ひろば通信 21-06             

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    2021年5月31日(月)


  ◆◆6月の予定◆◆ ・ひろば 6日(日)、貸し出し・返却のみ
           ・工房  12日(土)、26日(土) 要予約 定員4名    
           ・おもしろ学校 19日(土)       
           ・アートイ展 15〜20


◇やはり緊急事態宣言が延長されてしまいました。 この1年、事態は好転するどころかウィルスに負け続けています。何を最優先にするのか、その辺が曖昧なままの政策が続いています。閉じこもるのは苦痛ではないですが、周囲との接点が薄れていくのはつらいですね。マイペースを保ちつつ、最低限の発信は続けていくつもりです。そんなわけで、こちらも感染対策のため今月のひろばはまた貸し出し・返却のみ、工房は定員を4名までにしてお待ちしています。

◇5月、6月は収穫が続きます。昨年秋から育ててきたソラマメもおいしくいただきました。ポット植えのイチゴは赤くなるとカラスに食べられないように袋をかけて守り、申し訳程度に嗜んでいます。さて、まず集めたのは庭中に咲くドクダミ。一番花が咲くのを待って大量に刈り取ります。(この時期がいちばん香りが強いと聞いたので)2週間干してお茶にします。今は水だしでハーブティーと交互にいただいています。続いては月桂樹の剪定。こちらはしっかりした葉を選んでやはり乾燥させた後料理に使います。
 この後はウメもぎ。例年より3週間も早く梅雨になっていますが、晴れ間をねらって作業しました。そこそこの収穫でしたが、わが家は梅干しオンリー。最近覚えたのが、赤シソは使わないで、塩と氷砂糖で漬けるやり方。とてもまろやかな仕上がりになります。新タマネギもプランターでたくさん出来ました。生で食べても辛みが少なくサラダに最適です。
 こんな風にすべて順調そうですが、あやしいのはキュウリとズッキーニ。キュウリは雌花の後大きくなるはずの実が成長しないまま枯れてきます。ズッキーニは雄花が先に咲いて雌花が咲く頃には無くなって受粉できません。家庭菜園もなかなかたいへんです。

◇そろそろ作品作りも終盤になってきた気がして、整理することが増えてきました。先日は数年前一気に増えたビー玉のおもちゃを見直してみました。娘のダンス公演で使ったビー玉アルファベットは赤ちゃんの誕生祝いに今も活躍していますが、眠っているものもたくさんあります。こんなときは子どもたちにチェックしてもらうのがいちばんですが、学校現場からも遠くなっていますので、子ども目線でチェックしました。出るわ出るわで大量処分。当時の自分には申し訳ないのですが、おもしろいという実感が湧かないものは残す価値はないということでお別れしました。かろうじて残し、あるいは作り直したものを紹介します。

◇定員を半分にして開催する「おもしろ学校」ですが、今回も初日から申し込みが殺到。メールの方が大半ですが、夜中の零時から発信されており、昼には埋まってしまいました。まるでライブチケット販売のようでした。いろんなイベントが中止になっているのでよけいに反響があったのかもしれません。キャンセル待ちの方、次回は平常通り開催できることを祈ります。
 銀座のアートイ展も入場者を制限して開催されます。私も久しぶりに上京しますが、参加は初日と最終日だけにしました。たくさん触って遊んでほしいですが、今回はそんなわけには行かないかもしれません。展示イメージです。

◇「アルプスの少女ハイジ」のアニメを見直しています。まだ山の生活を楽しみ始めたばかりですが、本当によく出来ています。背景の山も確か現地へ行って観察してきたと聞きます。宮崎アニメの原点がここにある気がします。おじいさんがだんだんやさしい顔になっていくところやペーターとのかけ合いなど人物もしっかり描けています。のちのちクララが登場してアルプスから離れたハイジの幽霊事件などつらい場面も記憶していますが、しばらく楽しんでみます。

◇アカデミー主演男優賞をとったアンソニー・ホプキンスの「ファーザー」を見てきました。評判通り客入りも多かったですが、しっかり一つ置きに配置されていました。ストーリーは年老いた父を心配する娘とのやりとりの中で、すでに記憶が曖昧になっている状態を映像とホプキンスの演技でうまく構成しています。思えばグループホームにお世話になっていた母も晩年は家族の顔も分からなくなっていましたが、何故か息子の私だけ認識していたようで、何とも複雑な気持ちになったものです。ラストで泣きながら母を呼ぶホプキンスの演技に胸に迫るものがありました。

◇宣言中でも名古屋では映画館が運営されていることを幸いに「HOKUSAI(北斎)」も見てきました。前にアニメで北斎の娘を描いたのを見ましたが、意外と長生きした人生だったようです。ていうか、人生の晩年に有名な「富嶽三十六景」などの作品境地にたどりつき、死ぬまで創作を続けたそのほとばしるエネルギーを柳楽優弥から田中ミンへのバトンタッチの中で描ききります。筆一本で描く絵師もすごいですが、映像の中では堀師や刷師の作業も克明に描かれます。江戸文化の技が遠く西欧の印象派に影響を与えた訳が分かります。

◇そのことにも触れているのがおなじみ原田マハの「モネのあしあと」。ゴッホとちがい、生前から評価が高かったモネは、自分の大作「大睡蓮画」の展示の仕方も指定して生涯を閉じます。そしてモネの作品は国内にもたくさんあることが分かります。幸せな画家人生だったようです。

◇「凍りのくじら」は辻村深月の長編小説。ドラえもん好きな著名な写真家を父に持つ娘は突然の父の失踪に気持ちの整理がつかず、なげやりな性格を演じます。ドラえもんの道具をテーマに友人関係、恋愛関係の人間模様を少しずつ整理していきます。その過程で自分の本当にやりたいことを見つけていく姿に何かとても温かいものを感じました。

◇家庭菜園のむずかしさを書きましたが、生き物の方も簡単ではありません。毎年レモンの木にアゲハの幼虫が群がるのですが、今年は捕獲しませんでした。飼育箱に移して育てれば羽化するはずですが、肝心のえさがなくしかたなく成長を見守りました。サナギ近くまで育っても後一歩のところで姿が見えなくなります。生存競争の厳しさを感じます。「はらぺこあおむし」のような世界は子ども心にいつまでもしまっておいてもらいたいものです。
エリック・カールさんに合掌。         
◆◆7月の予定◆◆
 ・ひろば 4日(日)、17日(土)
 ・工房 10日(土)、24日(土)  ・知立アートフェスティバル25日(日)