ひろば通信 19-10             

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   2019年9月30日(月)

◆◆10月の予定◆◆ ・ひろば 6日(日)、20日(日)
           ・工房  12日(土)、26日(土)  ・卒業生の会 13日(日)


◇裏庭に回ると白い彼岸花が群生して咲いていました。去年までは確か4,5本だったと記憶していますが、びっくりしました。陽に当たるとそこだけ白くボーっと光るので幻想的です。父もすてきなものを残してくれました。来年も楽しみです。

◇裏磐梯の組み木フェスティバルに参加する前に、東京で一泊。目的は恐竜展と高畑勲展の見学。恐竜展では北海道で発見された「むかわ竜」の全身骨格が展示されており、その大きさにびっくり。こんなのが太古の北海道を歩いていたんですね。そして「むかわ竜」は正式な学名が「カムイサウルス・ジャポニクス」に決まったそうです。当然のごとく数日後工房にもどってから、デザインしてみました。のんびりした感じを出してみました。
 会場には前に紹介した羽毛恐竜の「ディノケウルス」も展示されており、全長13メートルの大きさを実感しました。恐竜が鳥に進化したことも分かりやすく説明されており、やっと納得できました。
 もう一カ所の高畑勲展も充実していました。先日まで放映していた朝ドラ「なつぞら」の中で、アニメーター仲間の一人として坂場の名前で登場しているので、よけいに関心がありました。ジブリファンとしては、ドラマの中での扱いと実際の彼の仕事とのマッチングもチェックしたい気持ちもありましたが、展示のていねいさ、質の濃さを目の前にするとそんな気持ちは飛んでしまいました。ひとつの作品に向き合う尋常ではない準備、計画、発想がノートやメモに克明に残されています。それをスタッフでいつも共有するという姿勢ですから、彼の与えた影響は計り知れないものがあります。誰がそれを受け継いでいくか、今後の映像世界をじっくりながめていきたいと思います。

◇裏磐梯の3日間は緑豊かな涼しい空間で言うことのない日々でした。10台用意した電動糸のこも休み無く働き、3日連続で参加した人もいて、組み木を堪能していました。
 最近私の展示はキューブパズルに集中していますが、今回は集大成のつもりで、大きな作品にしてみました。その意図は、手本にして来た小黒三郎さんの作品に「45ピースの立体パズル」というのがあり、同じ大きさのパズルをオリジナル作品でそろえてみました。そのバズルは6×6×6の大きな立方体に収まり、それを3×3×3,4×4×4,5×5×5の3つの立方体に分けることができます。その遊びをしたくて箱も入れ子式になるようにそろえてみました。
 帰宅後手本にした小黒さんの作品を作り直して、ひろばのおもちゃの仲間入りをさせました。

◇工房もひろばもにぎやかさが復活してきてうれしい限りですが、時々対応しきれないことがあって、申し訳なく思います。まずひろばではたくさんあるボードゲームのルールをきちんと理解しているものが少なく経験者に頼っています。ゆっくりいっしょに遊べる時間がとれるといいのですが。
 工房では、先日「竹とんぼ」に挑戦したい子がいて、さっそく竹を切って竹板作りから始めましたが、何せ自分ではほとんど作ったことがないので、うろ覚えの知識で指導。案の定うまく行かず断念。うなだれて帰っていく姿に、リベンジしなくてはと翌日見本を見ながら作ってみました。ナイフとサンダーを駆使して、薄く薄く羽根を削っていったらようやく天井まで飛んでくれました。糸のこに頼り切ったおもちゃはたくさん作ってきましたが、まだまだ他にも手づくりおもちゃはあります。もう少しこれから領域を広げてみようかな。

◇高畑監督が制作したテレビアニメのひとつに「母をたずねて三千里」という作品があります。当時少し見ていた記憶がありますが、原作をちゃんと知りたくてさがしたら、古典の名作「クオーレ」の中に収録されていました。クオーレは大半が19世紀末のイタリアの学校の話。学校の職場から離れた身には妙になつかしい感じで読みいってしまいました。話題は先生との何気ないやりとりやいじめ、成績の話と大したエピソードはないのですが、そこに挿入された「今月のお話」というのが辛辣な内容が多く、そのひとつがこの「三千里」の話になっています。小さいマルコが遠く離れた土地にいる母親に会いにいくまでの話ですが、途中で出会う大人たちとのやりとりが心に残ります。展示会場にはマルコが訪ねていく数々の町の風景がずらりと背景画として並んでいました。原作と照らし合わせると、町の風景さえ手を抜かない高畑監督のこだわりが伝わってきます。

◇旅行中読もうと見つけた本が「東京会舘とわたし」。「ガラスの弧城」を書いた辻村深月さんの作品。創立は大正12年、関東大震災や東京大空襲を乗り越えた昭和、平成と続くレストラン会舘。それを関係者や利用する家族のエピソードを交え、淡々と時を追っていきます。しゃれたバーカウンターやレストランメニューの味わいが随所に語られ、読むだけでちょっとリッチな気分になります。誰か招待してくれないかな。

◇岡崎勝さん編集の「おは」の新刊「学校に行かない子との暮らし」は学校のあり方を考えさせられます。私も初任の頃は学校に行くことが当たり前で行かないのはおかしいと、どうしたら素直に行けるか無理強いしたこともありました。後悔しても遅すぎますが、行かなくてもいいという選択はまちがっていません。子どもに合わせるという発想がこの国には足らなすぎます。学校や教師の役割をもういちど考えるためにも必読です。

◇「東京裁判」の映画を見てきました。夏に公開され、評判になって再上映されました。何せ4時間を超えるドキュメンタリーなのでためらいはありましたが、見ておかなければという気持ちに押されて出かけました。戦前戦中の記録映画が鮮明に復元されており、日本軍が愚かな戦争に没入していった過程を、戦犯の証言とからませてたっぷり見せてくれました。弁護人にアメリカ人がたくさんいたことも驚きでしたが、なぜこの戦争を止められなかったか、今の自分たちに問いかけてくるようでした。

◇「記憶にございません」は久しぶりに心から笑えた三谷映画でした。現政権への直接批判かと思いきや、企画はもっと前から練っていたらしく映画としての笑いを追求していたようです。監督を見直しました。

◇恐竜デザインが続きます。正確には肉食性海凄爬虫類ですが、モササウルスを作り直しました。やはり恐竜展にて迫力ある展示がされていたからです。あのティラノサウルスさえ海に引きずり込んでしまう力はどこにひそんでいるのでしょう。

◇恐竜の学説もいろいろ変化しているのを受け、専門書を読み直しています。研究の歴史をたどりながら、科学者自身の生涯にも触れ、鳥への進化がもう少し理解できるかもしれません。

■お知らせ
・ながくてアートフェスティバル 9/28〜10/20 長久手文化の家他 たくさんのワークショップが満載
・秋元紀子ひとり語り 10/6 昭和区 川原田家 (問い合わせ midorikawarada@gmail.com)  
 
・木のおもちゃ展(遠藤裕&加藤清克) 11/2〜10  科学館  

◆◆11月の予定◆◆ ・ひろば 3日(日)、17日(日)
           ・工房  9日(土)、30日(土)