咲いてくるこの時期ですが、うれしいのは細い枝にかわいく芽生えた新芽や土の中からひっそりと顔を出した新芽たち。その黄緑色の若芽にいちばん気持ちが癒されるのは何か根拠があるのでしょうか。

◇綾織り研究が続いています。コースターのパターンはほぼ完成。大きいチエック柄も完成し、今倍の長さで織る工夫をしています。そして、念願のマフラーの長さになる織り機も作りました。テーブルを使ってたて糸をセットして、それを巻き取って織っていく優れものです。操作もしやすくぜひ紹介したいと思います。そこでまだちょっと研究中ですが、春の工作教室としてワークショップを企画しましたので、文末をご覧下さい。

◇わが家は娘が二人だったからか、五月人形をあまり作ってこなかったことに気づき、久しぶりに小黒三郎さんデザインの五月人形の段飾りを作ってみました。さすがに洗練された組み木デザインで、師匠のすごさを見直しました。バックの幕の代わりに綾織りで織ったタータンの布を使ってみました。ついでに昔デザインした赤ちゃんモデルの五月人形も切ってみました。プロとの差が歴然としています。

◇工房でどなたかの作りかけだった立体パズルも仕上げておきました。簡単パズルの仲間入りです。もうひとつ工房で眠っていたのは、古い木材標本。タイトルが右から横書きで書いてあるので戦前のものかも。残念ながらラベルが全部はがれていたので、途方に暮れていましたが、組み木の仲間に家具屋さんがいることに気づき、思い切って依頼したら快く引き受けてくれ、分からないものも調べてくれました。ほぼ23種類の木材の名前が判明しました。名前が分かるというのはとても気持ちよく大事なことだなと、ふだん木も花も草もいい加減に扱っている事を反省しました。

◇最近のひろばでまたときどき「はたらくくるま」で遊んでくれるので、これも作りかけだったくるまを仕上げました。全部そろえると棚に収まらないので、このくらいにしておきます。

◇物置に貯まっている木材を使っての家具作りも続いています。例の入れ子式のいす兼テーブルセット。3つ目のテーブルまで作りましたが、そりがあってすき間があいたので、ハタガネを使って締め直しました。しかし翌日また空いてしまいました。木のそりはそんなごまかしでは効きません。西岡棟梁が言っていたように、そりがあるならそれを生かして使うという謙虚さが大事。またやり直しです。
 その経験が生きました。工房によく通っていた子が成長して一人暮らしを始めるのを記念して、自分で使うローテーブルを作りたいというご要望。 多少手伝えるかもと工房での作業が始まりました。 結局用材の杉板はホームセンターでカットしてきて、難しかったのは板を合わせて広い天板を作った事。ずれないように治具を作って穴をあけ、組んでいきます。当然そりがあり、少し凹凸ができましたが、サンダーをかけるととても味のあるできになりました。仕上げにこれも工房にあった蜜蝋ワックスを使いました。二三日経つととてもつやが出て、これも新発見でした。社会人としての旅立ちを祝福しているのかもしれません。

◇ひろばにたくさん積んであるボードゲームをもう少し取り出しやすくしようと、棚板を増やしました。これも長さが足らなかったので、天板の経験を生かし、板の継ぎ足しをしました。多少見栄えがよくなりました。

◇ディズニー映画「ダンボ」が実写化されるというので、勇んで見に行きました。アニメ版が公開された時、ほとんど映画体験の始まりだった気がします。洋画好きな母親がバンビやピノキオなどディズニーアニメが公開される度に連れてってくれたのです。このダンボも母象と鼻をからませて別れるつらい場面を鮮明に覚えていて、実写でどうなるか楽しみでしたが、ものすごくリアルに描かれ、映像表現のすごさに驚きました。ただ、メリーポピンズの時のように素直に感動できなかったのは、なぜでしょう。たぶん、リアルすぎてアニメにあったユーモラスな感じが少なかったのかもしれません。皆さんの感想をお待ちします。
 「グリーンブック」は賞をとっただけあり、しっとりと感動できます。黒人差別を静かに訴え、決して自分を曲げない主人公の強い生き方に勇気がもらえます。

◇綾織りに関連して、織りを主題にした小説「からくりからくさ」を紹介してもらいました。「西の魔女が死んだ」で有名な梨木香歩の作品。昔工房で染織を習っていたことを思い出しながら、織りに係る女子たちの素朴な生き方が静かなドラマとして展開します。ものづくりに真摯にむかう姿に励まされます。
 原田マハの作品「ロマンシェ」は、これまでとちがう文調にとまどいましたが、性同一障害の男子が主人公。この心情を切なく表現しながら、やはり芸術活動の中に引き込んでいきます。さすがです。
 続々と発刊されるジブリのシネマ・コミック、今度は「となりの山田くん」です。あのひょうひょうとした家族の物語をなつかしく読みました。

■春の工作教室のお知らせ
《タータンチェック模様を織ってみよう》

「綾織り」という技法を使って、タータンチェックの模様を織ってみます。平織りで使った織り機を利用して、
クリップのかけ方を変えると模様が生まれます。少し難しいですが、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
1.コースター織り ・日にち 4月28日(日) AM 10:00〜12:00
2.花瓶敷き織り ・日にち 4月28日(日) PM 2:00〜4:00
3.テーブルマット織り ・日にち 4月29日(月) AM 10:00〜
4.マフラー織り ・日にち 4月30日(火) AM 10:00〜
○各コマ人数 先着5名 小学3年生以上  大人のみ可 希望コマ複数可 ○材料費 500〜1000円 ○持ち物 室内履き
○申し込み FAXかメールで ひろばまで   

 ◆◆5月の予定◆◆ ・ひろば 5日(日)、19日(日) ・工房 25日(土)
              (おもしろ学校の受付は5月1日から始まります。)
PS.新年度になりひろば通信を卒業される方も一報ください。