ひろば通信 22-02             

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    2022年2月2日(水)

        
 ◆◆2月の予定◆◆
・ひろば 6日(日)、20日(日) ・工房 12日(土)、27日(日)* (注)*変更しました。
・南図書館工作教室 19日(土) (午前 機織り入門 午後 テーブルマット)

◇案の定感染が広がっていますね。現場から離れているので、直接の状況は入ってきませんが、小学校、保育園での広がりに心を痛めています。すでに3年目に入っているので、いろいろな対策が万全になされていていいはずですが、あいかわらず後手後手が続きます。ワクチン接種には付き合いますが、万能ではないことは明らか。自己防衛しかないのでしょうか。
◇これまでどおりひろばや工房は開催していますが、対策として以前のようにひろばは、家族単位で、貸し出し返却のみ、工房は定員4人にしぼりますので、ご理解ください。
◇先月半ばから、ミニハウスづくりに没頭しています。6月に開かれる「アートイ展」を意識したものですが、テーマの「かけ橋」のイメージにはこれだろうということで、少し大きめのミニハウスと家具をそろえることにしました。これまで、自分のサンプルとして一通りの家具を作ったつもりでいましたが、子どもたちと何度もワークショップをくり返すうち、自分では思いつかなかった作品も貯まってきました。前に紹介したグランドピアノのふたが空いた作品とか、動く遊具の要望などが作品の枠を広げてくれました。
 今回はそれらの家具のサンブル一式と家を2軒、洋風のものと和風の白川郷の家をイメージしたものを用意しました。すると家具を並べるうち、新しいイメージが湧いて来て、夜中寝床の中でイメージしたものを翌日工房にて形にするという、何年ぶりかの作り手どっぷりの時間を味わっています。
 これから何回か分けてその一端を紹介していきます。まず、洋風の方はわが家をイメージしているので、どうしてもおもちゃの部屋と工房がほしくなります。そこで例のパーツ6種類を駆使ししておもちゃを作りました。とりあえず「木馬」と「積木セット」。そして、工房には当然糸のこも用意してあります。
 和風の家は蚕を飼って、糸を紡ぎ、機織りをしているということで、「機織り機」と「糸紡ぎ車」を作りました。でき上がった着物も掛けてあります。こんな風にイメージがどんどん広がりきりがないくらいです。いい頭の体操になっています。
◇先日庭師さんに剪定に来てもらいました。何年もお世話になっていますが、ぼそっと「だんだん剪定しやすくなっていますね」と一言。毎年なので木の方もそれに応えているのでしょうか。木と対話ができているようです。もうひとつ、枯れてしまった木があるので、理由を聞いてみましたが、弱ってくるのは仕方の無いことで、その分他の木の緑が広がり、全体として緑が保てるように場所を譲り合っているのだそうで、妙に納得してしまいました。こういう見方ができるのはうらやましいですね。
◇昨年のボヤ騒ぎで蓄えてあった堆肥を灰にしてしまったので、またやり直し。幸い落ち葉はまだ貯めてあったので山にしましたが、硬い葉っぱだらけ。前は粉砕機を使っていましたが、すでに処分してしまったので道具がありません。そこでもらった太い丸棒を使って、粉砕する道具と鍬もどきの農具?を作りました。作るものが変わってきましたが、これもいいでしょう。
◇昨年見た映画で報告がもれていましたが、とても印象的な作品でした。「グンダ」という名前の親ブタを主人公にして、ある農場の風景を映し出します。しかもナレーション、音楽なしという設定。聞こえるのは動物たちの鳴き声と風の音や木々の響きだけ。豚小屋からは生まれたばかりの子ブタたちが飛び出してきては親の乳房を競争でまさぐります。遅れて生まれて来た体の小さい子ブタはおっぱいにありつけず、うろうろしながら、やっとおこぼれにありつきます。そんな毎日を追いながら、少しずつ成長していく姿がとてもいじらしいです。途中、雌鳥たちの姿や牛たちの元気に駆け回る姿も映し出され、大きくアップされた映像に何かとても神聖なものを見ている気になります。どういう結末になるか考え始めた頃、トラクターの音と大きなタイヤがクローズアップされます。豚小屋に接近したトラクターは、子豚の鳴き声とともに去っていきます。残された親ブタの悲しげな声のエンディング。すべて書いてしまいましたが、本当に心に残るドキュメンタリーでした。
◇やはり昨年オープンしたアメリカのアカデミー映画博物館でオープニングの展示が宮崎駿展になったのはとても誇らしい気持ちがしたものです。とても現地には行かれませんが、ていねいな図録が手に入るということですぐに注文してしまいました。もちろん全編英語なので、訳すのに一苦労ですが、宮崎駿の手描きのイメージデザインがたくさん掲載されているので、アニメ化されるまでの彼の発想過程がとても伝わってきます。それにしてもかしこい少女の登場が多いですね。よほどあこがれが強いか、理想も高そうです。分かる気がしますが。
◇佐々木正美さんが亡くなって何年にもなりますが、ひろばに下げてある「ことばの森」カレンダーの言葉を読む度に、子育てに悩む方たちにじっくり味わってもらいたいと思います。それでここでひろばの日の言葉を紹介します。
・6日「体の成長には 食物の栄養が必要なように 心の成熟には 人間関係が大切である」
・20日「子どもの自立心を育てるということは 周囲の人に頼ることを教えることである」
◇最近訃報が続きました。まずS君。名古屋で支援学級を始めた頃、職場で孤立していた私を助けてくれたひとりです。彼は仮説実験授業のオーソリティーでオリジナル授業書もたくさん開発していました。印象的だったのは五味太郎のベストセラー「さる・るるる」という絵本をプリント化してことばあそびができるようにした授業書。絵本が楽しい教材になると知った瞬間でした。彼は中学の支援学級の担任でしたが、いっしょにキャンプをしたり、焼き芋大会をしたり楽しい時間を作ってくれました。
 もうひとりもSさん。彼は天白のプレーパークで子どもたちに自由な工作を提供し続けており、糸のこにこだわる私と真逆のものづくりに徹していましたが、樹種や植物の知識が豊富でいろいろ教えてもらいました。木を見て発想していくという過程には共通するものがあったかもしれません。
 少なからぬ影響を与えてくれた二人に合掌。
◇おもしろ学校のスタッフとも何十年という付き合い。年二回の一日おもしろ学校ごっこのイベントと同時に夏休みと冬休みにスタッフだけで学習会を行っています。
 さて、今回の学習会で印象的だったのは「よこいしょういちさん」の絵本。仲間のひとりが出版発行しましたが、学習会に参加した若い先生がクラスで読み聞かせをして子どもたちに感想文を書かせたそうで、終戦を知らずにジャングルをさまよってトカゲやミミズまで食べて生きのびた彼の執念に感動したことばが並んでいました。この地ではよくニュースになり、結婚報道などもされていましたが、彼がなぜ出て来られなかったかは単純に軍事教育の恐ろしさだけではなく、日本軍の残虐な行為に住民から敵視されていた状況もあったようです。いずれにしても戦争の悲劇を身を持って体現した人物として記憶と記録に残すべきと思いました。(この通信の発行日2月2日は横井さんが1972年に帰国された日です。)    
◆◆3月の予定◆◆
・ひろば 6日(日)、20日(日) ・工房 12日(土)、26日(土) 要予約