ひろば通信 21-10             

・発行 おもちゃのひろば  
・TEL&FAX 052-834-1986                                 
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・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
    2021年9月30日(木)

        
 ◆◆10月の予定◆◆
・ひろば 3日(日)、16日(土)※ ・工房 9日(土)、23日(土)要予約
  
※日曜ではありませんのでご注意。

◇ようやく過ごしやすい季節になりました。今月は誕生月でもありますので、いい季節に生んでくれたと親に感謝です。親の跡地に工房とひろばを広げて早30年。当分頭が上がりません。庭の植物も引き継いだものがたくさんありますので、せいぜい枯らさないように世話にいそしんでいます。

◇今年の夏はコロナ禍と長雨が記憶にありますが、気づいたら球根の掘り起こしをすっかり忘れていました。毎年梅雨明けには球根を掘り起こして今月中頃植え直すのですが、もう芽がたくさん出てしまったので、始めてそのまま来年に持ち越すことにしました。春にうまく咲いてくれるかお楽しみ。

◇今楽しみなのは、プランターで育っている落花生。だいぶ成長して来て、茎の間から子房柄という細い腕をのばして土にもぐっていきます。あとひと月くらいしたら土の中にできるはず。塩ゆでの落花生が待ち遠しいです。

◇来月のイベントは春日井市が会場でテーマも「かすがい」でした。延期を決めたとたん作品を思いつきました。いつものキュープパズルの中に春日井関連を収めてみました。サボテンの街と言われ、書道と剣道が有名。そしてわが糸ノコの会社の本社があることで、その他は金具の「かすがい」にしました。また変則技を使っています。ケースの方は市のマークの桜と市の木「ケヤキ」の葉で窓を開けました。これも一年お預けです。

◇今月と来月に予定していたイベントですが、結局来年に延期することにしました。感染者数も減って来て行動制限も緩和されるというニュースが流れていて、少し早まったかと思いつつ、不安が払拭された訳ではないので、安全策を優先しました。イベントに向けた心の高揚を日常にどう振り向けるか気持ちの切り替えが問われています。 
  幸い工房で糸ノコにハマり始めたお子さんが生き物好きで、マニアックな作品にも挑戦し始めていますが、この前は「ヨシキリザメ」を作りたいと言い出しました。サメはすでにいくつかデザインしていますが、このサメはもれていたので宿題にしてもらいました。最近は図鑑を見るより、スマホの検索で画像がたくさん出てくるので、デザインも楽ですが、私のパターンは真横から見た形を立体に起こすやり方なので、ぴったりの画像は少なくやはり想像力が入ります。ただ、このヨシキリザメ、世界一美しいサメと言われており、その形に神経を使いました。けっこう自己満足していますが、果たして工房での評価が気になります。

◇もうひとつ宿題があり、娘も卒園した「風の子幼児園」のバザーで使う景品選びができる装置のご要望がありました。あまりゲーム系の作品は作って来なかったので悩みましたが、思いついたのは「古墳」をテーマに作ったビー玉おもちゃ。おもちゃ仲間の方に教えてもらったケプラーの法則が再現できる湾曲した円盤にビー玉を転がすと楕円運動をはじめ、それが惑星の軌道になるそうです。私はそれを前方後円墳に見立て、中心から落ちたビー玉がゴールにゆっくり向かうようにしました。4つに分かれているところがミソ。処女作を1.5倍に拡大にしてバザー用に改良しました。 
 こんな注文があるととても気分転換になりますので、ご要望お待ちしています。

◇先日娘の舞台が東京であり、久しぶりに上京しました。せっかく上京するので、ついでに見たかった木彫展に先に寄りました。東京駅のギャラリーで開催されていたその木彫展は藤戸竹善というアイヌの木彫家の個展。かつて土産物の熊の木彫りがブームでどこの家でも見かけましたが、わが家にも確かにありました。彼のベースも同じでしたが、とても同じ彫刻刀で掘ったとは思えない作品ばかりでした。熊の毛並みの一本一本を切り出し、また表情や動きが本物と見まがうほどリアル。等身大の熊に至っては、感動でこみ上げるものがありました。熊ばかりでなく、アイヌの古老たちの立ち姿、水の生き物たち、兎や狼、猿と自在に広がります。また狼に育てられた少年の物語を17篇の立体彫刻で表現した作品は圧巻でした。この地に巡回してくれることを期待します。

◇娘たちのダンスグループも結成15年になるそうです。学生時代の仲間がそのまま続いているので、結婚、出産、離婚など人生の機微を経ながら、身体で表現したいという一点でつながっているのがすごいと思います。娘もこのグループの中にいるときがいちばん安定しているように感じるのでさぞ居心地がいいのでしょう。うらやましいかぎりです。

◇先月のひろばですすめられたボードゲーム「クアルト」を購入しました。四目並べの応用ですが、形、高さ、色など何か4つそろえば「クアルト」と叫びます。おもしろいのは相手から渡されたピンでそろえていくこと。駆け引きが少々大人向きです。とても楽しそうなので、思わずミニ版まで購入してしまいました。貸し出しは来月からです。

◇今年亡くなった半藤一利さんは昭和史の語り部でした。「日本のいちばん長い日」をはじめとしておろかな戦争に突き進んでいく昭和史の詳細について包み隠さず伝えてくれます。その遺作となったのが、孫の淳子さんが編集した「戦争というもの」。太平洋戦争当時を中心に軍人や政治家、その他民間人も含めて発言して来た「いい言葉」が14集められています。当時の日本人の考え方や何を誤っていたのか、その言葉から感じることができます。半藤さんが未来に生きる若者たちに知っていてほしいという願いを孫に託したようです。

◇久しぶりに重松清の本を読みました。教科書に載ったという短編集です。「カレーライス」と題された9本のお話はどれも子どもが主人公。(当然か)それにしても子どものつぶやきや大人とのやりとりのうまさはさすがです。時々送ってくる長女の児童小説の素案が重松さんの作品とかぶることがあるのでハラハラしています。

◇村上春樹の原作を映画化したという「ドライブマイカー」は、セリフをとても大事にした作品でした。劇中劇の「ワーニャ叔父さん」の舞台稽古と現実がシンクロしていくのも絶妙な展開。車の中の会話が物語の本質をついているので怖いくらいでした。

◇「総理の夫」は原作のおもしろさに及びませんでした。(原作を超えた映画ってあったっけ)原作を読みながら、誰がこの役にいいか想像していましたが見事にはずれました。夫役の田中圭がラストで奥さんを大声で励ますシーンが印象的。原作にあったかな。それにしても現実の総理大臣はこの1年言葉らしい言葉を聞くこともなく、あっさりと身を引いただけ。何をしたくてトップに立ったのかせめて最後に教えてくれませんか。   

 ◆◆11月の予定◆◆
    ・ひろば 7日(日)、21日(日) ・工房 13日(土)、27日(土)