ひろば通信 20-11             

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    2020年10月29日(木)


◆◆11月の予定◆◆ ・ひろば 1日(日)、15日(日)
           ・工房  7日(土)、21日(土)


◇ひと月くらい毎日のように咲いていたムクゲの季節が終わったので、そろそろまた剪定の時期。外仕事が多くなりますが、そんなことをしているうちに今年も終わりが見えてきました。ほとんどのイベントが中止になり、糸のこを動かす手も滞っていましたが、唯一「おもしろ学校ごっこ」は開催しますので、今その準備に精を出しています。

◇今回の私のものづくりは、(これオンリーで授業を引き受けています。)
「流れる万華鏡づくり」。
 数ある万華鏡の中でも最も美しい模様が見られます。試験管などのガラス管の中をゆっくり流れてくる模様をのぞくと動く別世界が現れます。ひとときとして同じ模様がないその変化に時間を忘れます。
 さて、この作り方ですが、以前は「ものづくりハンドブック」という仮説実験授業の会編集のテキストを踏襲していましたが、ひとつオリジナルワークショップにしようと他の専門書を参考にしながら工夫してみました。
 大事なのはミラーの幅。普通の万華鏡は正三角形の形になりますが、ここは試験管の幅に合わせて細長い二等辺三角形の形にします。外枠も糸のこを駆使して、試験管がぎりぎり入る穴をあけた板を用意しました。いちばん苦労したのは、試験管に入れる細かい色砂をどう入れるか。すぐこぼれてしまうので、ロート状の道具が必要です。人数分のロートを買うのは予算オーバーなので、思いついたのはシロップの小さなカップ。そこにストローを差し込み、画用紙でロート状にしてみました。本番でどこまで役立つか楽しみです。
 今回のおもしろ学校は、コロナの関係で定員も半分になっています。殺到することも考えられますので、お早めに申し込みください。受付は11月1日からです。

◇先月またひとつ年をとりました。ついに古希です。といっても還暦の時ほど感慨もなく、娘たちにも無視していいよと告げておいたのですが、しっかりお祝いを送ってくれ柄にもなく感激。持つべきものは何とやらでした。こんな感じでまたお酒がすすみそうですが、そのつまみはできるだけ手づくりに挑戦しています。薫製にもだいぶ慣れてきましたので、ガス乗せオーブンと共に中華鍋が活躍しています。

◇工房にストックしてある木材もそろそろ使い切ることを目標にしていますが、イベントがない関係で、作品作りと結びつきません。そこでとりあえず、いろいろな箱やちいさないすなどを作って消化していくつもりです。もし、ご注文があれば受け付けますのでご連絡ください。
 そんな箱に新作の鳥「ハシビロコウ」を置いてみました。その大きな頭とクチバシがユーモラスで、しかも魚の取り方もユニークです。じっと動かず油断させておいて一気に行きます。目つきも怖いのですが、そこは想像してください。

◇田島征三さんの原画展に行ってきました。長久手の会場まで、久しぶりに乗ったクロスバイクでサイクリング。片道50分のいい距離でした。そういえば、若いときは港区の小学校までこの距離を毎日走っていました。しかも10年間。我ながら感心します。さて、原画は新作の「つかまえた」から。川の水のタッチが柔らかくなり、田島さんの心境の変化を感じました。「しばてん」や「ふきまんぶく」の迫力が懐かしいですが、80を越えても新作に挑戦するエネルギーを学びたいものです。
 購入したのは「やぎのしずか」の新作「しんみりしたいちにち」。娘たちが小さいときよく読み聞かせていたシリーズですが、まだ続いていました。そして内容もとてもしっとりしています。

◇長久手の帰りに寄ったのは「トムの庭」という絵本屋さん。カフェと併設でとてもいい空間でした。オーナーの月丘さんとは古い知り合いですが、場所を変えながらもその仕事をずっと続けていられる熱意に打たれます。当然並べられた絵本や書籍も彼のこだわりがあり、どれも手に取りたいものばかり。ここでも時間を忘れます。選んだのはフランスの作家イザベル・シムレールの「あおのじかん」。大胆な構図に筆のタッチが見たことのない雰囲気をかもし出します。いくつかある本の中でこれがいちばん気に入りました。他のもお薦めです。
 この店にもあったショーン・タンの「内なる町から来た話」を読んでいます。シュールな絵とシュールなストーリーが不思議な魅力で、首を傾げながら何故か引かれます。

◇星野道夫さんの動物写真をヒントに絵本を仕上げた方がいます。作者は野鳥の図鑑絵本で有名な鈴木まもるさん。アラスカに打ち捨てられたヘラジカの骨の写真から壮大なヘラジカの物語を綴ります。こんな生かし方があるのですね。合わせて星野道夫の初期の写真集の新版も読み応えがあります。

◇映画館が元気になってきました。公開が延期されていた作品が続々と登場してにぎわっています。
 こちらもマスクをつけながらせっせと通っています。何故か邦画ばかりです。
・「浅田家」家族写真をモチーフに自分の写真スタイルを築いた青年が東北の震災を機にさらに家族写真の意味を追究して行きます。子役はうまいですね。
・「スパイの妻」評判になりましたが、仕組まれたミステリーに気づかず、妻の心理的変化だけが心に残りました。もういちど見直すかな。
・「朝が来る」原作もしっかり読み、少し構えて見たせいか、感動がいまいちでした。赤ちゃんを産んだ女の子がその後の複雑な人生の末、わが子と巡り会うシーンに救われます。
・「友だちやめた」聾者の女性とアスペルガーの女性が、ふとしたきっかけで、いろいろがまんしていたことをぶちあげます。本当の共生の姿が見えました。

◇夏川草介著「始まりの木」もお薦めです。民俗学専攻の若い院生とくせのある老准教授が日本各地を訪れながら、楽しいやりとりをくり返します。民俗学のことから人生の妙、霊魂等など不思議な世界に引き込まれます。いっしょに旅行している気分になれます。

◇「銀河鉄道の父」は宮沢賢治の父から見た賢治像を描いた作品。あくまでフィクションと断ってありますが、かなり史実に忠実に再現されている印象でした。あの時代にこんな父親がいたのかと驚くくらい子煩悩で、何を捨てても子どもの力になりたいという希有な存在。賢治があれだけの作品を残せたのもこんな裏方の援助があったのですね。宮沢作品をもういちど読むしかありません。

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 ◆◆12月の予定◆◆ ・ひろば 6日(日)、20日(日)
            ・工房 12日(土)、26日(土)
            ・一日おもしろ学校ごっこ 5日(土)